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386 オーエンが言ったとおりに……
人々がぎっしり立ちすくんでいた。
ンドペキは人波にもみくちゃにされながら、廊下を進んだ。
ユウのことしか頭になかった。
ユウの元へ。
「嫌だ! こんな所! 来るつもりなかったのに!」
女が叫んでいる。
「命が助かったんだぞ!」
と、男。
「まだ分かるか! そんなこと!」
「いったい、どうなるんだ!」
そんな声がして、また群集は静まり返った。
後から後から、人が湧いてくる。
いつの間にか、アンドロの次元、ベータディメンジョンに移行していた。
オーエンが言ったとおりに……。
「どこよ! ここ!」
また、悲鳴のような声があがる。
「アンドロの棲みか」
と、応える声。
「えええっ!」
「嫌よ!」
隊員の誰とも通信が繋がらないことを知った。
そして、いつの間にか、イコマとの同期も切れていた。
「スゥ」
スゥだけは常にそばにいた。
「すまない。こんな所に来てしまった」
「ううん。いいのよ」




