471 あれしか歌えないんだから!
「そもそもの始まり、それはサリの失踪事件。あ、いえ、もうその話は済んだこと。いまさら繰り返しはしません。ただ、サリの事件が解決したあの時点では、いくつもの疑問が放置されたままでした」
スジーウォンから罵声が飛んできた。
「なんだ、そのくそ丁寧な喋り方! 気色悪いぜ。普通に喋らんかい!」
「ハハ、了解だ」
「暑苦しいから、座れ」
「わかった」
ここにパキトポークはいない。
あれから数名の隊員が次元を移行し、帰還してきたが、彼らが言うに、パキトポークはこう言ったそうだ。
俺はここに残らねばならん。
ンドペキらによろしく。
十名ほどの隊員とともに、アンドロの次元をまとめていく覚悟だった。
チョットマの歌を聞かせてやりたかった。
ンドペキは、いつかまた会える日が来る、そう思った。
「今日、この機会を持とうと思ったのは、他でもない、チョットマから話せというオファーがあったからだ」
セオジュンとアンジェリナの行方が知りたいというのだった。
あのまま、ライラと一緒にこっちに戻って来てしまったから。
「確かに、我が隊のアイドルガールだけがその謎に食いついたまま放さなかったんだな」
おかげで、自分の頭も整理できたし、多くの謎が解けていった。
「ええっ、いつ私、アイドルになったの?」
「ハハッ。歌姫と呼ぶことにしようか」
「やめてよ! そんなの無理! あれしか歌えないんだから!」
「一曲だけでも立派じゃないか!」
「そう?」
ンドペキはニヤリと笑ってみせ、ウインクもサービスしてから話し出した。




