212 レイチェル…… 私の親友
コリネルスはわかってくれていたのだろうか。
自分とンドペキの特殊な関係は知るはずもないが、少なくとも自分の今の心情を。
「ありがとうございます」
素直にアヤは礼を言った。
「ん? どういうことだ?」
「いえ、私もそう考えていましたので」
コリネルスが向き直った。
「応援隊の隊長はネーロ。もう話してある。準備を始めているはずだ。彼と打ち合わせてくれ。出立は三十分後」
「了解です」
コリネルスがさらに厳しい表情になった。
「もうひとつ、君にやって欲しいことがある」
「なんでしょう」
マリーリ、そしてニニの動向を把握すること。
隊員ではない。従って、報告を寄越してくる義理はないが、少なくとも協力関係にはある。
ところが、何の連絡もないという。
ライラの協力を得て、エリアREFの地下深くの探索を開始しているはずだが。
「彼らの動向をチェックしたい、という意味ではないんだ」
コリネルスが表情を緩め、どう思うかと問う顔つきになった。
「あのジャイロセンサー。騎士団の。どうも気になる」
騎士団がシェルタに篭り続けていたのには、それなりの理由があるのではないか。
「もしや、レイチェルが本当に生きているのなら……。先ほど、市長が訪ねてきて……」
コリネルスが大きく息をついて立ち上がった。
「いや、話している時間はないな。早速、取り掛かってくれ!」
「了解しました!」
アヤは作戦室を飛び出した。
まずは、ネーロと会わねば。
資材庫にメンバーを集めているはずだ。
それにしても、レイチェルが生きている?
コリネルスまでもがその可能性を感じているのなら、もしやということもある。
騎士団のジャイロセンサーを、コリネルス自身が再確認したのだろうか。
レイチェル……、私の親友。
エーエージーエスで死の淵にあった私を励ましてくれたレイチェル。
あれほどの怪我をしても、脱出口を探し続けたレイチェル。
彼女が生きているなら……。
重苦しかったアヤの心に、小さな明かりが灯った。




