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主人公2とロネディオの発作

「おい、どうした」


嶋崎はロネディオの肩を触る。

ロネディオは、汗が過剰に流れ出ていた。


「いや・・なんでもない・・。」


嶋崎やカノンは、ロネディオが何か思いつめている亊を感じ取っていた。


「どうした、何時ものお前じゃないぞ」

「・・・そうだな。」


カノンは見た、左腕に血痕があるのを。


「・・・」

「どうした、カノン」

「ううん、なんでもない」


すると、誰かが来た。ちなみにここは丘の上だ。


「おーい、ロネディオー作戦行動を開始せよだってよー」

「ああ、分かった」


雰囲気が変わる。


「それで、どんな内容だ。」


伝令は、手紙をロネディオに渡す。


「内容は、手紙に書いています。それでは、ちゃんと渡しましたからね」


伝令はそそくさとさる。

彼は直ぐに、手紙の封を解き中身を見る。


「・・俺、嶋崎、カノンで橙巾党に組し、山千峰、シーガイア両国の兵力や資源、資金等の国力を疲弊させよ」

「・・そうか、やるか」

「そうだな・・」


カノンは、苦しそうなロネディオを見ている。


「・・二人とも、明日に備えて準備しろ。俺は・・寄る場所がある」


彼は走り去った。それを見送る嶋崎。


「帰ろうか」


ただそれだけ。心配するような表情を見せない。

寧ろ、関係ないという放ったらかしな念がある。

「お父さん、何で?」

「信頼はしているが、それはうわべの話。馴れ合うなど、言語道断。」

「薄情者!」

「勝手にしろ」


情に熱いなと呆れる嶋崎。此れは、彼女が去ってからのことなんだが。


 ち、またあの発作か。全く、先祖は何を俺に残したんだか・・。

俺がいる場所・・カベルネというぶどう酒に使うためのブドウを育てている畑の中にある・・小さな掘立て御屋。

屋根は突き抜け、赤い月光が壁にあるセフィロトの樹を照らす。

俺は近くにある骸骨を手に取り、粉々に砕く。


「握力が、また上がってらぁ・・。」


くつくつと悪魔の様に笑ってしまう。

あーあ、俺はどうやって生まれてきたんだっけー?

それすらも解らん。流石に、0~1歳で意識覚醒はないだろうが・・母親、父親の顔を思い出せぬとは・・。己に問いかけ何年だ?・・・・。


「オイ、俺の中にいる奴は誰だ。出て行け!」


‘我ら’は不思議な力で、外に出された。



 ロネディオを探して、ここまで来たカノン。

彼の大声で、居場所が分かったためそこに行く。


「あ、」

「・・カノン。」


彼女は、チョークで書かれたと思われるコンクリの壁にあるセフィロトの樹を見る。白い線は、赤い光を放っていた。


「!・・ロネディオ・・貴方・・。」


口を両手で覆う。


「・・・君には、早すぎたな」

「え、何・・・を」


光の如き速さで、彼は彼女を気絶させた。

彼は彼女を抱き、外に出た。ぶどう畑をでた所で、大きな影が彼らを覆った。


「何だ?」


その存在は、「よぉ、ロネディオ・フラン。」と親しげに挨拶する。

存在は、黒い鞘に血を浴びたような刀身を潜め人の怨念等の禍々しい気が出ている刀を、ロネディオの足元へ転移させた。


「そんなに血が欲しければ『村正』を手に取れ。」

「・・・いいだろう」


ロネディオは、カノンを近くの岩に身体をかけさせた。

彼は鞘を抜く。

『ブラッディスカーレット』という血が固まってできた、赤く、半透明なルビーで出てきた刀身は赤い月光を吸収し、力を増す。


しかし、その効果は一瞬でなくなった。何故か。

嶋崎は異次元ポケットから、鞘が白く神々しく輝き、柄も竜の様な存在感を浮立たせていたものが、紅色月光を白光へと変えた。

彼は刀身を抜き、鞘を仕舞う。


刀の鍔は、白光を反射していて、刃は光のような輝きで世界を被っていた。

正に『閃』。

鋭い光が、赤く禍々しい気を割く。


「さようなら、そして静かに逝け」


所変わらず、ロネディオは『ブラッディスカーレット』で出来た『村雨』を

異常な身体能力を使って行使してくる。

嶋崎はスカーシュから剥ぎ取った素材で作った名のない刀を出す。

両者は、紅と聖の光が邪な赤い月光を消しながら、突撃する。


勝負は一瞬でついた。

理由はまず、両者が突撃する前に嶋崎が刀を平行にロネディオに投げつけ、防御態勢に出た彼の一瞬の隙をついて後ろへ回り込み、

後頭部をバドラケットの縁で殴った。雰囲気台無しだ。


「起きろカノン。」

「ん・・?」


起きた。嶋崎は早速、彼女をこき使う。


「この莫迦を運ぶから、手伝ってくれ」

「わかった。それで、何をすればいいの?」


嶋崎は、鞘に収まった『村雨』と白い刀を渡す。


「ちょ・・」


嶋崎は、ロネディオを肩に担ぐ。


「さあ、行くぞ」

「いや、それよりもあの小屋に・・」

「何かあるのか」

「ううん、なんでもない」


彼らは紅にそまった空を見ながら、城へ帰る。

カノンが嶋崎に、あの亊を伝えようか迷っている。


「カノン、あの小屋には、何があった」

「え・・、セフィロトの樹・・」


嶋崎は止まった。不思議に思う彼女。

彼は回れ右をして、進路方向を変えた。

彼女も、黙ってついていく。


 「・・・」


嶋崎は、紅に光るセフィロトの樹の構成してある円の内側の英語をみた。

彼は驚く。そして、苦笑いした。


「どうしたの?」

「いや、世の中、面白いこともあるんだな。と」


さあ、帰るぞと言ってこの小屋からでる。


「お父さん、何が書いてあったの?」

「―――笑えねぇな」

「え?」


カノンは城に着くまで、頭に?を浮かべさせていた。


かわって、嶋崎は半分「冗談もいい加減にしてくれ」という気持ちだった。


 城門の人に、ロネディオを渡す嶋崎。

彼は其の後、久しぶりというか皆既月食をゆっくり見たいため、あの丘へ行こうと思った。


「来るか?」

「え・・うん!」


その丘へ行く。紅に染まる月と空。

その周囲には、黒や白意外の色で光る月。

中々風もあって涼しく、二人は和んでいる。


「じっくり見ると、中々綺麗だな」


その誰にも意見を求めていないひとりごとに、カノンはうなづく。

今、完全に嶋崎は、private modeだ。

普通に体に纏っている強者の気迫が、今は微塵にも感じられない。


「お父さん」

「何だ?」

「脚・・かして?」

「ああ」


彼女は彼の太ももに頭を置き、彼の方を向いた。


「今日は・・なんだか・・疲れちゃった・・。」

「そうだなー。」


ため息を吐く。


「まあ、いつものことだけどな。」

「まあね」


笑い合う二人。

彼は左手を己の体後ろに固定し、体の支えとする。


「いや~、風柳ですなぁ~」

「おやじっぽいよ」


カノンは嶋崎の言動にクスッと笑ってしまう。


「おっと・・」


これは、川田と一週間森で訓練していたとき、毎回白等の満月の時には、水を持って風柳ですな~と何時も言っていたのだ。

そして、それをオヤジっぽいぞ、と突っ込む嶋崎の姿があったりする。


黄色の瞳に変わったカノンのオレンジの頭髪を指に巻きつけ、指あそびしながら、寝そべる。


「寝たらダメだよ」

「本当に寝そうで困るな」

嶋崎は直ぐ様、体を起こし上げた。彼はカノンの体を見た。


「しかし、カノンも大きくなったな」

「そりゃ、大きくなるよ」

「まあ、そうなんだが、昔は三十センチ程だったのにな」


小さ過ぎない?と宣うカノン。


「そんなくらいだろ?」

「もっと大きいはず・・」


細かいことは、気にしないという感じで通された。

こんな感じで、親睦を深めていた。二十六分後、城へ帰った。


「「疲れたー」」


と言いため息を吐く。部屋は違えど、二人とも生理的なことをやってベッドの上でこのように、言った。




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