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333 まさか、長官救出作戦というわけにはいかない

 パリサイドの問題で、政府中が浮足立っているときでした。

 レイチェルが捕えられたという情報が飛び込んできたのです。

 続いて、エーエージーエスに閉じ込められたという報せが。



 レイチェルを助けなければ。

 直ぐに、救出部隊をエーエージーエスに派遣しなければ。


 しかし、まだ私の隊は機能していない。

 本来なら頼むところはレイチェル騎士団。でも、治安省長官の権限で動かすことは出来ない。

 親衛隊なら、防衛省の管轄。

 防衛省に掛け合ったところ、すぐに動いてくれました。

 ただ、公式作戦ではない。

 まさか、長官救出作戦というわけにはいかなかったのです。



 オーエンがなぜ、親衛隊を壊滅させたのか、それは分かりません。

 パリサイドを憎んでいた。それを受け入れようとするニューキーツ長官へのあてつけ。

 そんな理由もあるでしょう。

 でもきっと、ホトキンさんを連れてくる、そのためにこれ以上ない餌だと思ったのでしょう。

 そういう男です。

 他人のことは言えないけれど。


 結局、救出に向かった親衛隊は全滅。

 それが、その後の戦局を非常に不利な状況にしてしまったことは事実です。




 でも、幸いに、レイチェルは東部方面攻撃隊に救出されました。

 私の中で、東部方面攻撃隊の存在が大きくなっていきました。


 レイチェルはキャリーの記憶としてアンドロ達の動きを知っていますが、自由に活動しようとするでしょう。

 そこで私は、レイチェルの保護を東部方面攻撃隊に任せることにしました。

 街に戻ってまた危険な目にあうより、東部方面攻撃隊と一緒にいるほうがいいと思ったのです。


 そして私自身は、なりふり構わず暫定長官を名乗り、全権を掌握しました。


 私がしなければいけないのは、アンドロ軍を黙らせること。

 事態の収拾に必死でしたが、タールツーが暫定長官を名乗ったことで、敵に勢いをつけてしまう結果も伴いました。



 しかもキャリーとしての私は、多くの人に顔を知られています。

 一切、人前には姿を現さずにすべての指示を出すのは骨が折れました。

 指示の意図が、上手く伝わらないことも度々ありました。

 なにしろ、暫定長官を名乗った者は、あのアンドロ、タールツーということになっていたのですから。



 ンドペキ達を困らせた荒地軍。

 あれは、元はと言えばタールツーの私兵です。


 彼らにしてみれば、最近のタールツーは人が変わったようだ、何らかの報酬によって牙を抜かれてしまったのではないか、と思っていたことでしょう。

 タールツーの指示を待たず、勝手な行動を始めていたんです。


 もう、いうことを聞きません。

 それがあの軍です。

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