表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

301/345

301 二人が喜ぶなら、どんなことでも……

 目覚めは悪かった。

 後頭部に激しい痛みがある。


 むう……。


「どう? 気分」

「あ……」

 装甲は脱がされていた。


「凄い汗、かいてたよ」

「そうか……」

 スゥが額の汗を拭ってくれる。


 全裸で毛布に包まれていた。


「体中、真っ赤だった」

 ンドペキは大きく息を吐き出した。

「すまなかったな」

「ううん。装甲を脱がすとき、恥ずかしかったけど。みんなが見てて」


 恥ずかしいのはこっちだろ、と言おうとしたが、スゥの唇に塞がれてしまった。




 また、夢を見ていた。


 コンフェッションボックスに、あのバーチャル空間を作るとき。

 嬉々として悩んだあの時の夢……。


 大阪福島のマンション。

 ユウが喜ぶように。

 アヤが喜ぶように。


 時期的に嘘があってもいいかな。

 あのオルゴールを玄関に飾っていた頃、すでにあの椅子はなかったはず。

 でも、どちらも我が家の情景を語るうえで欠かせないもの……。


 珈琲はどのメーカーを飲んでいたっけ。

 机の上の雑誌は?

 PCは何を使っていたかな。

 窓から見える景色は……。

 そもそも、当時の自分の容貌は?



 楽しかった。

 そんなことを考え、ユウやアヤが喜ぶ顔を想像するだけで幸せを感じた。

 たとえそれが記憶の中から生み出された仮想の光景でも。


 アギの自分ができることはそれくらい。

 二人が喜ぶなら、どんなことでも……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ