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3 そのストレスから自分を解放させようとして
あれからさまざまな出来事があった。
イコマの身にもチョットマの身にも。
そしてニューキーツの街にも。
「じゃ、チョットマ、君がしっかりしなくちゃ」
チョットマ自身、わかっているのだ。
仲良しになったセオジュンがいなくなったからといって、それにかまけている時ではないことを。
「じゃ、パパ。私、なにをすればいい?」
しかしイコマは、この娘自身が隊員として、なにをするべきかを敢えて言いはしなかった。
明日の生死もわからない今、それは彼女自身が考えることであり、隊長であるンドペキが伝えるべきことだからだ。
「ライラのそばにいてあげなさい」
イコマは、ンドペキの意識としても、こんな風に言って、チョットマをできるだけ柔らかく包んでおいてやりたいと思った。
サリの失踪の謎を解いてみせたあの夜以降、チョットマの立場に変化が起きた。
周囲の彼女を見る目が大きく変わったということではない。
彼女が大きな責務を背負ったというわけでもない。
しかし、いずれそのときが来るかもしれない、という予感。
そんな空気感。
チョットマの無邪気ともいえる振る舞いも、裏を返せば、そのストレスから自分を解放させようとしてのことかもしれなかった。




