326 なつかしの荒地軍
俺達は一体、誰と戦っているんだろう。
そんな疑問は、ずっと晴れないままだった。
エーエージエスでオーエンによって殺された軍。
ニューキーツ正規軍ということにはなっている。
しかし、本当か。
次に荒地軍。
「なんとなく懐かしくさえ感じるな。荒地軍という呼び方」
こちらはKC36632によって跡形もなく瞬殺され、所属は不明のまま。
そして、エリアREFに攻撃を仕掛けてくる一隊。
そもそもタールツーとは?
誰も姿を見たことのないアンドロ。
治安省元長官であり、後にニューキーツ暫定長官を名乗った。
子供があるという噂があった。女性ということになっている。
「人を愛する感情を得た珍しいアンドロ。そう、ハワードから聞いたことがある」
俺たちはそのタールツーの私兵と戦っている。そう考えていた。
しかし、奇妙な点もあった。
エリアREFへの攻撃が散発的だったのはなぜ。
使者を寄越しておきながら、まだ当方から返答もしていないうちから、新たな攻撃を仕掛けてきたのはなぜ。
政府建物に侵攻した我々にまともな攻撃を仕掛けて来ず、いつの間にかいなくなったのはなぜ。
それに、装備の違和感。
てんでバラバラの装甲を身に着けているかと思えば、統一された純白の装備。
そして、そもそも私兵ごときに、ニューキーツ精鋭であるレイチェル騎士団はなぜ負かされた?
タールツーが暫定長官を名乗ってから、首を傾げる人事もあった。
レイチェルSPであり、堅物ともいえるヌヌロッチを治安省長官に抜擢。
本来、タールツーの牙城である治安省の長官に、敵の大参謀をなぜ入れる?
「ずっと疑問だった。俺達は本当に、正義のある戦いをしているのかと」




