幕間話 9日~15日
結構、重要なことも幕間にされる
これがこの主人公のクオリティ
アリス、どんまい
9日目
「よし、それじゃ今日はトラップでスキルレベルを上げつつ効率を測るとするか。」
「なんだろう。確実にあんたはこの世界でトップの進行度だと思うけど、毎日毎日、とにかく無駄なく動く姿を見ると、こうはなりたくないと感じるわね。」
「アリスは失礼だな。それに、多分だがトップは他にいると思うぞ。」
「いや、どんな化け物よ、そいつ。」
裏表のない笑顔を見せる親友を思い浮かべながらトラップ地帯に入ると淡々と剣を振り始める。ここで剣の鍛錬をするため、早朝は錬成魔法の鍛錬に当てているため、最初は動きが鈍いが、魔力が回復し始めると動きが良くなりだす。
「おっ、かかったみたいだな。大体3時間くらいか。早かったな。」
縄が揺れる方に向かうとそこには、首が縛られジタバタと動くコルヌラビットがいた。
「一番メジャーなトラップだが、ヤバいなもう縄が千切れかかっている。これは、縄を編み込んだトラップのみで作った方がいいな。」
トラップの改善点を考えると素早くコルヌラビットのお腹を片手剣で切り裂いた。先程までバタバタとしていた前足は力なく垂れ、首が絞められたことで断末魔さえ無かった。
「それに、今回は良かったが手足が縛られたときは、泣き声で他のコルヌラビットが寄り付かなくなる可能性もあるから、このトラップ地帯は数日の放置には向かないな。」
「いや、なに淡々とトラップの改善点を見直しながら解体してるのよ。」
それから、湊霞は魔力が回復すると身体が重くならない程度に錬成魔法を使用、そして、回復を待つ間、剣の鍛錬やトラップの改善案の研究をしつつ、この日は更に3体のコルヌラビットを倒す結果となった。
10日目
「まずは、トラップの改善案として、この鞣したコルヌラビットの皮でトラップ周辺に疑似コルヌラビットを作るつもりだ。」
「昨日の結果でも十分効率は良いほうなのに、そんなことまでするのね。」
「モンスタートラップとしては一日に4体は効率が悪いだろ。バラウツボの香りはコルヌラビットには効果が薄いみたいだからな。より工夫をしていかなければ。」
疑似模型
魔物の皮で作った模型。内部には罠を取り付けられるような構造になっている。模型と気付かれないように魔物の血が内側には塗り込まれていたり、内臓の一部を垂らしていたりする。
そして、遂に湊霞はこの日の4枚目のコルヌラビット討伐で職業レベルが上がった。
「ふう、まだ1桁台のレベルなのに本当にレベルを上げるのが大変だ。錬成魔法のスキルレベルが中々、上がらないから、もっと使用回数を増やす上でも今回とるスキルは魔力強化だな。」
ステータス
華ノ宮 湊霞(地球:人族)
職業:下位錬成師(下級職)Lv4〈残りSP0〉
スキル
上級
Lv1
鑑定
下級
Lv2
基本武術(剣)
Lv1
下級錬成魔法、下級魔法(全)、魔力強化
レベルなし
状態異常耐性(毒)
アリス:創造神
下級スキル
魔力強化
魔力の最大値を強化する。
「いや、下位錬成師にしてはあまりにも早いレベルアップだと思うけど。それにちゃっかり基本武術はスキルレベルが上がっているし。」
その後も、2体のコルヌラビットを討伐したところで日が傾き、仮拠点にて錬成魔法の鍛錬に明け暮れるのであった。
魔力変換軟化コア(G)
魔力を通すことで道具の硬度を下げる。魔力効率はクソ悪い。
魔力変換摩擦向上コア(G)
魔力を通す事で道具の摩擦を向上させる。魔力効率はクソ悪い。
魔力変換摩擦低下コア(G)
魔力を通す事で道具の摩擦を低下させる。魔力効率はクソ悪い。
魔力変換液化コア(G)
魔力を通すことで道具を流動化する。流動化した道具を操ることは出来ない。魔力効率はクソ悪い。
魔力変換固化コア(G)
魔力を通すことで道具を固体化する。魔力効率はクソ悪い。
魔力変換軽量化コア(G)
魔力を通すことで道具を軽量化する。魔力効率はクソ悪い。
11日目
「さて、今日は午前中は昨日までと同じでトラップ地帯での鍛錬だが、午後は残していた他のポイントにも行ってみよう。」
「でも、どうして残していたの?」
「あぁ、残したポイントのほとんどがまだ確認できていない魔物が居そうな跡が見られた場所だったから、それなりに準備がしておきたかったのと、多分だが、夜にアクションが有りそうな場所だからだ。」
「でも、アルメルソルジャーアントの所は先に見たじゃない。」
「あそこはバラウツボからある程度、魔物の予想がついたからさっさと済ませたんだ。」
そうして、午前中にコルヌラビットを3体倒し、他のポイントへの移動を始めた。
始めに訪れたポイントには、土が柔らかくなっている部分があった。
「それで、どうやって確かめるの?」
「あぁ、昨日の夜に作ったこのコアとアルメルを合わせた物を使って・・・。」
取り出したアルメルの塊に魔力を込めると、塊はみるみる流動化して柔らかくなる土に染み込んでいく。
すると、塊の全てが染み込む寸前で大きく地面が揺れた。
「うおっ!来たな。」
湊霞が、その場から飛び退くと、地面から3m程のオケラの様な魔物が現れた。その爪は1m程で大きく、その身は少し赤い。
オケラは、湊霞を見つけると爪を赤く発火させ突撃してきた。
「うわ!熱を感じるってことは、俺の魔法よりもスキルレベルが高いのか、火に特化しているのかのどっちかだな。」
避けたのを確認するとオケラは、身体から黒い煙幕を出しだした。湊霞は瞬時に口を覆い、巻き込まれたアリスは咳き込みながら上昇した。
「ケホケホ、これ凄いわね。和也は大丈夫かしら。あんた!大丈夫?」
「(返事したら、煙を吸っちまうだろうが。だが、煙が上に広がっているのを見る限り、体内の炎の煙を体外に出している感じか。吸ったら一酸化炭素中毒真っしぐらだな。)」
冷静に周りを確認して、低く構え煙の少ない部分まで屈んだ。すると、煙を吐き続けるオケラの足が微かに見える。
「(あいつは、この煙の中周りが見えているのか?仮に見えてたとして、どうして攻撃態勢に入っていない。)」
すると、どこからか草の揺れる音がした。するとオケラはその方角に向かい、爪から炎を吹き出す。
「(なるほど、音に敏感なわけか。なら、このカネツ石とパンプランを詰め込んで置いた手製手榴弾で。)」
ショウエラで作った手榴弾を投げるとオケラの少し後ろに落ちる。この衝撃で魔力の含んだコアが砕け、カネツ石を延焼、パンプランの花粉に着火し、大きな音と共に爆発した。
オケラを怯ませるほどでは無かったものの、あまりの音にオケラはそちらに意識が持っていかれ、走り込んで来る湊霞に気付けずにいた。
「(一瞬で仕留める!)」
素早く距離を詰めるとオケラの胴体を真っ二つに切り裂いた。
煙幕が晴れ、アリスが降下してくるとそこにはゴロリと転がるオケラの上半身とただただ棒立ちとなる下半身があった。
「あら〜、綺麗な断面。それと解体始めるの早すぎよ。まだ煙幕晴れてなかったじゃない。」
「手元が見えれば十分だろ。」
魔物・ヒートブーケラLv1
炎と煙幕を使うケラ。体内の魔力を活力袋で直接燃やし、身体機能の向上を起こして戦う。この際、余剰分の炎は爪から放出される。また、ここで発生する煙は煙袋に溜め込まれる。
ヒートブーケラの活力袋
魔力を加熱する袋。加工にはスキルが必要である。また、加熱、爆発に対する耐性が高い。状態:最低
ヒートブーケラの煙袋
煙が溜め込まれた袋。加工は比較的簡単だが、素材としては使いにくい。状態:最低
ヒートブーケラの爪
1mの爪。熱に対する高い耐性があり、魔力伝導はかなり高い。程よい柔軟性があるが、加工はとても難しい。状態:最低
ヒートブーケラの外骨格
柔らかく熱耐性のある外骨格。硬度はかなり低く、加工は比較的簡単である。しっかりと乾燥させなければ、誘爆する油を纏っている。状態:最低
火魔石:小
火の属性を持つ魔石。素材として用いられる。
次のポイントに着くと湊霞は姿を隠して、観察していた。すると、数十分後に石のような見た目の1m程の蜘蛛が現れた。
「蜘蛛か。あの見た目だと多分、糸を出さないタイプみたいだな。」
「それで、倒すの?それとも観察だけ?」
「まだ、判断は出来ないな。出来れば、戦闘を観察したいところだが・・・。おっ、そう言ってたら、丁度良いのが来たぞ。」
二人が観察していると蜘蛛の奥からラヴァファングが1体現れた。
すると、蜘蛛の灰色の瞳が黄色に変わる。すると、蜘蛛の表面が砂化して浮遊して、超振動を始めた。
「まじか!悪意マシマシにも程があるだろ。ヴァイブロブレード、振動剣だなナイフでは受けられないし、戦闘は無しだな。」
「さっきのヒートブーケラみたく真っ二つね。」
二人がそんな話をしていると、超振動する砂で作り出した刃でラヴァファングを真っ二つにした。そして、また表面を石化させるとラヴァファングを食べ始めた。
二人は静かにその場を離れた。
次のポイントに移動した時には、空は夕焼けに暮れていた。
「ここは、アルメルがあったところだけど、こんな時間になって大丈夫?」
「あぁ、今日はここにハンモックを張って、巨大樹の上から観察する。」
「どうして?前にここに来た時も魔物はいなかったじゃない。」
「だが、ここで取れたブラッドチャート、そこから確実に未確認の魔物が居る。2回来てどちらも確認できなかった。つまり、夜行性の魔物の可能性が高いってわけだ。」
「あぁ、なるほどね。」
そして、二人はハンモックの上から観察している。相変わらず錬成魔法の鍛錬をして、アリスはそれを嬉しそうに見ている。
すると、暗闇の中に赤い光が2つ見えた。
「来たな。」
「うっわ。これはまた、ものすごく不気味ね。それにこの強烈な匂い・・・。」
「腐敗臭だな、アンデット系の魔物か?」
そこには、全身を毛に覆われた4m程の4足歩行の魔物が居た。毛が多すぎるため、詳しくは判断が難しいが、確実に言えるのは生気を感じない事である。
「戦闘は出来ないな。どう考えてもレベルが、足りない。下手したら2桁台だろうな。」
「あ、ブラッドチャートを食べてる。」
そして、二人はその後、息を潜めて魔物が森に消えるのを観察していた。
12日目
「さて、それじゃ帰るか。途中でトラップ地帯でレベル上げをして行くぞ。」
「ふぁ〜。本当に朝強いわね。」
「まぁ、効率的に動くには脳をより速く活性化させないといけないから、小さい頃から慣らしていったからな。」
そして、二人はトラップ地帯にて獲物が掛かるまで雑談をすることとなった。因みに、湊霞はコアを作り続けている。
「アリス、前に神は基本全知って話だったが、なら神の優劣ってのは全能かそうじゃないかでしか分からないのか?」
「いいえ、神の優劣って意味じゃ、能力がわかりやすいと言うだけで、それ以外でも変わるわ。例えば、今の神界のトップは全能神様だけど、その能力的には私や破壊神も変わらないのよ。ただ、昔の神界は、神々が自分たちの世界を好き勝手にしていたの。それを今の全能神様が断罪して、多くの神を消滅、または封印して一度、全ての世界を消したわ。」
「全て消すあたり、立て直すのには効率的でいいと思うが、そこだけ聞くとその神はかなりの暴君なのだが。」
「まぁね。でも、しっかりと世界を管理していた私や破壊神の世界には手を出さず、立場を下にすることで手を打ったんだから。そこまでの暴君じゃないわ。」
すると、アリスはピラミッドの様な物を投影した。上から2番目にはアリスのマークの他に4つのマークが描かれている。
「トップを全能神様、その下には5人の神が眷属として存在するけど、私と破壊神の2柱と残りの神との間には、明確な壁があるわ。それがラグナロク、神断罪権の有無よ。私と破壊神には全能神も含めた全ての神に対する絶対的権利を用いているわ。もちろん、条件はあるけどそこはこの3柱同士にしか適応されないわ。」
「それは、元々が同列の神だった為か?」
「そうよ。そして、・・・。」
次にピラミッドの3番目が照らされる。そこには上の5つのマークのどれかの特徴を持つマークが描かれている。
「その下に位置するのが、最判神。5柱の直接的な眷属で、基本的に世界を創造するときに1柱創り出すわ。まぁ、地球みたいに私が直接管理する世界もあるけどね。」
「管理って、最近は放置してたんじゃないか?世界終わってるじゃないか。」
「いや、それは我が子達の決断の末でしょ。直接的に管理する神も居るけど、私は基本、その世界の子たちの選択を尊重するわ。外敵、つまり他の神々の干渉から守るだけよ。」
アリスは心の底からそう語る。アリスは、本当に等しく世界を愛しているのだ。それこそ、その破滅までも。決して、自分の都合が干渉しないようにして、ただその姿を眺め続ける。そして、彼女はその記録をよく見返していたのだ。
「そして、その最判神の補助をする神を創る。私が創り出してあげることもあるけど、ほとんどは最判神が自身の眷属として創るわ。」
「そんなことしたら、神がねずみ算式に増え続けないか?」
「あ~、大丈夫よ。最判神たちは能力としては、準全能で、世界から見れば強力でも神で見れば、月とスッポン以上の差が私たち全能とはあるわ。因みに、不死なのもこの最判神までよ。」
そして、アリスはピラミッドの次の層を指差す。そこには、もう数えるのも馬鹿らしくなるマークが描かれている。
「その補助する神達の中でも、世界の構造を司る神たち、この子たちは上級神で、例えば宇宙を司る宇宙神、時間を司る時空神とかが居るわ。基本的に、不死とまでは行かなくとも、特定の条件下では不死となり得るわ。」
更に、ピラミッドの次の層を指差す。そこにはマークは無くなっていた。
「そして、その下には神話とかで有名な神が居るわ。この神たちは下級神であり、世界の人々と比較的接する機会が多いから神話になってることが多いわ。」
「天照大神やゼウス、ソーとかか。」
「そうね。この子達は、信仰がそのまま力になるわ。だから、世界の子たちから忘れられるとそれがそのまま死に繋がるわね。因みに、人から神になった例があるけど、これもこの辺りに属するわ。」
「なるほどな。・・・と、かかったみたいだな。」
アリスの話が一区切りすると丁度トラップが、発動したので湊霞はトラップに向かった。
「ふふ、本当にあんたは変わっているわ。なんでだろ。我が子はみんな、可愛いと思うけど、あんたは中でも微笑ましく思うわね。」
アリスのそんな一言は、湊霞に届いたのだろうか。
13日目
この日も、トラップ地帯で鍛錬していると、遂に下級錬成魔法のスキルレベルが2となった。
「お!職業レベルと同時にスキルレベルも遂に上がったな。」
「もう何回、あんたを見てて思っているだろ。早すぎるって・・・。」
ステータス
華ノ宮 湊霞(地球:人族)
職業:下位錬成師(下級職)Lv5〈残りSP0〉
スキル
上級
Lv1
鑑定
下級
Lv2
基本武術(剣)、下級錬成魔法
Lv1
下級魔法(全)、魔力強化、自然回復強化(魔力)
レベルなし
状態異常耐性(毒)
アリス:創造神
自然回復強化(魔力)
魔力の自然回復の効率がレベルが高いほど良くなる。
「下級錬成魔法は、レベル2になると魔石を素材に出来るのか。少し作ってみるか。」
丁度解体したコルヌラビットから取り出した風魔石でコアを創り出した。
魔力変換加速コア〘風〙(G)
風属性を持つコア。魔力を流すと風を纏い素早く動ける。魔力効率はクソ悪い。
「うん、イメージしやすい。それでかなり武器の属性に幅ができるかもな。」
「うん、行動力があっていいけど、そういう検証は、もっと落ち着いたところでやりなさいよ。」
そして、レベル2となった錬成魔法の検証を進める。
魔力変換火炎コア〘火〙(G)
火属性を持つコア。魔力を通すと道具に炎を纏わせる。魔力効率はクソ悪い。
魔力変換送風コア〘風〙(G)
風属性を持つコア。魔力を流すと風が吹く、魔力量によって風力が決まる。魔力効率はクソ悪い。
魔力変換発熱コア〘火〙(G)
火属性を持つコア。魔力を流すと発熱する、魔力量によって熱量が決まる。魔力効率はクソ悪い。
「これは、正直、武器よりも道具が充実していきそうだ。明日は道具作りに時間を割くか。」
その後も、コルヌラビットを数体倒して、拠点へと戻った。
14日目
「さて、今後のことも考えてある程度、道具は作りきりたいところだな。」
「今日は作業回ね。私は横で見てるわ。」
そこからは、ただ淡々と作り続けこの日は終えることとなった。
簡易多機能バッグ
ヒートブーケラの外骨格を用いたリュックサック。職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。
簡易サイドポーチ
コルヌラビットの皮を用いたサイドポーチ。職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。
移動補助コルヌラビットのハイブーツ(G)
内部に風属性のコアを仕込まれたハイブーツ。風属性のコアで移動速度に補助がつく。しかし、効果は心許ない。
対虫線香
ハッカクとヒロエラ、イッチョウキクが刷り込まれた線香。1時間効果のある虫型魔物を寄せ付けにくくなる煙を出す。しかし、職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。
軽量多機能ベルト(G)
ラヴァファングの皮と軽量化コアを使ったベルト。腰に短剣収納用の鞘が5つ、左側に片手剣用の鞘に各種効果珠、右側には投擲用の簡易ナイフを収納出来る。
発火珠
火属性のコアとカネツ石、ボムベリー、パンプランをアルメルで固めた物。魔力充填からの投擲で小爆発と延焼を引き起こす。しかし、威力はそれほどない。
刺激珠
火属性のコアとボムベリー、パンプラン、ペッパーリーフをアルメルで固めた物。魔力充填からの投擲で小爆発と刺激成分の散布を引き起こす。しかし、威力はそれほどない。
防虫珠
火属性のコアとボムベリー、パンプラン、ハッカクをアルメルで固めた物。魔力充填からの投擲で小爆発と防虫成分の散布を引き起こす。しかし、威力はそれほどない。
簡易安眠ハンモック
簡単に設置が可能なヒロエラとハッカクを用いたハンモック。職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。
簡易設置型日照ランプ
簡単に設置が可能なランプ。火属性のコアとヒートブーケラの活力袋、ホタル石で作った日照ランプ。3日に1回の点検、火属性のコアとホタル石の補給が必須である。
簡易テント
簡単に設置が可能なテント。職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。
簡易火起こし器
火属性のコアを用いた火起こし器。コア1個で10回使える。
簡易保存水瓶
ハッカクとボムベリー、スイシソ、ライトシルバー、水魔石を魔力赤粘土に練り込んで作った簡単に設置が可能な水瓶。水の保存が伸びる。しかし、職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。
「はぁ〜、疲れた。予備も含めてかなり作ったわ。」
「いや、かなり作ったわね。10個ずつ、消耗するやつは30個近く作ってるじゃない。唯一、水瓶だけは1つだけど、これは素材の量が原因だし。」
「まぁ、あって困るものじゃないし、職業のスキルで作ってないのは耐久性の問題で予備がかなり重要だからな。・・・さて、湖からの道にランプを設置しに行くか。」
「いや、疲れたんじゃないの?」
「あぁ、精神的には疲れたが、肉体は対して動かしてないからな気力で十分動ける。」
「あんたは、化け物か!休みなさいよ。」
アリスの声は湊霞に聞こえず、巨大樹を降り始めた。
15日目
「さて、昨日はオフだったからな今日からは、また、活動していくぞ。」
「オフ。・・・オフ?昨日もかなり活動してたと思うけど、おかしいわ、全知でオフについて知っているはずなのに、全く違う言葉に感じる。」
「身体は動かしてないからオフだ。今日はラヴァファングを多く見つけたポイントに行って、トラップ化出来るのかを確認するつもりだ。」
「コルヌラビットのトラップがあるのにまだ欲しいの?」
「まぁ、今すぐ必要な訳では無いが、少し気になることもあるから、ついでだ。まずは、午前中はトラップ地帯で、鍛錬してから行こう。」
二人はトラップ地帯で午前中を過ごした。因みに、ここでアリスは湊霞にどうにか鍋以外の料理を作ってもらおうと四苦八苦している。
「ねぇ、そろそろ折れて、鍋以外の料理も作ってよ。」
「だから、鍋が最も効率的なんだ。どうしても別の料理が食べたいならメリットを提示してくれ。」
「ぐ、私が嬉しいわ。」
「だから、アリスが喜んで俺になんのメリットがあるのか。」
アリスが交渉(毎回失敗)をしていると、目的のポイントに着いた。
「で、あんたが気になっているのってなに?」
「それはあれだ。」
湊霞が指さした先には、とても薄っすらとだが、太陽光で明るくなっている所が小さく見える。
「あんた、よく見えるわね。私は元々が、神の御霊だから、余裕だけど、人間ならかなりギリギリの距離よ。」
「そうでもないだろ、それこそマサイ族や昔の人類なら余裕なんじゃないか。」
「あんたは、そのどっちでも無いでしょ。」
二人がそこに近づくと、少しずつ足取りが無意識で重くなっている。
「!?なんか、身体が重いと思ったら凄いプレッシャーだな、まだ小さくしか見えないが、あれは魔物か?」
「もう、目撃したし、説明していいわね。あれは、エリアボスよ。所々で居るんだけど。まさに、ボス。近くの魔物も寄り付かないほどの力を持つわ。プレイヤーでも、ある程度まで力を付けないと、今みたいに近づくことすら出来ないわ。」
「ここから見た限り、カマキリみたいだな。まぁ、腕が4本だが。」
少し震える足を動かし、ラヴァファングのポイントに戻った。しかし、その頃には日は傾き、この日はここでの野宿が決定した。因みに、近くにラヴァファングが居た為、これを狩って晩飯とした。