表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/345

66 きっとあの中にあるはず

 艇が動きを止めた。

 準備が整った。

 サブリナに見えているだろうか。


 なにが始まるのか。

 飛空艇乗りは再び自動操縦モードにし、黒煙の中のサブリナを探すかのように上空を凝視し、諦めてモニターに眼をやった。



「私ができるのは、こういうことよ」

「んっ」

 サブリナの声が聞こえてきた。


「ここっ!」

 サブリナが座っていたシートの上に、角砂糖のような立方体が置かれてあった。そこから声がする。


「詳しく話をしてる時間はなかったから。少しだけ説明するね」

 サブリナがそこにいるかのように、明瞭な声が聞こえてきた。

「見てて」



 むっ。

 強烈なエネルギーを感じた。

「おおおっ」

 セカセッカスキが叫んだ。


「なるほど!」

 飛空艇も抗しきれないエネルギー!


「浮き上がっている!」

 黒煙が立ち込める中に、さまざまなものが浮遊しつつあった。


「見ろ!」

 磁石にでも引き寄せられるかのように、重力に抗ってひとつ、またひとつと地面を離れてくる。


「あなた方が探しているのは、カイロスの刃でしょ?」

「そうだ!」

 思わず、スジーウォンは叫んだ。

 守秘義務など、もう気にしている場合ではない。

「特殊な金属。きっとあの中にあるはず」

 街の上空に浮かんでいるものの中に!


「今から五分間持ち上げておく。その間に探して」

「了解!」

 スジーウォンは叫んだ。

「素手では触れないかも。十分気をつけて」

「恩に着る!」



「今だ!」

 セカセッカスキがハッチを開けた。

「成功を祈る!」


 後ろを見ずに飛び降りた。

 スミソが続いて飛び降りることは分かっていた。

 もし、来なくても、それはそれでいい。

 こんなむちゃくちゃな作戦で、死ぬのは自分一人で十分。



 空中を落ちていく感覚など、そうそう味わうことはない。

 しかも、落ちていく先は地獄。


 地上に着く直前に、ブーツの浮遊モードをタイミングよく全開に!

 姿勢を保って!

 でなければ、地面に叩きつけられる。


 緊張していいはずだが、スジーウォンは自分が落ち着いていると信じた。

 目は、炎の中に浮かんでいるはずの剣を探していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ