389 散り散りになってしまった
「参ったな」
「何が」
「東部方面攻撃隊。散り散りになってしまった」
パキトポークやスジーウォンの姿もない。
「まあね。でも、そのうち現れるかも」
「タールツー……、か。もう、どうでもよかったのかもしれない。太陽フレアが来て、カルベスが発動されて。ニューキーツの長官が誰かなんて、もう……」
ちっぽけなことじゃないか。
どうでもいいことじゃないか。
あそこで群衆を目の当たりにしたとき、そう判断すればよかったのだ。
そうすれば、人波に飲み込まれる前に、それを回避して街に戻ることができたかもしれない。
あるいはシェルタに引き返して、エリアREFに戻ることもできたかもしれない。
「俺の判断ミスだ」
「もう、どうでもいいことだって! 済んだハ・ナ・シ」
「でも、アヤちゃんと離れ離れにならずに済んだ」
「だから、自分を責めても、意味ないよ」
「最後には、ニューキーツの街を殺傷マシンから守ろうと思っていたのに」
「へえ。そんなこと、考えてたの」
カルベスが発動すれば、街を防衛しているバリアはダウンする。
そうすれば、荒野のマシン共が押し寄せてくる。
エリアREFであろうと政府建物であろうと、奴らが徘徊することになる。
いずれは地下の避難施設にも。
街を守れるのは自分達しかいない。
タールツーを追い詰めることができない場合、それしか自分達のすることはない、と考えてもいたのだった。
「もう、手も足も出ないな。向こうに残った奴がやってくれるだろう」
「隊長ねえ。いつまでもそんなこと、考えるなんて」
「しかたないさ」
口ではそう言いながら、ンドペキは今なにをすればいいのか、を必死で考えていた。
もう、ベータディメンジョンに移行してきてしまったのだ。
今、ここでなにをするべきか。
どう行動すればいいのかを。
と、
「探しましたよ!」
肩を叩くものがあった。




