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144 これは戦争だ

 もう一つ、心を揉んでいることがあった。

 先ほど訪れたブロンバーグの使者。

 いよいよその時期が来たようだ。心積もりをしておいて欲しい。

 その時が来れば、迎えが来る。

 それだけ伝えると、使者は引き返していった。


 と同時に、パパもシェルタへ向かっていった。

 パキトポークを支援するために。

 あれから三時間ばかり。

 ンドペキがシェルタを出てから、二時間は経っている。


 突入していった五名の隊員が帰還してきたという報もまだない。


 みんな、無事でいて欲しい。

 情報がないことが辛かった。


 もし、政府建物内で乱闘になっているなら、正門からも人が逃れてくるだろう。

 逃げ出てくる人波に紛れて、アンドロ兵を街に出してはいけない。


 警戒しなくてはと思いながらも、物資輸送車両が行き来するだけという、あまりに平和な光景。

 注意力はつい薄れ、不安感だけが頭をもたげてくるのだった。




「チョットマ!」


 はっ!

 突然呼びかけられて、思わずチョットマは武器を構え直した。


 コリネルスだった。


 ふうぅと細く息を吐き出すと、一気に汗が噴き出した。

 と同時に、目が潤んできた。


「すみません! 隊員が!」


 すでに連絡係を通して、状況は伝えてある。

 死なせてしまった隊員名。

 突入していった隊員名。


「私の判断ミスです!」


「これは戦争だ」

 コリネルスは、それだけ言うと、一枚の紙切れを取り出した。

 今はベストを尽くせ、ということなのだろう。

 そう判断し、唇を噛みしめた。



 紙切れには、こう記されてあった。


 早ければ今日の午前中には、スジーウォンが戻ってくる。

 コリネルスの隊員ならびにチョットマの隊員から選抜した新たな隊を編成し、それを率いてスジーウォンが正門から突入する。 

 その後も、チョットマの任務は継続。

 まずは、スジーウォンが戻ってくるまで、正門並びに三つの門を死守せよ。

 以上。


 そして、下段には、

 シェルタから突入した部隊は、張り巡らされた仮想空間に阻まれ、苦戦を強いられている。

 正門から突入する新たな部隊の投入によって、事態の好転を図るものとする。

 と、記されてあった。

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