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巨獣黙示録 G  作者: はくたく
第14章 哀しみの樹
117/184

14-7 ルカヌス×ミルマラクネ×サン×カイ

「コイツ相変わらず素早いわねッ!! サン!! 今度は右!!」


 Gに半分擬態した、禍々しい姿のミルマラクネ。その戦法は、以前と同じだった。

 残像を残すほどの速度で地表を小刻みに移動しつつ、蟻酸と粘液を吹きかけてくるのだ。

 そして隙を見て、抱え込もうとしてくる。もし捕まれば、毒の牙で噛まれてしまうだろう。全身をアーマーと昆虫装甲で覆ったとはいえ、それを貫かれないとも限らない。

 サンとカイは手に鉄骨の槍を携え、両側から挟み込んで追い詰めようとしているが、すんでのところですり抜けられ、なかなか捕まえることが出来ないのだ。

 おそらく、本気を出せばサンとカイの速度も、ミルマラクネに劣るものではないだろう。

 しかし、それはあくまで一瞬の突進速度だ。それを維持して戦えるのはほんの数秒でしかない。つまり、それを見せられるのはあくまで最終局面。相手にとどめを刺す瞬間だけなのだ。

 

「しまった!! ……これは……糸?」


 先程から、気付かれないようにミルマラクネは糸を吐いていたのだ。薄い霧か粉塵のようにも見えたその細い繊維が、次第にサンの自由を奪っていた。

 高く噴き上げた糸は宙に舞い、雪のように周囲に積もりつつあった。ほんの少しずつ体に引っ掛かっていた糸は、伸びはするが決して切れない。

 最初は多少粘りつく程度だったのが、ある一定の量を超えた途端、急に抵抗を増したのはそのせいだ。

 ミルマラクネの正面で戦っていたカイの方は、ほとんど糸を浴びていない。だが、二体で撹乱して、ようやく互角に張り合っていたのだ。このままサンがミルマラクネに捕まれば、カイ一体で勝利するのは難しいだろう。


「危ないッ!!」


 いずもは思わず叫んだ。遅れ始めたサンを気にして、カイがつまづいた一瞬の隙を逃さず、ミルマラクネはカイの背中に回り込んだのだ。

 ちょうど羽交い締めされたように両腕を抱え込まれたカイは、一瞬にして真っ白になった。ミルマラクネの尾部から、強い粘着力のある糸が大量に吹き付けられたのだ。

 そして、触覚の間に隠されていた黒い牙が、カイの首筋に突き立てられた。

 激しい金属音。サンの時と同じように、アーマーが牙を弾いているのだ。

 だが、あの時と比べてミルマラクネの牙は、禍々しく巨大になっている。大顎の力も以前とは比べものにならないはずだ。いつアーマーが突き破られるか分からない状況で、カイは完全に身動きが取れなくなっていた。


「カイッ!! 逃げて!!」


 いずもは叫んだ。

 だが、伸縮性と粘着性を併せ持つ糸の束は、一見して綿のように柔らかそうだが、限界まで引き絞られた状態では、鋼鉄ワイヤー以上の強度となる。それが身じろぎも出来ないほどの強さで、カイの全身を締め上げているのだ。

 だが、一切身動きの取れないはずのカイの胸の辺りから、何か黒いものが染み出してきた。

 一瞬、血液のように見えたそれは、白い糸を侵蝕し、少しずつ消し去っていく。


「あ……あれは……昆虫装甲インセクトアーマー?」


 黒い染みが一斉に飛び立ったことで、ようやくいずもにも何が起こっているのか理解できた。サンとカイの体表を覆っていたのは、金属のアーマーだけではなかった。彼等の生体電磁波によって操られているを昆虫群もまた、彼等を守っていたのだ。

 たしかに、単体の巨獣であるカイの体は、糸に拘束されればどうしようもない。しかし、体表に集まっていた昆虫群にとっては隙間だらけであった。

 昆虫群は、自分たちそのものを糸に粘着させ、それ以上粘着する余地を奪い、さらに残った個体は隙間から脱出した。

 カイをこのいましめから解き放つために。

 糸にゆるみが出来たと悟ったカイは、両足をまるで手のように器用に動かし、隙間を押し広げると、するりと抜け出して、逆にミルマラクネの背後をとった。

 その時には、昆虫装甲だけでなくアーマーも脱げて、黒褐色の毛に覆われた本来の姿になっている。


「ホキュアッ!!」


「ホウッ!!」


 サンとカイが短く鳴き交わす。カイの抜け殻を抱え込み、身動きの取れないミルマラクネの頭部に、サンの放った鉄骨が突き刺さった。


『キシュアアアッ!!』


 束ねたビニールを思い切り引き裂いたような不快音。その後に続く、鍋が煮え立つような音は、圧力に負けて体液が噴き出す音だ。

 ミルマラクネに馬乗りになったカイは、右手を大きく振り上げると、頭胸部と腹部の間に叩き付けた。Gを模した背びれ状の突起が、発泡スチロールのように脆く弾け飛び、八本の脚がでたらめに動いて、カイの縛めから脱け出そうと暴れ始めた。


「神経節を潰したはずなのにッ!?」


 サンとカイは、たしかにこの戦いに勝利したといえる。

 だが、異常なほどの生命力を持つミルマラクネに、肉弾戦のみの二体はとどめを刺しきれずにいた。



***    ***    ***    ***



『くそッ!! なんてパワーだ!!』


 巨大ミヤマクワガタ・ルカヌスの大牙を辛うじて受け止め、呻いたのはオットーだ。

 彼の乗るバハムートは、単機で四つ足獣型をした機動兵器である。

 機体サイズこそ合体型のベヒーモスより小さく華奢だが、パワーは決して劣るものではない。そのバハムートとがっしりと四つに組み合ったまま、ルカヌスは微動だにしないのだ。

 ルカヌスの牙は超振動こそしていないが、節くれ立った枝のように複雑な形状は、相手の力を分散して逃さない。

 各関節部の負荷レベルがレッドゾーンを示しているが、一歩でも退けば牙に砕かれてしまうのだ。至近距離のため、ミサイルや火器も使えない。それは援護のために周囲を飛び回るハルピュイアとマンティコアも同じだった。


『バカ!! オットー!! なにやってんのよ!! あんたが離れないと撃てないでしょ!!』


『んなこたぁ分かってんだよ!! だけどコイツ……とんでもねえ……』


 最初は重火器で立ち向かったのだ。

 だが、三機の機動兵器の十字砲火を浴びても、ルカヌスの体表には傷一つつかなかった。

 それでオットーは独断で格闘戦を挑んだのだ。しかし、華奢に見えたそのフォルムからは想像できないほど、ルカヌスの牙は固く、そして強力であった。

 擬巨獣、すなわち群体でないことは小林達の通信傍受から分かっている。おそらくそのせいで、群体を構成する昆虫の個体それぞれが動くタイムラグや力の分散がないのだということも推測は出来る。

 しかし、プラズマジェネレータを動力源に持つバハムートと比肩するほどのパワーを、生物体が持ち得るというのは、想像の外であった。

 薄く生えた毛で黄金に輝く体。

 その外骨格は、数十センチに及ぶ厚みの甲殻を形成している。

 しかもそれは単なる殻ではない。昆虫の外骨格を構成するタンパク質・ケラチンの分子構造が、鋼鉄以上の強度を持ち、しかもそれを支える筋肉は、脊椎動物とは比べものにならないポテンシャルを秘めているらしかった。

 じりじりと押し込まれながら後退するバハムート。忙しく操作パネル上に指を走らせてはいても、オットーに打開策は見えてこない。

 その時。通信機からライヒ大尉の声が流れた。


『このままじゃじり貧だ!! 少し荒っぽいマネをする!! 隙が出来たら脱出するんだ!! 多少当たっても怯むんじゃないぞ!!』


 オットーから見て左。数キロ先に急降下したハルピュイアが、地表ギリギリを水平飛行して迫ってくる。両翼から小口径機銃が発射され、ルカヌスの外骨格が火花を散らした。

 跳ね飛んだ銃弾が、バハムートの装甲で金属音を立てる。


「ダメです隊長!! コイツの殻は小型機銃なんかじゃ……」


『黙って防御態勢を取れ!! 牙の力が弱まったら脱出しろよ!!』


 牙の根元に集中して撃ち込まれる機銃。

 高速で飛行する機動兵器から、揺れ動く牙の根元にピンポイントで機銃を撃ち込み続けるなど神業に近い。

 だが、ライヒ大尉はそれをやってのけた。目標ギリギリまで迫るほんのコンマ数秒の間に叩き込まれた数百発の弾丸に、ゴムのような弾力で銃弾を跳ね返し続けていた白い関節部がついに破られた。

 大牙の根元から透明な体液を噴き出させ、一瞬たじろいだルカヌスを、バハムートが一気に押し返す。

 右の大牙が力を失い、マニピュレータの油圧に押し負けて根本から折れた。


「ここだぁッ!! くらえ!! スピニング・ディザスタァァアアアアッ!!」


 折れた大牙の根元にパックリと開いた白い穴。

 そこに左の大型マニピュレータをねじ込むと、オットーは叫びと同時に高速回転させた。

 歩行のためのスパイク部分が変形して一つになり、それがドリル状に回転してルカヌスの頭部を抉る。


『離れてッ!!』


 マイカのマンティコアの接近を、バハムートの警報が知らせた。

 飛び退くとほぼ同時に、無数のミサイルが襲う。爆炎と衝撃がルカヌスを包み込み、その余波でバハムートの機体が激しく揺れた。

 

「バカ野郎!! マイカ!! 殺す気か!?」


 通り過ぎるマンティコアに向かって悪態をついた瞬間。

 もうもうたる煙の中から飛び出した巨大な虫の脚が、マンティコアを捉えて叩き落とした。


「なんだと!? マイカ!?」


『大丈夫!! このくらいじゃ機動兵器は壊れない。でも気を抜かないで!! コイツまだ……』


 煙が晴れ、再び姿を現したルカヌスを見て、オットーは息を呑んだ。

 その容量の約半分を吹き飛ばされたルカヌスの頭部は、いまだ炎に包まれている。

 だが、六本の脚はまだ力強く大地を踏みしめ、その動きにダメージは一切見られない。

ルカヌスは一本だけ残った大牙をマンティコアの左翼に突き立て、高々と掲げると、地面に叩き付けた。


『ぎゃうっ!!――――』


 マイカの悲鳴。通信が完全に切れたところをみると、相当なダメージがパイロットにもあった様子だ。

 だが、ルカヌスは気が収まらないのか再びマンティコアを持ち上げていく。また地面に叩き付けるつもりなのだ。


「マイカァッ!!」


『待てッ!!』


 バハムートを突っ込ませようとするオットーを、ライヒが強い口調で止めた。


「何言ってるんですか隊長!? アイツを助けないと!!」


『分かってる。だが、あのパワーで叩き付けられるのを、バハムート一機で止められると思うか? 失敗すれば激突して大爆発だ』


「でも……じゃあ、どうするッてんです!?」


『見ろ。マンティコアは重い。ヤツは持ち上げるのに手間取っている。まだ時間はある』


「じゃあ持ち上げられる前に、助ければ……」


『落ち着け。ただ助けても、状況の打開にはなりはしない。この状況を利用するぞ。マンティコアを自爆させるんだ。機体内の弾薬すべてとジェネレータの爆発には、いかにあのバケモノでも耐えられないだろう』


「何言ってるんです!? マイカを見殺しにするって言うんですか!?」


『違う。お前はヤツの背後に回って、背中から牙を押さえ込め。俺は、全力噴射でマンティコアを支える。それで多少時間が稼げるはずだ。その間に、お前がコクピットからマイカを助け出せ。あとはヤツがマンティコアを叩き付けて勝手に自爆するのを待てばいい』


「は……はいッ!!」


 二機の機動兵器は、ルカヌスの背後と正面に分かれて飛んだ。

 高々と持ち上げられたマンティコアを、ハルピュイアの華奢なマニピュレータが支える。

 ぐらりと傾いたところを、後ろから伸びたバハムートの腕が押しとどめた。


『今だ!! マイカを助け出せ!!』


 オットーは、自動操縦をフルパワーで継続に設定してコクピットから抜け出した。

 出来る限り近づけたとはいえ、コクピット同士の距離は二十m以上は離れている。滑らかな曲面しかないルカヌスの体表は歩けない。バハムートのマニピュレータの上を渡り、なんとかマンティコアまで辿り着いた時には、もう数分が経過していた。


『早く……しろッ!! もう保たないぞ!!』


 しばらくは、実際のミヤマクワガタがするように牙を振り上げた威嚇姿勢をとり続けていたルカヌスも、振り下ろせない牙に業を煮やしたのか、左右に体を振ろうとし始めた。

 それでもライヒは崩れるバランスを全開の後部ジェット噴射で抑え込み、マニピュレータを操って、マンティコアが叩き付けられないように守っている。


「今……コクピットに到着しました!! マイカ!! おい!! 聞こえるか!? ここを開けろ!!」


 緊急リジェクターを外部から操作して、現れた強化プラスチックのハッチを叩く。

 その声でようやくうつろな目を開いたマイカは、自分でハッチを開いて出てきた。どうやら、以前のような重傷を負ってはいない様子だ。


「ごめん……いつもあたし、ドジばっかだね……」


「バカ。お前が突っ込んできてくれなかったら、こうなってたのはバハムートだよ……危険な目にばかり遭わせて……すまない」


 ほんの一瞬。しかし、強くマイカを抱き締めたオットーは、すぐに背中を向けてマイカをおぶった。


「隊長。マイカを救出しました。あと一分だけ待ってください。すぐバハムートに戻ります」


『…………分かった』


 そうは言ったものの、ハルピュイア一機でルカヌスの動きを押さえ込むのは、もう限界と言えた。

 強度限界値を超えたパワーに翻弄され、ついにマニピュレータの構造体が悲鳴を上げ始めた。不気味な軋み音と同時に警報音と電子音声が危険を知らせ、モニターに表示された構造概略図に真っ赤なALARTが点滅する。


「クソッ!! あと少し。あと少しだけでいい!! 保ってくれハルピュイア!!」


 それでも後部スラスター角度を必死で調整することで、なんとかルカヌスの牙を支えていたハルピュイアが、ついにバランスを崩してよろめいた隙を、ルカヌスは見逃さなかった。僅かに取り戻した大牙の自由を利用して、六本の脚を思い切り踏ん張った。のけ反る反動を利用して、マンティコアを背面に向かって叩き付けたのだ。


「ぐ…………」


 これでは、バハムートのマニピュレータ上を移動していたはずのオットーとマイカはひとたまりもない。

 ライヒは思わず目をつぶったが、いつまでたっても轟音は聞こえてこない。

 目を開けてみると、そこには明るい色の昆虫装甲を身につけたニホンザルの巨獣・サンがいた。サンの右腕はマンティコアの機体をしっかりと受け止め、左掌にはオットーとマイカの姿が見える。

 本来、三十mそこそこの小柄なサンだが、昆虫装甲によって二回りほど大きくなっている。

 昆虫型巨獣の中でもダイナスティスに匹敵する巨躯のルカヌスと、マンティコアの重量を易々と受け止めたパワーは、通常状態の数倍にも匹敵するに違いなかった。


「オットー!! 無事か!?」


『間一髪です!! 今、マイカ共々バハムートに戻りました!!』


「雨野少尉!! ありがとう。おかげで部下を失わずに済んだ!!」


『どういたしまして。でも、そっちが片付いたら、こっちを頼みます!! このクモ、かなり厄介なんです。潰しても潰しても……死なない!!』


 ミルマラクネはついに傷を回復させはじめ、折れた脚すら、不気味な形状に再生して襲いかかって来ていた。

 動きは鈍く、完全ではないものの、毒牙の一撃でも食らえば形勢は逆転しかねない状況だ。


『了解。どうせなら一気に終わらせちまおう!! いいですよね? 隊長!?』


「おう!! やるぞ!!」


 カイが、ミルマラクネの長く不気味に変形した前脚をつかんで、振り回し始めた。

 のけ反ったせいで、自ら後ろ向きにひっくり返ることとなったルカヌスは、爪が大地をつかめずにもがいている。

 ハルピュイアの重機銃が、仰向けになったルカヌスの脚の関節部分を正確に射貫き、一本ずつ破壊していった。


『これでヤツは立ち上がれない!! やれ!! カイ!!』


 ライヒ大尉の通信が聞こえたのか、カイは遠心力を保ったまま、仰向けのルカヌスの上にミルマラクネを叩き付けた。


『よくもあたしの新型機をやってくれたわね!! 食らいなさいッ!!』


 叫んで引き金を引いたのは、マイカだった。

 四つ足獣型のバハムートの両肩から伸びた主砲が、マンティコアの弾倉を正確に貫き、一瞬の後に広がる真っ白な火球がすべてを呑み込んでいく。

 素早く退避したサンとカイ、そしてチーム・ビーストのメンバーが見守る中で、ミルマラクネとルカヌス、二体の巨獣は爆炎の中に燃え尽きた。


「ふうう……怪我が大したことなくて良かったぜ……」


 コクピット内で大きくため息をついたオットーを、マイカが下から睨んだ。


「オットー……さっきの、もう一回」


「え?」


「ぎゅってしろって言ってんの」


「お……おう」


「何か言うことあるでしょ?」


「あ……すまん。愛してる」


「すまんは余計」


 オットーは、少し困ったような顔をしてからマイカを抱く腕に力を込め、そっと唇を重ねた。


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