扱いが主人公3登場
後で改行。
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此処は、とある街。其処には、おっさんと子供が居た。
おっさんは、青年にしか見えないが、なんとなくそう見えた。
青年らが見ているのは、歩行者信号だ。今は赤だ。
青年は子供たちの隣に来た。
何かを待っているかのような、眼光であった。少し車が減った時、青年は未だに赤の信号に指さす。
「赤信号、皆で渡れば・・怖くねぇ!行け!野郎ども!」
「ワアアアアア!」
青年は大声で、子供に赤信号を渡るように言った。
青年も、子供たちの先頭に立つ。一気に走り、向こう側に着いた。
青年には、爽快したような表情をしていた。其処に、一人の男が近寄る。
「孫策!」
「げぇっ!周瑜!」
周瑜と呼ばれた男は、孫策に近づく。
子供たちは先程のことで、話が盛り上がっている。
「何時も言っているだろう、どんなに車がすくなくても撥ねられる可能性があると。」
「いやー、すまんなー周瑜。何かこー、一度やってみたくってさー。
好奇心が異常に湧くんだよな。」
周瑜は和かに笑う。
そして、「莫迦が!」脳天チョップを食らわす。
「ごふっ」
「何が一度なんだ、何が。
駆け込み乗車、三輪車で山下り、鋼鉄性フォークで雪山登山、競輪用自転車で高速道路疾走、警察巡回車でF-1とカーチェイス、線路に石置き、津波を挙拳で割り止める。
これ以上やるのなら!大喬殿に言い伝えるぞ!」
怒りが結構あるようだ。
「まーまー、そんなに起こるなって、政務で疲れているんだろ?休めって。」
周瑜はため息をつき、子供達を見る。
「ならば、早朝と夜、君も手伝ってくれ。」
「早朝は無理だなー」
「給料」
「やらせて貰うぜ!」
周瑜は、現金であり馬鹿でもありある意味良かったと安堵していた。
「策、子供たちを家へ返せ。今からあそこへ向かう。」
「どこだ?」
「君が訪れると何時もあれを云う場所へ。」
孫策は、少し明後日の方をむき、思考を巡らせた。結論は、彼処だ!
・・・・移動中。
此処は暑い島だ。おまけに、戦争での不発弾や遺骨がごろごろあり、戦車まで埋まっている。この島は、珊瑚で出来ていて、外国には‘南のガラパゴス’と呼ばれ注目されている。この島は山千峰にあるはずなのだが、やはりアレにによって此処に来てしまった様だ。
「あちぃ~!」
「暑い言うな、もっと熱くなるだろうが」
「じゃあ、寒いとか言えばいいのか?俺には、言靈は操れねぇぞ。」
「気分だよ、気分。」
二人は汗だっくだくの状態で、この島に来た。
この国は、様々な文化が混ざっているため、建物も城も変わっている。
二人は城門の前に立つ。
「俺、何時も思うんだ。
これは首里城じゃねぇ、真っ赤だから朱里城が良いと思うんだ。」
周瑜はため息を吐く。
「其の愚痴は、三七二九回聞いたぞ。取り敢えず、入ろう。」
これで分かったであろう、此処は沖縄だ。
二人は城内へ入った。
「おーい、エビフラーイ、きてやったぜー」と言いつつも、二人はそばのベンチへ座る。
「ふぅ・・・涼しいな」
城内は空気清浄機がなくとも、涼しかった。孫策は綺麗な石づくりの床に寝そべり、転がった。
ガツン!
「ふがっ」
目を閉じて転がっていたため、鼻を壁にぶつけてしまったようだ。
すると、岩を叩く靴の音がした。
「エビフライではないと、何時も言っているだろう。」
「あ」
「ようこそ、琉球王国へ」
いかに無礼であっても、客人には丁寧に接待する彼。
「久しぶりです、フビライ殿。」
「うむ、久しいな周瑜殿。」
国王のフビライ=ハンだ。ハンは、王という意味だ。
他にも、ハーンやカンがあるが、同じだ。
「其れで、何用かな?」
「今後の世界についてです。」
「そうか、ではこちらへ」
それを言った後、孫策が何処かへ走っていく。
それを見た周瑜は、ため息をつく。
「苦労されておりますな」
「そうですね。政務を手伝ってくれれば良いのですけど・・。」
フビライは軽く笑って、中に入った。
その頃孫策は、
「おーい!金魚ー!シャコー!どこにいやがる!」
其の刹那、孫策の背中を叩き壁に貼り付ける。
「俺は鯱だ!間違えんな!」
「めんごめんご、久しぶりにやろうぜ!」
「いいだろう。来い、ひよっこ」
「ひよっこはテメェだ。小魚!」
小魚とはいっているが、大きさは百四十センチだ。
二人は、庭に出る。
「行くぜ!」
孫策は、両手混棒を出し、握る。
「かかってこい!」
シャコ=鯱にする。シャコは突進する。
「はっ!」
脚と腰を使って、威力を上げ殴る。
しかし、ガキンと音が鳴っただけで、ウロコには傷がつかなかった。
シャコは頭を上げ、孫策を打ち上げる。
「鯱フラッシュ!」
眩い光の玉を発生させ、相手の視力を奪う。
しかし、此れを予知していたのか、孫策は目をつぶっていた。
彼は身体をひねり回転させながら落ちてくる。
シャコは地面を尾で蹴り、飛び退く。
孫策は着地しながら、地面に模様を描く。
「ぬ、それは・・」
「来い!炎竜!」
まだ小さいが飛べられる竜が、孫策の後の宙にある模様から出てきた。
「覚えたのか・・」
シャコは、目を細くする。
「ああ!お前の召喚術に憧れてな!十三年間、辛かったぜ!」
彼は七才の頃、シャコの技を見て特訓の日々に明け暮れたのだ。
「ふ・・良いだろう。」
シャコも模様を描く。
シャコも同じように、後の宙にある模様から出てくる。其れは咆哮を上げる。
孫策も冷や汗を流しながら、その至上の存在を見る。
「いつ見てもすげぇぜ、光龍・・」
白金の体色をし、眩い光を放つ神々しい大人の竜。
孫策は気を引き締める。
その強大な相手に、敵に立ち向かうために・・。
「何だか、外がうるさいな。」
城内のある一室で、周瑜が呟く。
「ははは、どうせまた策と鯱が遊んでいるんだろう。しかし、これは・・」
「?」
「いや。さて、続きを話そうか。」
フビライは、竜の声に気づいていた。
(策、お前は・・)
何処へ向かう?
「では。最近平将門と清盛が不穏な動きを見せています。
また、フリーメイソンの動きもこの国、エネサストの隣国の山千峰にまで進行しています。
裏で滅ぼしていますが、如何せん国が広い。
よって、フビライ殿にも、手伝ってもらいたい。」
周瑜は真剣な眼差しで、フビライを見る。
それを少しちらっとみた。
少し、にらみ合いをしてから、鼻を鳴らす。
「いいだろう。此方も冤罪をかけて処刑してみよう。
勝手に懐に覚せい剤を入れてな。」
「有難う御座います。」
此の後、少し孫策について雑談する。
そして、フビライは立ち上がる。
「?」
「さて、見に行くか」
「はぁ」
二人が庭に来た。
其の時、孫策がシャコを雷と炎をまとわせた拳を叩き込んだ。
「『炎光閃烈拳』!」
「ぬるい!『小金の猛牛』!」
拳と頭のぶつかり合い。
もう一方の炎竜と光龍は、勝負がつきそうになっていた。
炎竜は身体を燃やし、特攻を仕掛けようとしていた。
『特攻炎竜兵』
光龍は、それを受け止めようとしていた。我を超えよ、と。光龍も彼らの連携でぼろぼろであった。
『光の壁』
両者共、ぶつかる。
大爆発が生じ、衝撃波や土煙も巻き上がった。
・・そして、勝ったのは・・居なかった。
「ちっ・・共倒れかよ・・」
竜の方も、特攻捨て身で壁を破りみぞうちを頭でとっつき倒れた。
それにしても、酷い惨状となっている。
シャコの鱗が二枚程落ち、孫策愛用の武器『拐』の二本の内一本が折れ、太陽はいつも以上に輝き、地面は溶岩の如く音を鳴らし燃えている。
「庭の整備士には、少しきついかもしれませんね」
周瑜は倒れている孫策の頬を、ペチペチ叩きながら言った。
「はっはっは、なぁに構いやせんよ。」
結構な問題を、フビライは笑い飛ばした。
※拐とは、トンファーの様なもの
沖縄。ただし、地球ではない。
とある影響により、移ってしまった。