336 待ちに待った日
私はずっと、レイチェルが東部方面攻撃隊に保護されていることに、なんの不安もありませんでした。
レイチェル死亡との情報もありましたが、全く取り合いませんでした。
全然、心配していなかったのです。
その理由は、彼女が、私が、なんですけど、ンドペキと共にいるという情報を信じていましたし、ンドペキ隊の力量も信じていましたから。
レイチェルの身に危険が及ぶとは思いもしなかったのです。
それに、レイチェルがエリアREFの地下深く、どこかにいて、マリーリとハワードがついているという情報も入って来ていましたから。
いずれにしろ、ようやくタールツーの残党を掃討する準備が整いました。
後は、いつタールツーの名を捨て、キャリーを名乗るかです。
しかし、これが非常に難しい判断でした。
私はその判断を、つまり行動に出ることを、先延ばしにしていました。
今日にでも、明日にでも、東部方面攻撃隊とレイチェルが攻めてきてくれるのではないか。
そして、タールツーである私を捕えてくれるのではないか。
そうすれば、元々描いたシナリオに戻すことができる。
レイチェルが長官に返り咲き、私は、そう、レイチェルの部屋の掃除婦にでもなればいい。表向きは。
実際はレイチェルの傍にいて、あの計画を……。
レイチェルは誰かと恋をし、結婚し、子供を産み、私はそれを陰から祝福すればいい。
そんなシナリオに。
それはそれは、東部方面攻撃隊の侵攻を首を長くして待っていたのです。
もちろん、アンドロ軍を表だって攻めることはまだできません。
軍の力量が足らないのです。
それに、シナリオが崩れてしまいます。
私はアンドロ軍を少しづつ削減していく活動を続けながら、待っていました。
そしてやっと、待ちに待った日がやってきました。
ンドペキ率いる東部方面攻撃隊が攻め込んできたという情報が入ってきたのです。
加えてレイチェル騎士団も動き出したと。
そして、なんとカイロスを起動させるという情報までも。




