プロローグ2
リアルが忙しくてやっと書くことが出来ました。
「おいおい、さっきまで学校に居たはずなのにここどこだよ・・・・・。」
学校にいたはずの俺が今立っている所は、豪華絢爛と呼ぶにふさわしい高級ホテルみたいな部屋にいる。
学校の廊下からこの部屋にいることを、身体が認識すると謎の金縛りは解けていた。
「まあ、窓も扉もないから逃げられないしくつろいどくか。」
才治がこの部屋に来てから、最初に行動したのが部屋の散策である。
パッと見で高そうだとわかる家具や部屋を照らし続けるシャンデリア。
才治は確認できるだけ確認した。
しかし、どれだけ探しても窓も扉も見つからなかった。
隠し窓や扉があるかもしれないと、色んな所を物色したがそれでも見つからなかったのだ。
(こんだけ探して見つからないとなると、多分最初から窓も扉も存在しないんだ。
どうやって俺を部屋に、入れたかはわからないけどここは大人しくしとくべきだろうな。)
食料もあるし冷蔵庫の中にも様々な飲み物があった。
ゲームも本もある。
流石にテレビと携帯はなかったけど、充分暇潰しは出来る。
「どうせ、ボーッとしてたら何かアクション起こしてくるだろ。」
ここがどういう所かわからないが今の所、俺にとってのマイナスポイントはないしな。
気になるのは、一緒にいた南瓦が無事かどうかだけだな。
「まあ、俺なんかとは違うし自力で何とかしてんだろうけど。」
この部屋の主が行動を起こしたのは、それから二時間ほどあとのことだった。
◆◆◆◆◆◆
「ここどこなのよぉぉぉーーー!」
私が目を覚ますと、そこには見たことのないくらい綺麗な湖がポツンとあった。
「すっごい綺麗だけど、負けず劣らず不気味な感じね。」
「南瓦もそう思うか?僕も不気味だと思うんだ。」
「ひゅわっ!!!」
「プクク……!ひゅわっ!!!って面白すぎる……。」
「びっくりしたぁ!驚かさいでよ!【北四島】君のバカ!」
私を驚かせたこの人は、【北四島 零】。
南瓦と同じくらい大きい家の一つの北四島家時期当主。
とっても頭が良くて、私と才治君と三人で学校でよく一緒にいるメンバーの一人。
顔見知りがいた事に、私はすっごく安心したけどすぐにおかしい事に気がつきました。
「あれ!?何で北四島君がここにいるの!?」
「何でってそれは僕が聞きたい。まあ、何となく予想はついてるけどね。」
北四島君は人悪い笑みを浮かべて湖を見つめていたと思ったら
「ねぇ!ずっとそこで見てる人は事情を知ってるかなー!」
「え? 誰か他に人がいるの??」
湖に向かって声をかけた。
変化はすぐに現れました。
湖から人が出てきたんです!
私はびっくりして声も出ませんでした。
「いやはや、こんなに早く覗いているのがバレるとは。
それとねお嬢さん。一つ訂正をするとね私は人じゃあないんだよ。」
「そんなの見ればわかりますよ!」
普通の人は湖から何て出てこないよ!
あれ?でも、それならこの人どういう存在なの??
「それで貴方は人じゃないなら、どういった存在なんですか?」
北四島君エスパーなの?
私の考えとほぼ同時に疑問ぶつけて来たんだけど……。
「おや?メガネ君はわかってて声をかけたんじゃないのかい?」
「誰がメガネ君だッ!・・・・・んッん!僕は大体の予想はついてるんだけどね。連れの為に答え合わせも兼ねて教えてもらえませんかね?」
流石の北四島君もメガネ君呼ばわりは怒るんだね。
違う、そうじゃなくて。
この変な存在さん(仮)の何なのか予想がついてるって、今出てきたばっかりだよ?
凄すぎるでしょ北四島君、凄いを通り越してちょっと気持ち悪い……。
うわッ北四島君にすっごい睨まれてた。
怖い怖い、彼ほんとに心の中読めてるじゃないかな。
「心の中なんて読めてないよ。南瓦が全部顔に出すからわかりやすいんだ。」
「嘘ッ 私そんなにわかりやすい??」
「才治よりかは、かなりマシだけどね。」
「それ褒められてる気が全然しないんだけど……。」
「君たちさぁ僕のこと完璧にわすれてないかい?」
あっ……スッカリこの人?の事忘れちゃってた。
「や、やだなぁ。ちゃんと覚えてましたよ〜!」
「うわっ酷いねぇ。今すごく眼鏡君が言ってた事が、すごい理解出来たよ。」
えっ!? 今のは完璧な誤魔化しだと思ったのに……。
「誰が眼鏡君だっ。そうじゃなくて、やっぱりネタばらしされる前に少し僕の推測を言ってもいいかな?
そこから間違っている所を貴方が、訂正して欲しい。」
「そうだね。そっちの方が彼女も理解しやすそうだね。では、君の推測を聞かせておくれ。」
いきなりシリアスな雰囲気になって来ましたよ。
私まだシリアスになりきれてないんだけど……。
さっきの演技の何がダメだったのかな?口笛?口笛が悪かったの?
馬鹿なことを考えてたら、北四島君の説明が始まっちゃった。
「じゃあ僕の推測を話していこう。まず僕達が気になってることは三つある。
『ここは何処なのか』、『貴方は誰なのか』、『才治は無事なのか』。
この三つの内、僕が推測を建てられたのは二つ『ここは何処なのか』と『貴方は誰なのか』について。」
私的には前の二つも気になるけど、才治くんの安否が一番なんだけどね。
北四島君の話を聞き終わってから、謎の存在さんを問い詰める事にしようかな。
「初めに『ここが何処なのか』から僕の考えを話す。
ここは地球じゃなくて、異世界だと僕は思ってる。」
「異世界って、今ネット小説とかで流行ってる剣と魔法のチートでハーレムなあの異世界?」
「概ね合ってると思う、チートでハーレムかは分からないけど。
……と言うか、思ってたより南瓦にその手の知識があってビックリしたよ。」
「才治くんがオススメしてくれたから、その日のうちに読めるだけ読んだの!」
ただ、オススメされたほぼ全部が奴隷の女の子とイチャラブするシーンがあったから、次の日に優しく話し合ったら、分かってくれたみたいだけど!
優しく話し合ったと言うが、才治がしばらく死んだ魚のような目をしていたのは様式美である。
「ある程度知識があるなら先がわかると思うけど、今僕たちがいる場所は異世界召喚される、僕たちに説明をしてくれる神様っぽい人と話す場所って認識で合ってるはずだ。」
「でも、神様っぽい人なんてどこにも……あっ!」
「そうだよ。ここで『貴方は誰なのか』について自然と答えが出るんだよ。」
「それじゃあ、謎の存在さんが神様って事なの!?」
確かに人間ではありえない事してたけど、こんな人が神様だなんて……。
「そんなに残念な物を見る目で、僕を見ないで欲しいなぁ。」
「その事については、今までの自分の言動を振り返るんだな。
……それで僕の推測はどうだったんだ?」
「ブラボー!だよ。少し訂正する箇所はあるけど、この状況でここまで冷静に分析できるなんて、メガネ君とはもう呼べないね!」
北四島君が凄いドヤ顔なんですけど……。
あの顔をされるといっつもビンタしたくなっちゃう。
「さて、君たちと話していられる時間も、あと少ししかないから本題に入らせてもらうよ。」
その言葉を神様(仮)から呟くと、私は慣れ親しんだ空気に変わったのを理解した。
そうこれは、戦いの場の空気だ。
いや、死合いの時の肌を突き刺す殺意に近い物だ。
「さあ!ここからは僕が君たちに、問う番だ。答えは慎重に考えなよ?」
神様(仮)は口を三日月の様に歪め、北四島君を褒めた時より嬉しそうに、楽しそうに告げる。
「後悔するのは君達だからね」
読んでいただきありがとうございます。
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