319 ハワードならどうするか
「レイチェルを心から愛していたハワードならどうするか。そう考えると、今言ったようなストーリーは想像できるよな」
でも、なんら根拠はないし、それらしい証拠もない。
だが、レイチェルはホメム。
ニューキーツの長官。
パリサイドの姿でいいはずがない。
そういう形で再生されたと知ったら、レイチェルは何と思うだろう。
人一倍、ホメムとしての責任感の強い彼女なら。
でも、愛する者としては、パリサイドの身体でもいいと思ったことだろう。
「しかし、ハワードの頼みは、残念な結果に終わった」
たとえパリサイドとはいえ、死んでかなり時間の経つレイチェルの肉体を得ることができても、完全な形で再生させることはできなかったんだ。
「スミソ、どう?」
いきなり声を掛けられて、スミソは握っていたチョットマの手を慌てて放した。
「あ、え、そうです。僕がパリサイドとして再生されたのも、まだかろうじて息があるうちに処置されたからです。それでも、その」
「気にすることじゃないよ」
と、ユウが助け舟を出した。
「ええ、その、パリサイドといえども元の体にはできなくて、こういう体で……」
「ということで、ハワードはパリサイドに再生を頼むという方法を断念したんだ」
そのときのハワードの気落ちした表情。
今は既に、ユウから耳にしていた。
ハワードは肩を震わせ、大粒の涙をこぼしたそうだ。




