4 銃を下げて 目立つから
「止まれ!」
追手は驚く様子もなく、悠然と振り返ると、両手を挙げ、
「撃たないで」と言った。
女の声だった。
「動くな!」
慎重に近づいていく。
女が小声で言った。
「武器は持ってないわ。銃を下げて。目立つから」
「どういうつもりだ!」
「悪意じゃない。あなた方が飛空艇を探していると聞いたから」
「それでは回答にならない。なぜかと聞いている」
「私も飛空艇を探しているのよ。私より、あなた方の方が見つけるだろうと思って、だから」
見つけた飛空艇を横取りしようというのではない。同乗させてもらえたら助かる、と思ったからだという。
スジーウォンとスミソは女を間に挟んで、歩きながら詰問した。
警戒を解いてはいないが、立ち止まって話すのは憚られる。
「この街は、軍の人の力が強いでしょ。私のような市民は、なかなか飛空艇を探せなくて」
市民、だろうか。
黒い大きな澄んだ瞳をしていた。
スミソは、なんとなく、女から発せられる「気」が、普通の女性のものではないと感じた。
どこかで感じたことのあるものだったが、思い出せないでいた。
「困っているのよ」
女はサブリナと言った。
ポツリポツリと話す。
懸命な判断だ。カメラもマイクもいたるところにある。
重装備した兵士に挟まれて歩くのは、気持ちのいいものではないだろうが、平然としている。
「行きたいところがあるのよ」




