335 送った使者は無視されたけどね
私は、いよいよ自分の隊を組織する必要に迫られました。
そうしないと、アンドロの軍に政府も街も完全に掌握されてしまう。
人選などと、悠長なことは言っていられません。
急ぐ必要がありました。
そうしてやっと組織したのが、騎士団を模した隊です。
解体した防衛軍や親衛隊から、これぞという人物をかき集めました。
白装束の軍です。
大きな組織は必要ありません。少数精鋭でよかった。
まだ、目立つ存在になってはいけない。
敵であるアンドロが、タールツーの正規軍と勘違いして、大挙して参加して来られるのは困るからです。
少しづつ、私の隊は効果を発揮し始めました。
タールツーの私兵がエリアREFにも攻め込んでいたそうですが、散発的なものだったとか。
徐々にではあるけど、長官室周辺を皮切りに、正門付近や主要な流通ルート、そして街を掌握し始めていました。
戦闘によってではなく、共闘関係にある軍同士の制圧範囲の調整として。
比較的、これはうまく進みました。
なにしろタールツー自身が率いる隊ですから。
そうしておいて、それまで兼務していた治安省長官の座を降り、ヌヌロッチを送り込みました。
残党を炙り出すために。
シェルタに籠ってしまった騎士団に対しては、動きを封じ込めるため、長官室に通じる通路を封鎖しました。
今頃のこのこ出てきて、矛を向けられても困るからです。
そして、万一出てきた時の時間稼ぎのために、バーチャルな仕掛けも構築しました。
いずれ東部方面攻撃隊がレイチェルを擁して、参戦してくれるだろう。
そうすれば、一気にアンドロ軍を潰そう。
私は、レイチェルに捕らえられればいい。
そんな期待が高まりました。
「目鼻がついた時点で、東部方面攻撃隊に送った使者は無視されたけどね」




