表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

334/345

334 もう二度と頼るまい

 その中枢は、すでに私が拘束を始めていました。

 もちろん、秘密裡に。

 なので、あのように統率がとれていなかったのです。

 しかし、兵の数は予想以上に多い。

 まるで、後から後から湧いてくるような勢いでした。


 また、統制がとれていないということは、無謀な作戦も選ぶということですし、ゲリラ的な活動も辞さぬ、ということになります。


 しかも、ニューキーツの防衛軍を壊滅させるのは、彼らにとって有利な戦いでした。

 あの時点では、防衛軍は、念のため、パリサイドとの衝突に備えていましたから。

 元々、外部からの敵に備えている軍です。

 兵であれ、防御システムであれ。


 政府の内部から、つまり後ろからの攻撃に、いとも容易く崩壊してしまったのです。



 しかも、恐ろしいことに、強制死亡処置が始まっていました。

 いたるところにタールツー信奉者はいたのです。


 政府内は、表向きは平静を保っていましたが、実はガタガタの状態でした。

 アンドロ軍が徘徊し、どこにタールツー信奉者がいるやもしれず、政府は機能不全と言っていい状態でした。

 元々、政府内で働いている人の大多数はアンドロなのですから。



 もう、頼むところは騎士団しかない。

 しかし、騎士団はレイチェル個人の命令しか受け付けません。

 そういう軍なのです。

 たとえ長官の命令であっても。


 いくら私が怒り狂おうとも、動かないものは動かないのです。

 それほど強いわけでもないのに。

 きつい言い方をすれば、お飾りのような存在なのに。




「ごめんね、ンドペキ」

 レイチェルが顔をあげた。


「そんなことがあって、私、彼らに愛想を尽かしていたの。うーん、なんだか、もう二度と頼るまい、という気がしてて」

「そうか……」


 まあ、いいさ、と言うしかない。


 ンドペキは思った。

 レイチェル指令の元、もっと早く騎士団と合流できておれば、状況は変わっていたかもしれない。


 しかし、何がどう変わったというのだろう。

 太陽フレアは襲来し、カイロスが起動され、市民は大挙してエリアREFの地下深くへ、そしてベータディメンジョンに避難した。

 このことは変わりようがなかったはず。


 ただ、ロクモンは。

 命を落とした十数名の隊員は。

 彼らは死なずに済んだかもしれない。

 しかし、「まあ、たいしたことはない」と、応えるしかなかった。



「ごめんでは、すまないよね」

「もう、気にするな」

「うん……」


 レイチェルの目に零れ落ちそうな涙が溜まっていた。


「先を続けるか? それとも」

「いいえ。続けさせて」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ