329 罪、罪って言うなよ
「最初にみんなに謝ります」
本当にごめんなさい。
ンドペキ、許してね。
困らせてばかりで。
チョットマ、本当にごめんなさい。
私、いつも自分勝手で。
マリーリ。
あなただけが頼りだった。今もそう。
ここでもう一度言うわね。
マリーリ、本当にありがとう。
私が今ここで、みんなに囲まれているのは、あなたのおかげ。
大切なことを私に教えてくれた。そして支え続けてくれたあなたのおかげ。
本当に、ありがとう。
娘さんが、ベータディメンジョンで大変な役割を担っているのに、また私の元へ駆けつけてくれた。
感謝の言葉もありません。
レイチェルの話は、やはりそれで終わらなかった。
「みんなを騙していた」
話す気なのか。
「ンドペキは、私は責任感が強すぎっていうけど、仕方ないじゃない」
ホメムだから。
少し前までは、私が何とかしなければ、と思っていました。
この私が、って。
子を産み、ホメムの血筋を繋いでいくことが私の使命だって。
でも、もう違います。
普通の女の子になる。今はそう思っています。
消え入りそうな声でレイチェルが話す。
マリーリから聞いたのよ。
アンドロは時間を遡ることができるって。
しかも、適当に年齢を変えながら。
それだ。
その方法しかない。
そう思ったことが、すべての始まり……。
「レイチェル。もう、今日はその辺でやめておこう。咳き込んでるじゃないか。声もかれてるし」
「お気遣い、ありがとう。でも、やっぱりこの話は私がするべきだと思う。私の過ちだから」
「過ち? そうじゃないだろ。おまえはおまえなりの方法で、自分のしなくちゃいけないことをやろうとしただけじゃないか」
「ううん。だから、やっぱり私に話させて」
「次の機会にしよう」
「いいえ。これからもっと忙しくなる。私もみんなも」
「でも傷が痛いみたいだぞ、顔色、悪いし」
「こんな痛みなんて、私の罪の重さに比べたら、罰としては軽すぎる。だから、お願い」
「罪、罪って言うなよ」
「ンドペキが話すと、きっと私の汚い部分は飛ばしてしまうと思うから」
「だから、汚いなんて、自分で言うもんじゃない」
「お願い」
もはや止められないのだろう。
隊員たちは心配そうに見ているが、やはり真実を知りたいのだろう。
レイチェル自身の口から、みんなを騙していた、と今聞いたばかり。
次の機会に、では気が済むまい。
それに、レイチェル自身が話し始めた物語を、今さら自分が引き取れるものでもない。
「そんなに言うなら……」
レイチェルのかわいい唇から、ふっと小さな吐息が漏れた。
「ありがとう」
レイチェルが語り始めた。
そもそもの始まりから。
「私、実はお婆さん」




