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神々が観る世界 神々に魅せる世界  作者: 朧華
源流からの世界
29/30

第1話 最悪の予兆

先週はごめんなさい

書きためが全部吐き出したのでここからは短いものを毎週更新していきたい

 パキンッ


 それは魔石を的確に砕き、戦いを終えた合図であった。


「倒した。が・・・。」

「何も残ってないわね。」

「・・・消えた。」


 戦いの後はあるものの魔物の死体どころか砕いた魔石さえそこには何もなく、まるで模擬戦でもしていたように湊霞(みなか)だけが佇んでいた。


530〜540日

 湊霞たちは拠点に着くと消費した道具の補充や課題点の改良をしながら、他メンバーの合流を待っていた。


「・・・来ない。」

「確かに遅いわね。姉たち。」


 (まい)美穂(みほ)が模擬戦明けの休憩で今日の改善点をメモしていると、作業部屋から湊霞とアリスが出てくる。


「物資の補給もできたから、明日から活動を再開する。」

「な!??他の子たちを待たないわけ。」

「あぁ、居ないやつを気にするのは無駄だ。他の奴は今後、居ないものと想定して動く。」


 湊霞は、どこまでも無駄を嫌う。この日まで待っていたのはあくまでも準備など拠点内での必要事項を済ませていただけであり、別行動をした時点で湊霞にとって(りん)未来(みらい)詩乃(しの)は今後の行動の上で必要としていないのだ。


「死んだか生きているか、わからないのにわざわざリソースを割くのは無駄だ。」

「・・・最低。」

「わかってたことじゃない、舞。」


 二人が相変わらずの湊霞を見ていると、拠点近くに多くの人の気配を舞が察知する。


「・・・(かえで)、それと子供。」

「子供?」


 楓がトラップ地帯に近づくのを確認していると横には30人程度の保育園から小学生位の子供が居るのが見える。


「獣人にエルフ、人間。見たことない種族もいるわね。それに大人が3人・・・。」

「・・・1人。」

「ニシシ。獣人が一人だけ、それも片足のようだね。」


「湊兄!この子たちを保護したんだ。皆、特殊系の職みたいだから湊兄の役立つと思うよ。」


 流石は楓であり、湊霞に何かを言われる前に連れてきた者たちの有用性について話す。


「俺が対応するわけでもない、別に構わない。取り敢えず明日は3人でミミックの林に行く。」

「ちょ!待ちなさいよ、姉たちの件についての話が・・・。」


 湊霞は完全無視で自室に入る。舞と美穂は閉じられた扉をただ見つめる。そんな2人にいつもの明るい笑顔ではなく何処か達観視するように、何処か悲しそうに楓は話す。


「2人とも、湊兄は、湊霞という人間は、効率のみで動く。2人が一度でも視界から外せば、決して見つけ出せなくなるほど先に進んでしまうほど。これまでも、湊霞を理解していていこうとした人はいた。でも、殆どの人がついていけなかった。私や蓮也は、特別だったからついていけた。でも、常人がついていくには多くを失う覚悟がいった。家族を捨て、友を捨て、人生さえも捨てた。そんな人が湊霞の視界に残り続けることが出来た。全てを捨てて、湊霞だけを見つめた人だけが、湊霞の視界に焼き付けられた。」


 この世界に来る前から、物心が着いた時から、華乃宮湊霞を知っている。異常者の一生を見続けた異常者が語る。その声はどこまでも悲しく、どこまでも虚しくある。


「覚悟はある?2人には、その先に進む覚悟が。捨てれば、案外簡単に湊霞の視界に残れる。でも、捨てないなら、湊霞の視界に残るのはほぼ不可能。人のまま、人らしく、湊霞と共に進む覚悟はある?」


 楓は問う、何処か願うように。1年以上、湊霞に着いていき、離れようとしなかった2人に、他のメンバーが離れる中、離れようとせず、それでも、湊霞に着いていき、他のメンバーとの繋がりを作ろうとしていた2人に。


「・・・ない。」

「!そうだよね・・・。」

「・・・でも、着いては行く。・・・ここがいいから。」


 舞は、そう言い残し、自分の部屋に向かった。彼女はとても単純だった。自分に他人と湊霞の架け橋は無理だと、着いていくのでやっとだと、理解していた。


「私は、捨てない。姉もみんなもとっても大事だから。そして、あのバカも大事。だから、私は何も捨てずに着いていく。そして、いつか、」


 美穂は、湊霞の部屋をまっすぐ見つめて宣誓する。


「あいつにもみんなを見せる。見られて終わらせない。ずっと見続けさせてみせる。」



541日

 風がゴーゴーと吹き荒れる中、3人は仮拠点に向けて歩き出す。


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