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83 禁制品 忌まわしい糸

 その少し前。

 ンドペキはコリネルスやパキトポーク、そしてロクモンと話し合っていた。


「なに! カットラインを!」

「そうだ」

「そんなもの、どこで見つけてきた!」

 パキトポークが吼えている。

「俺は反対だ! だいたい、あれは!」

「拙者も反対でござる」


 カットライン。

 この武器が開発されたのは、数百年ほど前。

 不思議な金属を主材料とする、ナノ繊維の一種。

 特殊な溶液に反応して、極限にまで密度が高まり、あらゆる物質より硬度がある。

 目に見えない細い糸となっても、切ることはできない。


 しかも柔軟性を有しており、空間にふわふわと漂わせておくだけでよい。

 触れたものは、何が起きたのかわからないうちに、己がすっぱり切れてしまうのだ。

 どんな装甲も、カットラインの前では用を成さない。

 通り過ぎただけで、体は真っ二つになってしまう。



「あれは禁制品でござる」

 珍しく、ロクモンが明確に反対を唱えている。

「しかし、この状況では……」

 コリネルスの旗色は悪い。


 エリアREFで、そんな大昔の武器が発見されたのだった。

 カットラインは、卑劣な戦法という烙印を押されている。

 殺傷マシンや兵士のみならず、一般市民の脅威ともなる。

 しかも、後始末ができない。

 不要になったカットラインを撤収しようにも、できないのだ。

 そのため、かなり以前から使用が禁止されていた。



「これ以上、隊員を割くわけにはいかない」

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