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395 これ以上、危険なことなんてないわよ
「おい!」
スゥが近づいていこうとする。
「大丈夫か?」
「なんとなく」
そして、話しかけてみようとする。
「待て。これ以上近づくのは危険だ」
「ここにいること自体が異常事態。これ以上、危険なことなんてないわよ」
ユウでも、そう言っただろう。
二人、よく似ている。
そう思うと、ンドペキはリラックスしてきた。
「まあな」
「どなたか存じませんが、アンドロがいるところへどうやったら行けるか、教えてもらえませんか」
スゥに代わって、話しかけてみた。
反応などあるはずがないと思いつつ。
しかし、溶岩の反応に思わず息を呑んだ。
黒い表皮の間から、赤い中身がすっと出て、手の形を作り、指差してみせたのだ。
「あ、あっ、ありがとうございます」
スゥがさらに大胆なことを聞いた。
「あの、私はニューキーツに住むマト、スゥといいます。あなたは?」
しかし、溶岩はこれには応えなかった。
そしてゆっくりと手を引っ込めてしまった。
溶岩が指差した方向。
これから向かおうとしている方向。
「行くか。ん?」
「誰か来る」
まさしくその方向から人影が近づいてきた。




