311 頭は整理できたのか
その後まで残った者は、十五人ばかり。
がらんとした部屋で、誰もが床に座っている。
パリサイドの体を持て余し気味のイコマ。
その手を取っているユウ。
少し間をおいて、ンドペキとスゥ。
アヤは再生された足を見せるように、足を投げ出していた。
アヤの隣にチョットマとスミソ。
シルバックやプリブもいる。
向こう正面には、団長となったスジーウォンとコリネルス、マルコやミルコ、数名の隊員。
パッションらロクモン隊員の姿も。
そして、ライラとその旦那。
ネールとイナレッツェ、そしてジルが、軽食の準備をしてくれている。
「さてと」
食べるものや飲み物が行きわたったのを待って、ンドペキは立ち上がった。
すでに、イコマとは話をしてある。
もう、同期はしていない。
イコマがパリサイドとして再生したとき、一瞬だけ記憶のやり取りをし、後は切れた。
ユウの配慮だった。
スゥとユウについても同様だった。
「色々なことがありました。今更、状況を整理する、ありていに言えば、数々の謎を解き明かす必要があるのかどうか、わかりません」
作戦室はしんとしている。
イコマとスミソはパリサイドの姿だが、もう見慣れたものだ。
軽食が回され、飲み物の栓が抜かれた。
洞窟の部屋でイコマが推理を披露したあの日と同じように、チョットマが膝をきつく抱えこんだ。
ただ、あの時と違うのは、チョットマの顔に小さな喜びが灯っていること。
「そもそもの始まり、それはサリの失踪事件。あ、いえ、もうその話は済んだこと。いまさら繰り返しはしません。ただ、サリの事件が解決したあの時点では、いくつもの疑問が放置されたままでした」
スジーウォンから罵声が飛んできた。
「なんだ、そのくそ丁寧な喋り方! 気色悪いぜ。普通に喋らんかい!」
「ハハ、了解だ」
「暑苦しいから、座れ」
「わかった」
ここにパキトポークはいない。
あれから数名の隊員が次元を移行し、帰還してきたが、彼らが言うに、パキトポークはこう言ったそうだ。
俺はここに残らねばならん。
ンドペキらによろしく。
十名ほどの隊員とともに、アンドロの次元をまとめていく覚悟なのだ。
チョットマの歌を聞かせてやりたかった。
ンドペキは、いつかまた会える日が来る、そう思った。
「今日、この機会を持とうと思ったのは、他でもない、チョットマから話せというオファーがあったからだ」
セオジュンとアンジェリナの行方が知りたいというのだった。
あのまま、ライラと一緒にこっちに戻って来てしまったから。
「確かに、我が隊のアイドルガールだけがその謎に食いついたまま放さなかったんだな」
おかげで、自分の頭も整理できたし、多くの謎が解けていった。
「ええっ、いつ私、アイドルになったの?」
「ハハッ。歌姫と呼ぶことにしようか」
「やめてよ! そんなの無理! あれしか歌えないんだから!」
「一曲だけでも立派じゃないか!」
「そう?」
ンドペキはニヤリと笑ってみせてから話し出した。




