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53/518

53 私は頭が弱いけど

 最後にアンジェリナと一緒にいたのはいつ?

 どんな様子だった?

 そんなことを質問すればいいのだろうか。

 あるいは、セオジュンに照準を絞って話せばいいのだろうか。


 以前、ライラに初めて会ったとき、叱られたことを思い出した。

 自分には、相手を重んじる気持ちも思いやりもなかった、と思い知らされ、泣いたあのとき。

 しかし今、悄然としているニニを前にして、何を話せばいいのか、分からなかった。



「ニニ……、力になりたいのよ……」


 パパなら、こういうとき、どう言うんだろ。

「もし、あなたが知らないなら、私のパパが探してくれると思うんだ。優秀な探偵も友達みたいだし」


 ニニが何かを隠している、とは思っていなかった。

 話すことができないのかも、となんとなく思っていた。


「私は頭が弱いけど、パパは」


 ニニは目を伏せたままだが、ようやくかすかな微笑を見せた。



「ねえ、卒業式の日……」

 何かあったのだろう。

 チョットマは自問するように言った。


 初めてニニがまともに顔を上げ、口を開いた。

 目元が潤んでいるようだった。


「あの日……。ううん、その前に私たちのことを話すわね」


 ニニの声が、今までとは違っていた。

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