第6話 協力者の昇格と遭遇
今作品最強が登場
異常な主人公の知り合いはバケモノでした
421〜422日目
アリアたちは昇格を湊霞たちの拠点にあるモノリスで行う。
まずはアリアから、元々は白い弓矢の紋様だったが、紋様が2つの折り重なる木と弓に変化すると手の甲に移動し、指先と二の腕にかけてツタのような模様が広がる。所々に神の紋様なのか木や果実が施されている。
色は、手の甲が緑で、二の腕にかけて金色にグラデーションする。
「きれいね。」
「とても幻想的よ、姉さん。」
姉妹を中心に盛り上がっている。
次にイリアが、昇格を行う。元々は杖と風を模した紋様だったが、妖精の羽と槍の紋様に変化、背中の首元に移動すると脇を通っておへそへと流れるように模様が広がる。
首元を緑、おへそを空色としたグラデーションに数本の金色の線が描かれており、所々にハープや風の紋様が施されている。
「これはまた、扇情的なのが来ましたよ。」
「とても綺麗よ、イリア。」
「ありがとうございます、姉さん。」
女子が話している中、どこか場違い感を感じながら、松也は昇格する。
元々は、剣を模した白い紋様だったが、手首に移動し、剣と盾を模した紋様へと変わる。紋様は紺色から水色へのグラデーションをしながら、腕と脇に広がっている。
神の紋様として、馬と剣、リングが所々に施されている。
「The警察な色になったね、松也さん。」
「あぁ、真奈ちゃん。これは思った以上に小っ恥ずかしいな。」
「兄さん、似合ってるよ。」
その後、イリアからの提案で、互いの職業を提示し共有しようという話が出る。特に、断る理由もなかったので、取引を出して承認する。
423〜481日目
サバンナを抜け、乾燥した森を通って川沿いの隆起した山地にある苔むした洞窟を歩いている。
山地の奥にはジャングルが見えており、今はそこを目指している。洞窟内は魔力が結晶化したものが所々に散らばっており、比較的明るい。
ここまでの調査をまとめておく。
エリアボス
<サバンナ>
4足歩行の中型ドラゴン
<乾燥した森>
ゴブリンキング
始祖鳥の様な滑空する鳥型魔物
<山地>
各種ワイバーン
<山地の洞窟>
雷を纏ったゴーレム
鉱石を背中につけたドラゴン
拠点に良さそうな場所は今の所まだ見当たらない。そんな中、6人は洞窟を向けようとしている。
「おっ、抜けそうだぞ。」
「異常に長かったですね。」
「昼夜の感覚が鈍っちゃったね。」
「・・・洞窟、寒い。イヤ。」
「真っ暗じゃないだけぇ、救いよねぇ。」
「お姉、それでも辛かったわよ。」
「私たちはナビゲーターだから、あまりわからないわね。」
こうして、数日、ジャングルを進んでいると、植物に侵食された寺院が見えてくる。まさにファンタジーであり、元の世界のピラミッド以上の巨大な寺院がそこにはある。
「これは、圧巻ですね。元の世界ではまず見れないものですよ。」
「海外でも、ここまでのは無かったわね。」
「ダンジョンかしらぁ?」
「・・・エリアボス。」
「そうだね。舞の言う通り、生き物の反応が感じられる。」
「名前だけでも確認するか。」
中に入ると、反応の正体はすぐに理解する。誰もが知っている有名な魔物、プルプルと愛らしい場合もあれば、魔王とまで呼ばれる最強格にもなる。
「まぁ、定番って言ったら定番か。」
「そうねぇ、定番ねぇ。特にぃ、私の好きな異世界ものならぁ、外せない子よぉ。」
「お姉、落ち着く。それとそのシチュエーションが好きだからって、突っ込んじゃダメだからね。」
「僕としては、そのシチュエーション興味が・・・。」
「ふふふ、だねよ~。」
それはスライム。スライムが生えている苔なんかを食べている。
「ならエリアボスは・・・。」
「十中八九、キングスライムでしょうね。」
「はぁ〜、出よう。調べるだけ無駄だ。」
そうして、湊霞たちが寺院を出ようとするとあるパーティーが入り口に立っている。
「あっ!」
「あぁ。」
「「「「「ッ!」」」」」」
すると、パーティーの男子が湊霞に突撃する。残りの5人が警戒に入ったが、気づいた時には湊霞に肩を組んでいる。
「「「「「えっ!?」」」」」
「よっ、湊霞。やっぱりお前も来てたか。」
「やっぱり、来てたか。」
そう、この男性は知り合いどころか、元の世界では唯一と言ってもいい友達の雲雀 蓮也である。
「なら、俺たちの都市に案内するよ。道中でそれぞれのパーティーメンバーを紹介しよう。」
「あぁ、それと情報の共有もしておきたい。討伐しながらでいいよな。」
「あぁ。」
2人の流れるような行動に両パーティーメンバーは即座に理解した、互いに同類なのだと。
「まずは、俺からな。名前は雲雀 蓮也。湊霞の親友をしている。職業云々はあとから話す。それと、」
「天使長ブリュンヒルデです。アリス様、お久しぶりでございます。」
蓮也の近くを鎧を纏う天使が飛んでいる。30㎝程だが、キリリとした瞳はどこか威圧感さえ受ける。
「いや、ブリュンヒルデちゃんなんで居るの!?この世界で、プレイヤーに加護を与えるのは神の方で、天使は違うはずでしょ。それもそこまではっきりと顕現できているってことは、神の御霊と同等の力になってるってことでしょ。」
「はい、私は元々、蓮也に目をつけていまして、この機会に、私の魂の全てを彼に埋め込みました。」
「そっか、天使長クラスの魂丸々1つなら神の御霊程度に負けないわね。て、それじゃ、今地球にいる天使は誰が統率しているんだろう。ヤバい、これ私の責任問題とかないよね。」
アリスはどこか遠い所を見つめだす。どうやら、ブリュンヒルデは元の世界の天使の統率を受け持っていたえらい天使のようである。
「それと、この子が・・・。」
「ナギ・アワミじゃ。ソナタが蓮也の言うておった。湊霞かの?ナギは、見ての通り狐人族、それも長の娘じゃ。敬え。」
「・・・。」
「ちょ!?ちょっと待つのじゃ!ソナタ、どうして無言で剣に手をかけ、近づいてきとる。蓮也!止めよ。」
「ナギが偉ぶるからだ。湊霞はそういうのを一番に嫌うからな。」
「そ、そうなのか?それは済まなかったな、ソナタ。」
「・・・。」
「じゃから、なにうえ、無言で近づいてきている。謝ったじゃろ。怖いのじゃ、ソナタの瞳がとても怖いのじゃ。」
「いや、ナギ。言い方だ。」
「うぅ、ごめんなさい。」
「・・・良し。」
剣から手を離す。ナギは、尻尾を手で抱き、半泣き状態でトボトボと蓮也の影に隠れて歩く。
ナギは、銀色の耳と尻尾、ミディアムの垂髪をしている。身長は舞と同じくらいだが、舞にはない突起がある。
「はは、私はフェフス、ドワーフだ。こんな見た目だが、歳は蓮也たちと1つしか違わない。」
フェフスは、元気に答える。身長は120無い位で、ロングの赤髪をポニテにしている。低身長で可愛らしいが、その胸は全く可愛さを持っていなかった。なんと、凛と同じくらいあるのだ。腰も細く、凹凸がはっきりとしている。
(大丈夫か。蓮也は根っからの二次元ドワーフが好きな変態だぞ。)
そして、フェフスが目を引くのはスタイルだけではない。その手に持つ3mはありそうな巨大な鎚がとても、目を引く。
「それでは、次は私達ですね。湊霞さんは知っているようなので、私から、九条 凛といいます。歳は蓮也さんたちと同じですね。」
「はいはーい、鮫島 未来。歳は同じだよ。」
「・・・舞、星野 舞。」
「彼女も私たちと同い年です。」
「うちの学校の美女3人と一緒って、湊霞、お前いつからハーレムお、いえ、すみません。」
「それでいい。」
蓮也が最後まで言う前に、湊霞は蓮也の首元に剣を当てていた。さすがの蓮也もそこから続ける気概は無かった。
「次はぁ、私たちねぇ。歳は1つ上でぇ、双子の姉桐谷 詩乃よぉ。」
「妹の桐谷 美穂、よろしく。」
「また、美女。しかも双子の姉妹。湊霞お前、どうしたんだ。あんなに人付き合い出来ないやつが。」
「うっせい。」
蓮也は、母親のように涙を流すようなフリをしながら湊霞の肩を叩いた。湊霞は鬱陶しい感じで蓮也を引き剥がす。
その後も、それぞれで話しながらジャングルを進んだ。
「あんたの友達は、この世界のチートよ。」
「アリス、それは俺も思う。」
「俺からすると、この世界をかなり広範囲で探索済みなお前の方が、チート何だが。」
湊霞とアリスがチートといった理由は、蓮也のステータスにある。
ステータス
雲雀 蓮也(地球:人族)
職業(残り合計SP0)
下位剣使い(下位職)Lv25
下位鑑定師(下位職)Lv9
下位光魔法使い(下位職)Lv17
下位闇魔法使い(下位職)Lv16
下位風精霊使い(下位職)Lv13
調理師見習い(下位職)Lv25
武器鍛冶見習い(下位職)Lv12
道具鍛冶見習い(下位職)Lv13
スキル
上級
Lv2
鑑定
中級
Lv4
下位精霊魔法(風)
Lv3
中級魔法(光)
下位契約魔法
Lv2
中級魔法(闇)
レベルなし
魔力操作、思考強化、並列計算、並列処理、精霊視、気配察知、魔力感知、空間把握、魔力譲渡、痛覚耐性、環境耐性、精神耐性、腐食耐性、瘴気耐性、感覚共有、火属性耐性、水属性耐性、風属性耐性、土属性耐性
下級
カンスト
基本武術(剣)、身体強化魔法、下級魔法(風、光、闇、全)、魔力強化、攻撃力強化、命中率強化、自然回復強化(体力、魔力)、材料解体(弱)(料理、道具)
Lv9
防御力強化
走力強化
Lv8
効果向上(弱)(料理)
Lv7
基本武術(盾、槍)
効果向上(弱)(道具)
Lv6
基本武術(弓、拳)
精神強化
材料解体(弱)(武器)
Lv5
基本魔法(土)
五感強化
Lv4
基本武術(槌)
Lv3
下級魔法(火、水)
レベルなし
流剣、防剣、追剣、連剣、突剣、剛剣、散弓、貫弓、追弓、連弓、広弓、剛弓、流盾、反盾、蓄盾、殴盾、突盾、剛盾、流拳、波拳、蓄拳、連拳、突拳、剛拳、流槍、防槍、舞槍、連槍、貫槍、段槍、散槌、防槌、蓄槌、殴槌、広槌、段槌
生産(料理、武器、道具)
鉱石判定、採掘補助、彫刻補助、視力補助、素材鑑定、素材乾燥、操作補助、素材分離、比率合成、飲食判定、腐敗延滞、着火、集水、醗酵促進、味覚補助、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化
オリジンスキル
コモン
多種多様
孤高挑戦
ブリュンヒルデ:天使長
多種多様
下位ならLv25まで、中位ならLv40まで、上位ならLv60までしか上げられない代わり、それぞれの職で10個まで職に同時に就ける。また、等級が上がるとその分レアな職に就ける。
「いいことばかりじゃないぞ、みんながLv30や50で手に入る特典はもらえないからな。」
「だとしても、十分でしょ。」
「蓮也、こればかりはアリス様に同意だ。」
「だが、さっきから脳内シミュレーションを何千通りとしているが、湊霞との勝率が7割から増えねえ。」
「「えっ!??」」
その後も話を続けた。湊霞は、終始チーターに勝てる可能性を持つバグと神たちにジロジロと見られてた。
482〜494日目
湊霞たちがジャングルを抜けると、そこには反対岸が見えないほどの大河があり、真ん中に三角州が形成されていた。
「あの三角州の島の中央が都市なんだ、ようこそ俺たちの都市カグラへ。」
「かなり大規模の様ですね。何人程いるんでしょうか?」
「今は、3000人くらいじゃ。その殆どが、生産職じゃから、発展は著しいの。」
「おお。よく覚えていて、偉いね、ナギちゃん。」
「止めよ。頭を撫でるな、ソナタらの10は年上ぞ。」
「あっ、つい。」
未来たちがじゃれていると、島から屋形船のような赤い船がやってきた。話の通りかなりの発展が期待される。
「おっ、定期便が来たか。あれに乗るぞ。」
「綺麗な船だが、見た目と違って魔法で動いているのか。」
「あぁ、それも湊霞がよく知ってるやつが制作に関わってあるぞ。」
「あぁ、すぐにわかったよ。」
「まぁ、まずはナギの母親のとこに行こう。あっちについた時点で、早馬を送っておくから、時間は取らせない。」
「そうか。」
(正直、会うのは無駄だと思うが。蓮也がわざわざ会わせるんだ。何か得があるんだろう。)
「あの湊霞さんが、人と会うことを何も言わずに了承しています。」
「それだけ、信用しているってことだね。」
「・・・明日は、槍の雨。」
「本当にぃ、心配になりますねぇ。」
「あいつ、頭やったんじゃない。」
「あいつ、昨日おかしなもの食べてた?」
「みんなと同じのを食べてたのだ。」
「ニシシ、疑いたくなる気持ちは分かるがな。」
「僕も不安になってしまいました。」
「ふふふ、日頃の行いって大事ね〜。」
「酷い言われようだ。」
「嫌、湊霞、こればかりは俺も始めはそう思ってたぞ。仲良くなって慣れてきてるが。」
湊霞たちが島についた。船の乗り合い場は、赤の柱に黒い屋根のどこか、日本の五重塔を思わせる建物や色は和風だがどこか中世チックな趣のある建物が立っていた。道も奇麗に舗装され、かなり発展しているのが分かる。島はそれなりに大きいのか、移動に馬車を使っているものも見える。
「それじゃ、行こうか。ここから都市まで、歩いても2日位だから。」
「この三角州、かなり広いんですね。」
「あぁ、九条姉さん。蓮也兄さんが言うには元の世界の四国?って言う所と同じらしい。」
(それはでかいな、なら、これからも発展次第じゃ人が増えてくるし、かなり重要な場所になりそうだ。職人さんも多いだろうし、第三拠点にいいかもな。)
495〜496日目
真ん中に大きな塔のある都市に近づいてきた。
周りの建物も大きいが、それらと圧倒的な差を付けた塔が建っており、街は赤い雰囲気の黒屋根であり、日本風の街並みをしている。そして、遠目に見てはギリギリ分かるか分からないかだが、街を囲むようにバリアのようなものが張られているようだ。
「良し着いたな。」
「おーーーーーーーーーーい、湊兄ーーーー!」
遠くの方からショートの黒髪をサイドポニーにした女の子が湊霞に跳びついた。まさに、猛突進であり、レベルの上がった湊霞も受け止める際に少し下がってしまうほどの勢いである。
「俺も会えて嬉しいから、まずは降りて自己紹介してくれ、楓。」
「わかった。よっと、それじゃ私は華ノ宮 楓。湊兄の従妹になります。歳は湊兄の1つ下、そして、湊兄の子を産む女です。どうぞよろしく。」
凛たち全員が思った、ド級でヤバい子だと。出会い頭の自己紹介で、従兄妹同士でのラブロマンス、それも余りにも直球のものを話す女子に、湊霞とは別のヤバさを感じ取っていた。
「お、その紋様、楓も中級職についているのか。」
「うん、付与武器師。本当は錬成系の職に就こうと思ってたんだけど、湊兄が就くと思ったから、マギアナと話し合ってこれにした。」
楓は左のこめかみ辺りを指で指しながら、話した。『マギアナ』、楓の脳内に埋め込まれた楓の自作AIである。トップダウン型AIが主流であった元の世界では、空想上の技術であるボトムアップとトップダウンの併用型AIであるマギアナは、楓が小6の夏に自由研究にて、親戚の医者、技術者と共同開発したものだ。
そして、楓の首に稲妻を発したトンカチの紋様があり、こめかみから胸元にかけて模様が入っている。上から下に黒から赤のグラデーションに金と銀のラインが交差するように入っている。所々に、モンスターや原石の紋様も見られる。
「て、ことはその装備は自作か?」
「う~んと、武器は完全自作だけど、防具はベースを職人さんに作ってもらって、仕上げを私がしたよ。湊兄のは、自作?」
「あぁ、だが、俺もベースは職人さんに頼むことにするか。凛たちもそっちの方がいいだろ。」
湊霞が聞くと、5人は少しためらい気味に言った。
「私は、湊霞さんに仕上げやデザインをしてほしいです。」
「湊霞に作って欲しいかな〜。」
「・・・作って。」
「お姉さんも、お願いしたいわぁ。」
「あんたに作らせてあげる。」
「・・・わかった。デザインとかは俺の方で考えてベースを職人さんに作って貰う。そして、仕上げは俺の方で錬成で作る。」
まさに予想外だったのか、湊霞は少し戸惑いつつも、少し嬉しそうであった。そんな様子をニヤニヤしながらみる蓮也と驚愕と警戒、それと慈愛の目をする楓が見ていた。
また、この後に楓と蓮也も装備を作って欲しいとゴネられ、作る約束をした。
そこから塔に行く。塔の外見は円柱型の高層ビルのようであった。中に入ると真ん中の螺旋階段を登った。最上階に行くと、都市が一望できる部屋にやってきた。
そこには、ナギと同じ銀髪の長い髪と7つの尻尾を持った狐人族の女性がいた。
「ようこそおこしやした。わてがここの長をしとります。イナミ・アワミと申します。どうぞイナミと呼んでなぁ。それで、うっとこの都市どないやろ。」
「とても綺麗です。」
「ふふ、魔法使いん子おおきになぁ。」
「あっ、都市ももちろんですが、イナミさんもという意味です。」
「!嬉しいこと言ってくれはりますわ。」
「で、要件は?」
「か、湊霞さん。」「湊霞。」「・・・バカ。」
「湊霞くん。」「あんたね。」
「くく、相変わらずだな、湊霞。」
「流石、湊兄。」
The大人な色気を追求した体をしたイナミを前にしても、湊霞は全く変わらなかった。女性である凛たちでも頬を染めているというのに、湊霞は全く気にしてないのだ。
「!ふふ、面白いお方やね。でもね、あきまへんで、女性を急かしちゃ。世間話も大切な商談。これをおこたたら、どんなことですから。」
「必要ない。あんたはまだ、俺にとって気を効かせる価値を感じていない。」
「それは、寂しいわ。・・・では、本題といこうか。あんたら、わてにつかんかぇ。ここは、今ぎょーさん人を抱えてる。せやかて、その多くが生産を生業としとる。せやから、戦闘のできる者はせわしのうしとる。そやから、あんたらのような、強か者たちが手伝うとて欲しいんよ。」
「それで、俺にメリットは。」
「それは、言わんといてもわかるとちゃいますか?」
(あぁ、メリットはいやというほど分かる、が。)
湊霞は凛たちの方を見ると、全員が任せると手でジェスチャーをした。5人は完全に湊霞に選択を任せているのだ。
これに関しては、パーティー内での共通認識であり、特に要望がない際はすべてにおいて湊霞に任せているのだ。これは、信頼だけでなく、そうする方が湊霞との関係性が良好なものとなることをわかっているのだ。
「その話とてもありがたい。」
「ふふ、でも、そん顔でそん入りをするって事は。」
「ああ、イナミさんに仕えるつもりは無い。しかし、協力関係ならば、築きたいと思う。」
「協力関係?」
「ああ、この島の船着き場に俺たちの第三拠点を建築し、交友を許してもらえるならば、要請があれば、そちらに味方をする。拒否権ももちろん要求させてもらうが、基本は拒否するつもりは無い。また、こちらからの情報提供等の協力も惜しむつもりは無い。」
「う〜ん。そうやね、わとしては別にそれでも構わへん。そやかて、どないして協力関係に拘る?」
「ポリシーだ。」
「ふ~ん。それじゃ、そういうことにしときます。今日はおおきにな、また、遊びにおいでやす。」
その後、楓からおすすめの店を教えてもらい注文をした。数日で出来上がるそうだ。それと、拠点建築もしてもらうことにした。こちらも数日はかかるとのことだった。
そして、その日は楓と蓮也のパーティーでシェアしている家に泊まった。
497〜511日目
「湊兄、おはよう。凛姉たちは朝市を見に行ったよ。湊兄はどうする?」
「俺は、道具を揃えに昨日の商店街に行ったら第三拠点の建設予定地に向かう。そして、そのままジャングルの方で訓練兼レベル上げをするつもりだ。装備とかも拠点予定地の方に送ってもらえるように話しておいたから、それが届くまでは続けるつもりだ。」
「そっか、私はみんなの武器のベースを今日と明日で仕上げるつもりだから、それが終わったら湊兄の方に向かうね。」
「分かった。」
「なら、俺が一緒に行かせて貰う。」
「あっ俺も。」
「自分は楓ちゃんと一緒に後で合流するッス。」
湊霞たちが話していると、奥の方から蓮也と子犬サイズの青いドラゴンを携えた槍を持つ男性とベルトにたくさんのナイフをつけた角と尻尾のある魔人族の女性がやってきた。
人族の男と魔人族の女性は蓮也の残りのパーティーメンバーである。
男の方は、異世界の人族で、名前はクルワ。槍を使う召喚術師で、数が限られ中々召喚されないドラゴンを好んで契約している。青髪と髭が異世界の出身であることを教えてくれる。
女性の方は、夢魔の魔人族で、名前はミルティ。投擲と闇魔法を扱う小柄な女性だ。歳は具体的には教えてもらえてないが、このパーティー最年長らしい。白髮のショートボブで、中級職らしいが、紋様がお尻にあるため、そこから伸びる模様だけが確認できる。見える限りではへそのした辺りをピンクに太ももの内側に青でグラデーションがかかっている。
「クルワさん、あっちではお酒は夜だけですよ。」
「な!良いじゃねえか、ナギちゃんなんて水筒に清酒入れて持ち歩いてるんだぜ。」
「それでもです。それに、ナギは酔わないですが、クルワさんは酔うでしょ。」
「くっ、仕方ないか、レンヤに従うか。」
蓮也のパーティーはかなりの酒好きの集まりである。酒を常備して全く酔わないナギ、酒にめっぽう強く酔ってくると絡み酒をするフェフス、休日なら昼間から果実酒を嗜むクルワ、すぐに酔ってしまうがずっと飲み続けるミルティ。昨晩も飲めない湊霞たちにジンジャーエールのようなジュースを持たせた宴会だった。
「あっ、湊兄。これ、忘れる前に渡しておくね。この都市でのお金がチャージできるクラカード。」
「元の世界のデジタル通貨みたいな物か。」
「そうだね。単位はデルで、1デルは大体100くらいの価値だね。」
「そうか。」
その後、道具の準備を済ませると2日かけて拠点の予定地に着いた。すでに、関係者以外が入れないように仕切られており、簡易の作業場が出来ていた。
湊霞たちが近くまで来ると、胸元を大きく開いたシャツにつなぎを着たイケオジが、図面から目を離し、こちらに気づいた。
「お!坊主ども。」
「どうも、拠点は上手く出来そうですか?」
「おう、湊霞の坊主、当たり前だ。しかし、中々、大きいからなやはり、数日は貰いたい。」
「それは構わない。完成まではこのあたりでキャンプをしながら、魔物の討伐に毎日行くつもりだ、話がありましたら夜にでもテントを訪れてくれ。」
「おう、了解した。」
その後、3人は船でジャングルに向かうと連携を、軽く確認しながら、討伐を行った。戦闘の形は、蓮也が前でタゲ取りをしながら、数を減らす。湊霞とクルワがサイドから挟撃して倒す形だ。
湊霞の戦闘方法は、前とそこまで変わっていなかったが、前までは無かった属性とコアの効果の2つを同時に扱う武器を振るうようになったことだ。例えば、硬化剣と火炎剣を合わせた硬火炎剣だったりである。
蓮也の戦闘方法は、The万能、状況、配置、環境、自身のクールタイム、これらを敵、一体ずつで把握しており、ほぼ同時に5体以上の敵に行動を起こしている。
最後にクルワの戦闘方法は、契約をしているボルトフェザードラゴンの力を肉体に宿し、高速移動と槍による緩急のあるリーチによる攻撃を行っていた。また、投擲による槍投げで、遠距離にも対応していた。
いつもはYouTubeで活動してます。
この作品の裏話や挿絵、紹介動画なんかもしていくつもりなので、見に来てください。
https://www.youtube.com/channel/UC3wzuZXPJ0Izmji-vlTWgdg




