22 約束、忘れないでよ
「わかった。しかし、おまえ、乗りたいって、ロア・サントノーレに行きたいのか?」
「そういうこと。子供だけでは乗せられないっていうんだよ。お金は払うと言っても、だめなんだ」
「なるほど」
「それと、オマエ、って呼ばないでくれるかな」
「ん」
「名前は、さっき言ったよ。アビタット」
「そうだな」
少年の言うとおりである。
子供の姿をしているからといって、少年のような言葉遣いをしているからといって、ホメムでない限り、十歳そこそこの子供であるとはいえない。
これまで生きてきた経験や知能は、蓄積されている。
再生のミスは、少なくなったとはいえ、依然としてあるのだ。
スジーウォン自身も経験している。指定しておいた年齢よりかなり若く、少女として再生されたことが。
「すまなかった」
「うん。いいんだよ」
そういって、アビタットはニコリとした。
「じゃ、まず、ロア・サントノーレまで運んでくれる飛空艇乗りに会いに行こうか?」
「ああ、頼む」
スジーウォンは、この少年がなぜロア・サントノーレに行きたいのか、聞かなかった。
アビタットも、自分たちがロア・サントノーレにどんな用があるのかを聞いてこなかった。
もしかすると、それさえ知っているのかもしれなかったが。
「でも、もし了解を取り付けても、今晩中に出発はできないかもしれないよ。そのときは泊まるところにご案内、だね」
「ということになるな」
「僕も連れて行く約束、忘れないでよ」
言うが早いか、アビタットは足を速めた。




