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387 アンドロの次元 ただただ灰色に包まれた空間
何もない空間。
ただただ灰色に包まれた空間。
霞んだ空気。
床は確かにある。
硬い金属質の床。
どこまで続いているのかもわからない。
暗くはない。
むしろ明るい光に満ちている。
とてつもなく大きな建物の中、なのか。
灰色の中に時折、虹色の光が見え隠れするが、それがすぐ近くなのか、数キロ、あるいは数万キロ先なのかも判然としない。
呼吸に問題はない。
ただ、なんとなく息苦しい。
空気の密度が高いのか、組成が異なるのか。
体は重い。
地球より、重力が強いのか。
しんとしている。
鼓膜が空気の密度に圧迫されている。
耳鳴りがする。
静けさに耐えかねたように、「誰か……、助けてくれ……」という呟きのような声が上がった。
それにつられてすすり泣く声が。
「アヤちゃんは?」
「見えないね」
「探そう」
「うん」
スゥの手をとった。
ここではぐれてしまうわけにはいかない。




