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83 行けばわかることもある

 傾斜は急だった。踊り場もない。

 一般市民であれば難行だろうが、武装した者に苦はない。

 先頭を行くスゥに従って、軽快に登っていった。

 かつんかつんと、足音がこだました。


「話しかけて、いいですか?」

 ンドペキは、少し軽い調子で声を掛けた。

「先ほども申し上げたとおり、静粛に願います」



 思いついたことがあった。

 それを聞いてみたかったのだが。


 この階段の登っていく方向、そして距離からすると、行き先はゴミ焼却場の上部辺りではないだろうか。

 もし、焼却場の上部に行くつくのなら、シェルタの出入り口のヒントが見つかるかもしれない。

 まあいい。

 行けばわかることもあるだろう。



「先ほども言いましたが、この先には絶対に行かないでください」

 かなり登ってきて、ようやく上の階にたどり着いた。


 階段はここで行き止まり。

 数人が立てば一杯になる狭い踊り場に、人がひとり通れるだけの狭い横穴があった。

 横穴の中に光を向けても、全く何も見えない。

 バーチャルな仕掛けでもあるのだろう。


「行けば、非常に恐ろしいことに巻き込まれます」

「なるほど」


 シェルタの入口!

 直感は、そう告げている。



 分かったと応えておいて、その恐ろしいことの可能性を考えてみようとしてやめた。

 想像を膨らませても、解が見つかるものでもない。

 かつて、スゥの洞窟で同じような会話をしたことを、ふと思い出した。


「そちらの穴にも、関心を向けられませんように」


 横穴と反対側の壁に、向き合う形で小さな穴。

 床に接する位置に、五十センチほどの四角い口が開いていた。


「万一入っていったとしても、生きて出てくることはできません」

「了解です」

「体力は大丈夫ですね?」

「もちろん」

「では、先に進みましょう」


 まだまだ先があった。

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