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107 チョットマが旗指物とじゃれている

 ンドペキ隊とパキトポーク隊がタールツー捕獲に向かう。

 ドトー隊とパッション隊が、後方を固め、かつタールツーの退路を遮断。

 これらとは別に、シェルタ以外の政府建物出入り口からの侵攻部隊の肚積もりもある。


 パッション並びにドトーもタールツー捕獲に向かいたい意向があるが、ここは攻撃隊として譲れない。

 ただ、戦闘経験に大きな開きがあるし、攻撃隊にこそ手練れが揃っている、とは言えない。

 先ほどのレイチェルの命にもあったように、と抑え込むしかない。



 コリネルス隊が最も大所帯である。

 騎士団二名にエリアREF兵百七十余を加えた総勢約二百。

 任務は、シェルタから突入する隊への補給路及び退路の確保。

 つまり、後方支援。

 これに加えて、政府建物の正面玄関や、その他の出入り口の確保。

 さらに、相変わらずエリアREFに彷徨い出てくるアギのパリサイドへの対応も彼らの任務である。


 補給路や退路の確保は言わずもがな、ンドペキ達が政府建物内に侵攻した際に、アンドロ軍が街へ出てくる事態を防ぐことも非常に大切な役割である。

 万一、街の一部でもアンドロの支配下になれば、戦線が拡大するばかりでなく、市民の犠牲も大きくなる。

 政府建物の出入り口では、内部から避難してくる市民は通過させ、アンドロ兵はその場で殲滅することとされた。


 かつ、状況が許せば、残ったREF兵と共に、政府建物正面玄関及び他の門からの侵攻も視野に入れる。

 様々なセンサーが解除できてこそ、あるいは破壊できてこその作戦であるが、そのめどはつきつつあった。



 作戦開始は、十八時間後。


 まずはコリネルス隊。

 午前零時、街を完全に手中に収めるために、百五十名が街中に展開。

 そして速やかに、政府建物のゲート封鎖。


 深夜午前三時、ンドペキ隊、パキトポーク隊、ドトー隊、パッション隊が、シェルタから一斉に政府建物内へ侵攻開始。

 この時間帯なら、政府建物に市民の姿はわずかだろう。



 ンドペキは思った。

 かつての東部方面攻撃隊なら、いや、ハクシュウならこういうとき、どんな空気を作るだろう。


 いよいよ待ちに待った決戦の時。



 ロクモンを討ったパッションに、どう声をかければいい。

 大芝居を打って見せたチョットマを、どう労えばいい。


 しかしンドペキは、しっかり体を休めておけ、とだけ言って、突入部隊の全隊員に解散を命じた。

 コリネルスが班分けを始めている。


 これから、幹部間で作戦の詳細を詰めていかねばならない。



 パッション隊が、ピンクの旗指物を準備し始め、笑いを誘っている。

「なんだか、懐かしいね」と、チョットマが旗指物とじゃれている。


 大丈夫だ。

 隊員達に悲壮感はない。

 少なくとも、東部方面攻撃隊の隊員には。

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