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302 鈍感ンドペキ

「そんな夢」

「へえ」

「イコマとしての夢だな」


 スゥの反応は微妙だった。

 スゥは、スゥ自身としてその部屋を訪れたことはない。

 ユウの意識を通して知っているだけだ。

 ンドペキとて、同じこと。



「正直に言うと、もう一種の、……苦痛かも」

「なにが?」

「イコマの意識と同期していたことが」

「ふーん。で、今の気分は?」

「同期が切れている時には、なんていうのかな、すがすがしい」

「そうね」

 スゥも同感だというように頷いた。


「同期しているとき、どちらの気持ちとしても罪悪感があるんだ。もちろん、スゥとユウに対して」

「私も」

「イコマと同期する前から、スゥが俺の」

「うん」



 ンドペキはまだ自分はまともに考えられない、と感じた。

 強い頭痛は去ったが、重い。

 ここの気候が悪いのか、強い重力のせいか、寝不足か、疲れているだけなのか。

 そしてアヤのことを思い詰めて……。


「ちょっと話が」


 頭の鈍痛は治まる気配を見せない。

 それでも、スゥと話しておかなければ。

 幸い、周りに人はいない。




「やっと、って感じね」

「ん?」

「私も話しておきたかった」

「ああ」



 ンドペキは、心にある考えをスゥにぶつけた。

 地球に帰るつもりだと。

 アヤを見つけ出し、三人で新しい暮らしを始めたいと。

 それが叶わぬとも、ひと目、アヤを。



「そうね! そうだと思った!」

「賛成してくれる?」

「分かってないなあ、ンドペキは。フフ、これってライラの口癖ね」

「あん?」

「鈍感ンドペキ。昔から。六百年経とうが変わらない。ね、私の気持ちって、そんなに掴みにくい?」

「んー」

「私もそうしたいって、何度も顔に描いてたのに」

「そうか!」

「帰ろう!」




 ベータディメンジョンを出て、地球に帰る。

 でも、どうやって。


「ヌヌロッチに道案内を頼むしかないよね」

 そういえば。


「マリーリは向こうに帰るって。そう言ってたよな」

「うん。それに」

「そう。時間的に考えたら、大勢のアンドロが向こうへ移行したのは」

「いつも彼らが使っているゲートが閉じてからのことじゃない?」

「だな」

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