出会いは偶然?必然?
私は北東北の出身。
東北とはいえ一応新幹線も止まるし、
日本でもそこそこ有数の漁港もある。
工業地帯として知る人ぞ知るっていう市でもある。
ただ、新幹線が止まるし~と自慢するようなくらいだから、
やっぱり田舎は田舎なんだろうなって思う。
一時間に1本くらいの割合でくる在来線の最終は22時ぐらいだったと思うし、
最終バスも22時前とか、そんな感じ。
最近ようやく中心街から各住宅地へ走る『深夜バス』なるものも出来たみたい。
地元に30年近く住んでいて最終電車や最終バスの時間帯が分からないのは、
普段の足は自家用車だからだったりする。
都内のように『車は贅沢品』というような場所じゃなくて、
『車は生活必需品』な場所に住んでるからだ。
県内でも人口数トップ3に入る市に住んでいてもこんな状態なんだから、
やっぱり私は田舎者なんだって、改めて今思ってしまった。
私の彼、望さんは東京都出身。
しかも23区内の出身で、私からしたら『超・都会の男』だ。
恩着せがましくない気の遣いようや、さりげないエスコートぶり。
都会のオトコは皆こうなのかな・・・・・・。
田舎の口の悪いオジサマ方しかみたことないから良く分からないけど、
それでも近寄りがたい雰囲気がないのは、下町出身だからなのかな。
とにかく周囲に気を配る人で、自分のことはとりあえず後回し。
不器用な優しさをもった苦労人に、私の目には映った。
生まれた場所がまったく違う私と望さんが出会ったのは、
望さんが勤める会社に私が入社したからだ。
いわゆる社内恋愛ってやつ。
今まで地元から出ることを考えなかった私が選んだ、
上京して自活できるだけの仕事を見つけるという野望と。
このままでイイのかなと思いつつも、
その場所にとどまり続けた望さんの生活が。
交わらない二つの人生を繋ぎ合わせるきっかけとなったんだ。