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神々が観る世界 神々に魅せる世界  作者: 朧華
5つの交わる世界
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第5話 仮拠点作り本格始動

このお話・・・。

物凄いスピーディー回、でも登場する素材、結構重要!!

アリス、湊霞のサポート頼む


こいつに任せたら最終回まで駆け抜けてしまう。

3~5日目

 まだ、薄暗い空のもと淡い光が樹上に見える。


「まずは、昨日の牙と毛皮、コアを使って、」


 指先から出た魔力の糸はコアを通り、ラヴァファングの牙を削りながら包み込む。


ラヴァファングの片手剣(G)

 コアにより硬度が変えられる片手剣。しかし、魔力効率が悪く、コアの耐久性も少ない。


 湊霞の手には薄いオレンジに光る片手剣が握られている。その刀身は、まだ見えない朝日の映る東の空のようだ。製作時間はナイフのときと比べても何倍もあり、和也も汗をかき、息が荒くなっている。集中力を極端に使ったのだ。

 水を飲み、一息ついてから鞘を毛皮とコアで簡単に作り終える頃、アリスは目をこすりながら起きてきた。


「よし、剣ができたな。」

「おはよう。って剣を作ってたのね、ただやっぱりあまりいい装備とは言えないわね。正直、本職ならまずGにはならないと思うわ。それに、レベルが低いからGの中でも、かなり品質が悪いわね。」

「おはよう。これでいいんだよ。毎日作っていけば、スキルレベルを上げられるだろ。それに、昨日のナイフより丈夫なら今のところ良いんだ。」

「そうね。特に、錬成師は上がりにくいものね。ただ、普通はそんな、何度も錬成出来るほど手頃じゃないんだけど、それなりに集中力がいるし。言うなら、型抜きを常に行っているようなものだし。」

「そこは、慣れと工夫だ。」


 湊霞はその後、道具作りを始める。


「まずは、この花だな、ヒロエラの花、一応回復薬である塗り薬に加工出来るみたいだが、専用の職業が必要だからな、適当にすり潰してみるか。」


 ココエラの樹皮製の乳鉢で花をすり潰すと少し水を加え、更に捏ねる。ある程度の粘り気が出てくると竹で作った入れ物に入れて、少し乾燥させた。


下級塗り薬(G)

 ヒロエラの花をすり潰しただけの薬。傷の悪化を防ぎ、自然治癒を補助する。効果が出るのは2週間後である。


「まぁ、無いよりかはいいな、剣作りで午前中は使ってしまったから、お昼はこの薬の完成を待ちつつ、足場作りだな。」


 大量の薬を干し終わると、板材による足場作りを始めた。因みに、足場は解体と修繕がしやすいように、木材同士を積み木のように組み上げる、日本の昔ながらの建築技法を用いている。所々、シロ石による補強をしているものの、極力木材のみで組み上げている。

 また、階段の様にするのではなく、大きくジャンプして飛び乗って登るような形を取った。これは。外敵が登りにくくするためである。



6~7日目

 この日からは、素材の種類を増やすため活動範囲の拡大をした。一緒に持ってきていた学校のノートを使い簡単なマップを作成する。

「なにこれ、かなり分かりやすいけど、無駄がなさ過ぎて、気持ち悪い・・・。」

 遊び心のないマップはアリスには不評のようだ・・・。


変異植物・ソルトライチ

 塩味のある実をつける植物。そのまま食べると塩味が強すぎて食べれないが水に2日漬けて無駄な塩味を取ると食べれる。

鉱石 アルメル

 加工素材となる鉱石。低温で溶け、加工がし易いが、武器には向かない。

魔芋 ジャガモ

 見た目はただのじゃがいも。しかし、葉が大きく、実が魔力も蓄える。収穫後、2日ほど放置しなければ、食用にならない。最悪な場合、魔力の急速な過剰摂取により死に至る。


・・・etc.


そして、仮拠点に戻ると作業台やジャガモを育てる畑を用意する。2日間は、調査に費やした。



8~10日目

「さて、今日はトラップを作りに行くか。」

「ふぁ〜、にしてもあんたは本当に勤勉なのね。毎日欠かさず朝の鍛錬を続けて。」

「サボるのは、無駄しか生まないからな。」

「あっそ、ところでそろそろ鍋料理辞めない。美味しいけど、飽きたんだけど。」

「ただでさえ、食材が揃ってないのに、料理を考えるのは時間も思考も無駄だろ。」

「あんたは本当に人間?飽きとかないの。」

「飽きるって考えは分かるが、それは効率的な行動原理より優先度が低いだけだ。」


 二人が話していると、昨日訪れたトラップ設置ポイントに到着した。


「それで、どんなトラップにするの。」

「スネアトラップっていう。獲物を吊し上げるタイプの罠だな。」


 そう話すと、ココエラの樹皮で作った縄で作るトラップを作成する。高い巨大樹を利用したトラップは、傍から見れば、上から蔦が垂れてる様にも見えるが、その下には高い草に隠れたトリガーとなる大きな輪がある。更に、掛かったことがわかるようにトラップに囲まれた中央部分に縄がピンと張られている。


「よし、後はこれの量産と強度も未知数だから数パターン用意しないとな。」

「なるほどね。確かにこの大きさじゃ、ラヴァファングにはあまり効果はないし、下手したらトラップを壊され続けちゃうわね。」

「あぁ、後はこの辺りを散策しながらトラップに掛かるのを待つだけだな。他にも、スキルレベルを上げるのもいいと思う。」


 それから、湊霞は縄を編み込み強度を高めた物やバラウツボの汁を刷り込ませた縄で作ったトラップを作る。因みに周囲には次のような物が点在していた。


栄養木 コナ

 生け垣のような植物。伸びてきた小枝を口に咥えると少量のビタミンを取ることが出来る。しかし、少量の毒性がある。一部の魔物は、この葉を好物としている。


興奮実 カフェルルナ

 赤みがかった実を付ける植物。集中力の向上効果がある実を付けるが、そのまま齧るのは強すぎる興奮作用がでる。一部の魔物は、この実を好物としている。


巨大根 ニンサ

 細長く、2m位ある人参の様な植物。栄養価は高いが少し苦味がある。火を入れることで甘みがでる。


簡易スネアトラップ

 簡単に設置が可能なスネアトラップ。職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。


・・・etc.


 そして、3日後に狩ったコルヌラビットで職業レベルが上がり、新しく魔力強化のスキルを取った。


「ついに、ナレ死のチュートリアルモンスター・・・。」


下級スキル

魔力強化

 魔力の最大値を強化する。


11〜15日目

 この間は、下級錬成魔法でコアの貯蓄を増やしたり、種類を増やす。バック等の道具作りを中心に行う。

 そうして、遂に下級錬成魔法のスキルレベルが2となり、魔石を使うことでコアに属性をもたせることができるようになった。

「思ったより、早いレベルアップだな。」

「あんたが異常なのよ(なんで毎日気絶寸前まで作り続けるのよ)・・・。」


魔力変換加速コア〘風〙(G)

 風属性を持つコア。魔力を流すと風を纏い素早く動ける。魔力効率はクソ悪い。


魔力変換火炎コア〘火〙(G)

 火属性を持つコア。魔力を通すと道具に炎を纏わせる。魔力効率はクソ悪い。


・・・etc.


 これらのコアを使って、武器や装備を強化する。また、湖等への道にホタル石製のランプを設置して、まさにファンタジーな小道を作る。


16日目

「さて、ここにトラップ作成できそうだから、今日は帰り道で崖沿いを探索しながら、午後はラヴァファング用のトラップを作るか。」

「本当、すぐに動き出すわね。」


 二人が巨大樹の上から降りてくると、目の血走ったラヴァファングがそこには居た。何処か、今までのラヴァファングよりも威圧的である。


「うわ!あれは高レベル個体ね、目に魔石の影響が出始めて居るわ。もう少しで上位個体に進化するじゃないかしら。」

「どうやら、目を着けられたみたいだな。戦闘だ。」


 片手剣と短剣を構えると、ラヴァファングは、突進してきた。湊霞が横へ避けるとラヴァファングは巨大樹に衝突した。すると、巨大樹が大きく揺れ、衝突した箇所は大きく凹んでいた。


「まじかよ。ここの木は中央部に行くほど幹は鉄並みの硬度になるんだぞ。鉄の塊を凹ませるって、大砲並じゃないか。」


 左手に短剣を構えると指先で素早く、刺激珠を掴みラヴァファングに投げつける。

 珠が破裂し、ラヴァファングは大きく頭を振る。かなり痛いのか、赤いラインから怒りを表すような烈火を出す。まさに激昂、ラヴァファングは目から炎を出しだす。


「ブオオおおオオおおオオ!!!!!!」

「さぁ、来い!」


 ラヴァファングは、更に強力な突進をくり出す。湊霞は、またも躱す。


 ドォン!


 またもラヴァファングは巨大樹に衝突、地響きさえも感じる衝撃が場に響く。重たい衝突音は、湊霞が気を引き締めるのに十分である。その右手に持つ片手剣を強く握りしめる。


「まだまだ、ここじゃない。」


 ラヴァファングは地面を再度蹴り出す。さらなる加速、最早、車なんて表現が正しいのかも分からない。砂煙、炎の渦、ものすごい熱風、全てを置き去りにするような衝突である。

 縄をつけたナイフを投げ、巨大樹に縄を巻き付けると思いっきり、引っ張りこの突進を紙一重で躱す。


 ドゴゴゴゴォン!!!


 遂に、若い巨大樹に衝突したラヴァファングは、その育ち盛りの幹を圧し折った。衝突した箇所は少し焦げ、大きく粉砕されている。


「ブオ!ブオ!!ブオオおおオオおお!!!!!」

「さぁ、もっと頑張れ!」


 刺激珠を追加で投げつけ、左手には再度、縄付きのナイフを持つ。

 そして、右手の片手剣を大きく握り直し、力強い目でラヴァファングを見つめる。

 ラヴァファングは、大きく咆哮し空気を震わせると突進を行う。もう湊霞しか見ていない、紅々とした目はそう物語っており、その加速は全てを置き去りにしそうである。


(良かったよ、お前が突進にこだわる魔物で。多様な攻撃でなく、特化した攻撃なら相手が如何に己より強い相手でも、勝つ糸口が見える。)


 上空に向けてナイフを投げ、大きく飛び上がり、突進を躱す。すると、右手に持つ片手剣が碧々と発光し始めた。


「魔力目一杯!剣の破損ギリギリの硬度だ!喰らいやがれ!」


 湊霞は降下する力を加えた、高硬度の片手剣を振り切り巨大樹を凹ませるラヴァファングの首を一刀した。その切り口は、力の入れ方、剣の角度、魔力の充填量、斬りつける箇所、その全てに無駄のない高い技術が伺えていた。


「凄いわ。」


 アリスさえもその技術に見とれてしまった。ただただ、効率を求め、何度も繰り返した剣の振り、一瞬も途切れない集中力が見せるスキルに頼らぬ動き、それはまさに神の御業である。

 息を引き取るラヴァファングも何処か穏やかで満足気な目をしてハイライトを失った。


「ふぅ〜、疲れた。今の一太刀、再現できる気がしない、最高の一刀だったな。」


 自壊していく片手剣を見つめつつ言う。いくら、熱に強いラヴァファングの片手剣でも戦闘開始からじっくり、大量に魔力を込められた状態で使用され、内側から壊れてしまったのだ。


魔物(進化寸前)・ラヴァファングLv9

 燃える毛を持つイノシシ。進化をしかかっている。進化寸前の猛火は毛や目から漏れ出す。肉体は、度重なる戦闘での突進で固く強靭になり、その加速は、思考を置き去りにしている。


進化寸前のラヴァファングの肉

 脂身がなく、かなり筋が硬い。蒸す、煮ると柔らかくなるが、他の調理法だと硬さは残る。状態:最低


進化寸前のラヴァファングの骨

 程よい硬度を持ち、加工はそこそこしやすい。また、魔力の伝導性もそこそこいい。熱に強い。状態:最低


ラヴァファングの内蔵

 時間が経つとかなり強い刺激臭がする。特殊なスキルで加工をすることで食べることが出来る。状態:最低


進化寸前のラヴァファングの牙

 かなり硬く、魔力の伝導性もそこそこ高い。しかし、加工するのは少し難しい。熱に強い。状態:最低


進化寸前のラヴァファングの毛皮

 空気中の魔力を吸い熱に変える。しかし、効率、効果は薄い。常状態ではかなり硬いため加工には向いていない。かなりの時間熱を加えると柔らかくなり加工がしやすくなる。状態:最低


火魔石:小

 火の属性を持つ魔石。素材として用いられる。


「やっぱり職業レベルが上がったな。」


ステータス

華ノ宮 湊霞(地球:人族)

職業:下位錬成師(下級職)Lv6〈残りSP0〉

スキル

上級

Lv1

鑑定

下級

Lv2

基本武術(剣)、下級錬成魔法

Lv1

下級魔法(全)、魔力強化、自然回復強化(魔力)

レベルなし

状態異常耐性(麻痺、毒)

アリス:創造神


状態異常耐性(麻痺)

 麻痺に対する耐性が強くなる。


「本当、ものすごい早いわね。レベル6はかなりトップランカーよ。」


 そして、二人が崖沿いに探索していると、モノリスのあった場所が小さく見える所まで来たところで、少し大きめの洞窟を見つけた。


「あれは。」

「あぁ~、ダンジョンね。」

「ダンジョンもあるのか。」

「えぇ、ただこの世界のダンジョンは大小にかなりの差があるわ。貴方たちが考えるような広大な空間が層に成っているのもあれば、モンスタートラップのようなモンスターが次々湧いてくる部屋程の広さしかないものもあるわ。どっちにしても今の貴方がチャレンジできるような簡単な場所じゃないわ。」


 ダンジョンの活用について考えつつ、仮拠点に戻り、トラップと失った片手剣の製作に取り掛かった。


簡易レッグホールドトラップ

 簡単に設置が可能なレッグホールドトラップ。職業を介して生成してないため、耐久性は低く、環境に対する耐性は皆無である。


保温補助ラヴァファングの上着(G)

 内部に火属性のコアを仕込まれた上着。火属性のコアとラヴァファングの皮で保温性能がある。しかし、効果は心許ない。


防護シャツ(G)

 硬化効果のコアを学校のシャツと錬成したシャツ。魔力を通すと防護効果がある。しかし、効果は心許ない。


伸縮防護パンツ(G)

 硬化効果のコアとベノムートの鱗を学校のパンツと錬成したパンツ。程よい柔軟性と魔力を通すと防護効果がある。しかし、効果は心許ない。


進化寸前のラヴァファングの片手剣(G)

 コアと素材によって高い硬度と魔力を通すと炎を纏う片手剣。しかし、魔力効率が悪く、コアの耐久性も少ない。


「ついでに、服も新調できたな。やっぱり制服は行動しにくいからな。」

「いや、いきなり脱ぎ出さないでよ。神とはいえ、一応私は女性の見た目なのよ。」

「でも、神なら性別無いだろ。」

「なっ!・・・。」


 アリスは言葉を失い、不貞寝を始めた。湊霞は、全く気にせず錬成魔法の鍛錬に入っていった。因みに、今日も新たな植物の発見が少しあった。


粘着草 ゴムローバー

 伸縮性と粘性を持つ茎と栄養水を出す植物。縦に細く割くことが出来るが、横に切るのはかなりの力がいる。火に強いが、寒さに弱い。


変異植物・シャープローズ

 鋭利な花弁を持つ植物。甘い香りで近づいて来た魔物を怪我をさせ、そこから垂れる血液を栄養とする。色の濃さは吸った血液の量に比例している。



17〜18日目

 連日ラヴァファングを狩り、職業レベルを6にして、基本武術と魔力強化のスキルレベルも上げた。

 そして、遂に湊霞は仮拠点を完成させた。ラヴァファングの革を使い革製の衣服を揃え、畑と罠で食べ物を安定させた。また、備蓄も毎日の積み重ねにより余裕ができてきたのである。トラップ地帯も完成した。


「これで、レベル上げに集中できる。このあたりでのレベリングの方法も掴んできたし、しっかりと鍛えてから本拠点の候補地を探そう。」

「いや、この拠点で十分だと思うけど。何が不安なのよ。まだ、1ヶ月も経っていないのに、食住が安定しているじゃない。この効率バカ!」


 そして、二人は森の中へと歩いていく。

ステータス

華ノ宮 湊霞(地球:人族)

職業:下位錬成師(下級職)Lv6〈残りSP0〉

スキル

上級

Lv1

鑑定

下級

Lv2

下級錬成魔法、基本武術(剣)、魔力強化

Lv1

下級魔法(全)、自然回復強化(魔力)

レベルなし

状態異常耐性(麻痺、毒)

アリス:創造神


自然回復強化(魔力)

 魔力の自然回復の効率がレベルが高いほど良くなる。


状態異常耐性(麻痺)

 麻痺に対する耐性が強くなる。



いつもはYouTubeで活動してます。


この作品の裏話や挿絵、紹介動画なんかもしていくつもりなので、見に来てください。


https://www.youtube.com/channel/UC3wzuZXPJ0Izmji-vlTWgdg

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