273 作戦は成功させるさ
「治安省か。かなり奥まったところにあるよ」
「ああ。問題は、そのポイントがレイチェルの居住空間とも、執務室ともかなり距離があるということ」
治安省庁舎は、政府建物群の最奥部にあり、むしろアンドロ次元へのゲートに近い。
「マップはあるけど、どれほど役に立つか。一面瓦礫が原にしながら進むしかないんだ。弾薬の供給が問題だな」
やけくそ気味に聞こえたのか、アヤが心配顔になった。
「もしかして、作戦、失敗するかもって思ってる?」
ンドペキは改めて笑顔を見せた。
「作戦は成功させるさ。総合的にはな」
さてと、とンドペキは張りのある声を出した。
ギアチェンジだ。
「スジーウォン達を、レイチェルの長官室とベッドルームに連れて行ってやってくれ」
「三ブロックほど離れていますが」
アヤも、隊員の顔に戻る。
「優先順位は、到達時の時間帯にもよるだろうが、まずは長官室だ」
「了解!」
「マップはあるが、政府に勤めていた君がいれば何かと好都合。頼むぞ」
「はい!」
「連絡班リーダーという役割をどうするか、それはコリネルスが決めてくれる」
「はい!」
ンドペキは、体をアヤに心持ち近づけた。
「ねえ、アヤちゃん。さっきの質問だけど」
応えておかなければならない。
「僕自身の気持ちは……」
しかし、言い淀んでしまった。
目の隅に入ってきたものに気をとられて。




