表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

343/345

343 ねえ! 聴いて聴いて!

「パパ! ねえ! 聴いて聴いて!」


 イコマの部屋にチョットマが駆け込んできた。

 そう言うなり、歌いだした。



 Ah

 この手のぬくもりはすぐに消えていく

 後姿は見ていたくない

 Ah

 ただ、呟くだけさ

 やれやれ、って

 そして、ごめん、って



「これって、失恋の歌!」

「いいじゃないか!」

「一つ目のお姉さんが教えてくれた!」



「ねえ……、パパ」

「なに?」

「……パパって呼んでも、いいかな。これからも」

「当たり前じゃないか! 前にもそう言ったよ」

「だって……」

「ははあ、さては僕とンドペキのことを気にしてるんだな」

「そりゃあ……」

「もう同期してないし、第一、僕は君を娘だと思ってる。家族だって」



 イコマはまだ、ユウのように、元の容姿を纏うことに慣れていない。

 パリサイドの姿。

 表情を作ることもままならない。


 チョットマはその黒い体に飛びついてきた。

「よかった!」




 宇宙船は地球を離れつつある。

 生存者の捜索、ないし搭乗を拒む人々の説得を続ける十隻を残して。


 船団は五十七隻。

 いずれは木星付近に待機する巨大な母船に合流するという。

 このあけぼの丸以外の宇宙船は、パリサイド以外はほんのわずかしか乗船していない。

 分乗すればもっとゆったり暮らせるのだが、ニューキーツ市民はあけぼの丸から、正しく言えば、レイチェルから離れたくないというのだった。

 少なくとも、地球が見えている間は。


 行き先は告げられていない。

 太陽系にとどまるのか、パリサイドの星域に向かうのか。

 不安な面はあるが、まずは太陽フレアの脅威から逃れたことの安心感の方が大きい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ