表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

332/345

332 レイチェルの恋人探し

「そうやって、私はタールツーに成りすまし、治安省で執務を始めたんです」


 私は、表向きはタールツー。誰にも知られず、入れ替わった。

 それは上手くいった。


 タールツーの信奉者。

 彼らは悪党でも何でもない。

 人に奉仕するという出生を否定するのではなく、人として、当たり前にある深い感情を持ちたいと願っている善良な人々。



「でも、私は自分勝手でした」


 元々、タールツーの要求は真っ当なことだと思っていましたが、今は時期が悪い。

 世界中のホメムがそれを許さない。

 そして……。


 それが今一度問題化すれば、私の計画に支障が生じるかもしれない。

 タールツーの思想が拡大することを、押し留めておきたかった。



 ところが、思っていた以上にタールツーの信奉者は多かった。

 省全体に、さらに言うと、アンドロの社会にタールツーの思想は浸透していたんです。

 放置するには、すでに彼らの組織は大きくなりすぎていました。

 組織、というより信奉者の群れ、というべきでしょう。

 ゲリラ的な軍事行動を受け持つ部隊まで存在していたのです。


 私は、私の計画のために、罪もない彼らを粛正する決断をしました。


 しかし、私自身がタールツーを演じることが、足枷でもありました。

 彼らをあぶりだそうにも、情報も入ってこない、そんな状態が続きました。

 なかなか粛清は進まない。



 実際はタールツーの意図を離れて、信奉者達は自分の意志で活動を始めていたんです。

 彼らにとってのタールツー、つまり私の言動が彼らの失望を招いたのでしょう。


 焦りました。

 早く手を打たねば。


 でも、私の元の部下を大挙して治安省に移し、不測の事態に備えさせるわけにもいきません。

 そんなことをすれば、彼らは警戒して、ますますアンダーグラウンドに潜ってしまう。

 あるいはベータディメンジョンに本拠を移されてしまえば、もうお手上げ。



 私は、いざという時のために、治安省付きの隊を構築しようとはしていました。

 レイチェルはすでに長官でしたけど、まだ職員はじめ親衛隊も騎士団も掌握しきれている状態ではありませんでした。

 将来は、合流させるつもりで。

 さまざまなところに情報提供者を配置し、人選を開始していました。

 そう。ヘルシードのマスターにも依頼して。


 一方で、レイチェルは恋人探しをスタートさせている。

 私は、陰で長官レイチェルの代役もしながら、多忙を極めていました。

 もちろん、顔を見せるような会議には一切出席せずに。


 でもやはり、抜かりがあったのです。



 とんでもないことが起きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ