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エラグデンネザー─隠された裏の世界─  作者: タナ日菜と
第一章 黒魔女エリーナ
3/5

第三話

 だがよく分からなかったルカは想像するのは辞めた。そしてルカはいつか母親から父親のことを聞けることを心から願った。けれども願いが叶うことはきっとないだろう。母親はいつも何かを隠したがっているのだから。

 フレンチトーストが出来るのに数分、時間がかかるというのでルカはリビングに行ってテレビを見ることにした。爽快な気分でルカはテレビの前に座ってリモコンを手に取る。

 確か今日は最近面白いと評判高いアニメがあるはずだ。そう思ってルカはテレビをつけた。

「そうです。最近はおかしな目撃情報が相次いで目撃されています。実際に見た人にお話を伺いましょう」

「私は確かに見ました。傘が飛んでいたんです。綺麗に宙に。あれは単なる風ではありません。魔法です。きっとこの世界には魔法使いが存在するのです」

 最初に映ったのはニュース番組であり得ないことをふくよかなおじさんが真剣そうに語っている。画面が切り替われば次は別の人が熱心に証言していて嘘ではなさそうにも見える。驚いたことに目撃したという人は多数いるのだ。

 ただ肝心なことに証拠の動画はないらしい。

 つまり見た人しか分からないと言う訳だ。見ていない第三者からしては信じようがない。アナウンサーもあきれた様子で見ている。

「そうですね。信じようがありませんが目撃したという人は今世界中で発見されています」

 魔法……魔法なんて存在するはずないのに——

 少しワクワクしたルカだったが直ぐに現実に戻り好きなアニメ番組を変えた。小学6年生、12歳のルカでも分かる。魔法が存在しないということは。魔法が存在していればきっと人生も楽になる。だがそうじゃない。皆、苦労して生きている。 

 近所のよく飴をくれるおじいちゃんはいつも腰が痛いだのお金がないだのつぶやいている。魔法があればきっとそういうことも簡単に治せるはずだ。  

「そうだ。俺だってこうなりたくてなったんじゃない。俺だって生まれた環境がお前たちみたいに恵まれていたら違った」 

急にテレビの画面が真っ黒になった。もしかしてテレビが壊れたのだろうか。ちょうど悪がしゃべっているところで見所満載だったからルカはテーブルの上に置いてあるリモコンを取ろうとする。だがなぜかあるはずのリモコンはなくてきょろきょろすればリモコンを持っている母親がルカの視界に入った。母親はルカの後ろに立ってルカをじっと見つめている。

「ルカ、もしかしてこんな乱暴なアニメを見ているの??ルカにはまだ早いわ」

 ルカはなぜ見たらいけないのか疑問に思った。だって学校の人たちは皆このアニメの話をしているしもうルカは小学6年生だ。弱虫な子どもじゃない。

「学校の人たちは皆見ているし、早くないよ!!」ルカは珍しく母親に反発した。

 すると母親はしばらく考えるように黙り込んで「そうなのね。とりあえずフレンチトースト出来たから食べましょう」と言った。

 母親が怒っていないか不安になってルカは母親のほうを見たが母親はにっこりと笑ってくれたのでルカは安心した。 

 キッチンの前にある木で出来たダイニングテーブルに座るとひよこ色の美味しそうなフレンチトーストがルカの視界に入った。ルカは母親のフレンチトーストが世界一だと思っている。昔喫茶店でフレンチトーストを食べたけどやっぱり母親の作ったフレンチトーストのほうがふわふわであまいけど甘すぎずちょうど良かった。  

「いただきまーす」 

「さあ召し上がって」

 ルカはふわふわなフレンチトーストをホークで取り口に運ぶ。

「うーん、本当に美味しい」ルカは満面な笑みでそう呟いた。

 ルカは口をリスみたいにぱんぱん膨らませて目を閉じた。

 母親は嬉しそうにルカを見つめながらルカが幸せならそれで良いと思った。

 その時だ。  

 パリンッとリビングの窓が割れた。台風が来た時も割れなかった窓が割れるとは。ルカは不思議に思って窓の方をじっと見つめた。そして気味が悪くなって母親に話しかけようとした瞬間ルカは固まることになる。 

 何とその時ルカの視界に入った母親はすごく怯えていたのだ。まるで何かを知っているかのように。ルカはそんな母親を見たことがなかった。

「お母さん、大丈夫??もしかして今のって」

──パリンッ、パリンッ、パリンッ。

 次々に割れていく窓ガラス。

 

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