49 見せてやる!
なに!
ものすごいスピードで、迫ってくる黒い集団がある。
セカセッカスキが進路を変えようとするが、と思った瞬間にその集団は、飛空艇を掠めて後方に飛んでいった。
「おおおっ!」
「パリサイド!」
「見ろ!」
セカセッカスキが叫んでいる。
「見えるか!」
乗客の窓からは、後方は見えない構造だ。
「どうなってるんだ!」
「見せてやる!」
「ぎゃっ」
セカセッカスキが、強引に機体を持ち上げた。
「グハッ!」
「我慢しろ!」
機体は垂直に立ち上がったかと思うと、そのまま一気に宙返りを始めた。
「うわああっ! 格好いい!」
アビタットが叫んでいる。
「すごいぞ!」
パリサイドの集団は、飛空艇と戦闘機の間に割って入り、その中間に浮かんでいた。
と、はじけたように広がり、あっという間に巨大なスクリーンになった。
「こいつはいいぞ!」
「やれやれ、パリサイドまでお出ましだ!」
セカセッカスキがうれしそうに吼る。
「これじゃ、やつらも攻撃できないぞ!」
空中のパリサイドは数名。
いずれも戦闘機の方を向き、飛空艇には背を見せている。
空中に立つように飛び、羽根の腕を広げている。
「やつら、どんな飛び方もできるんだな」
立った姿勢で、強烈なスピードで後ろ向きに飛んでいることになる。
「助けてくれようってのか!」
空に黒い幕が広がり、戦闘機はすでに見えない。
「こりゃいいや!」
「おい! これじゃ、俺達もあそこに突っ込んじゃうぞ!」
「ガハハハハ!」
「セカセッカスキ!」
「心配するな! 真っ直ぐ後ろ向きに飛んでるぞ!」
「なっ」
「離陸のときに、陸地を見たいって酔狂な客もいるんでな!」
「それを先に言え!」
「艇体だけが宙返りさ!」




