314 失踪の原因は
私は貴方といつも一緒にいます。
これからもずっと身近なところで。
でも、私の姿は見えなくなるでしょう。
心配しないでください。
ハワードはそう言った。
愛の告白?
そうとも取れる。
別れの意味にも取れる。
いずれにしろ、セオジュンとアンジェリナはともかくも、これまで親しくしていたハワードの失踪は、隊にとって痛手だったし、疑念を持ったことも事実。
ただ、アンドロ軍と戦い、巨大太陽フレアが今にも地球を襲うという状況下で、彼らの失踪事件のことは意識から遠ざかっていった。
大方の隊員にとっては、そもそも事件でさえなかった。
しかし、チョットマが目撃したんだ。
政府建物の正門でチョットマ隊が前線を張っているとき、マリーリが血相を変えて駆けこんでいくのを。
続いてニニも。
ニニは二人の失踪をとても悲しんでいた。
どこに行ったのか、知りたいと言っていた。
任務だから、でもあろうが、心からそう思っていたと思う。
だからチョットマは、ニニが太陽フレアから逃れるためにアンドロ次元に戻るとは思えなかった。
なにか理由があるはず。
チョットマの問い掛けに、やはりニニはこう答えた。
「レイチェルを探すことより、アンジェリナの救出の方が優先するかなって」
そして、アンジェリナの居場所の見当がついたと。
そこにセオジュンもいるかもしれないと。
彼らを助けに行くのだと。
いずれにしろ、この三人が失踪した原因について、これ以外に、まとまった情報は全くと言っていいほどなかった。
あるのは断片的な事象や昔話ばかり。
ンドペキは部屋を見回した。
「この調子で話していたんじゃ、時間がいくらあっても足りないぞ。どうする?」
「いいんじゃないか」
スジーウォンが、どうせ暇なんだし、と応えた。
「では、隊長のお言葉に甘えて。眠たくなったら寝ててもいいぞ」
「聞きたいことがあるんだけど」
と、ンドペキはライラに顔を向けた。




