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神々が観る世界 神々に魅せる世界  作者: 朧華
成長と広がる世界
19/27

第1話 協力者の有用性

さて、久しぶりの追加の登場人物です。

初の地球以外のキャラは、この効率バカとうまく接することができるのか。

アリス、ツッコみ増えるといいね・・・。

203日目

 その日、湊霞(みなか)たちがワイバーンのレベリングから戻る途中、特徴的な耳と刈り上げたベリーショートな緑髪の女性のエルフに遭遇する。


「っ!貴様ら、」

「あぁ、任せた俺先に拠点に戻ってるわ。」「・・・」

「・・・はぁ!??」


 湊霞と(まい)は、スタスタと拠点に戻りだした。弓を構えようとしたエルフの女性も状況が読めていない。呆気に取られ、先程までの殺気が一瞬緩んでしまう。


「姉さん、大きな声でどうしたのって!ッ!人族!」

「アリアさん、ストップ!ストップです。気持ちはわかりますが、まずは話し合いからです。」

「そうだ、アリア、イリアも。それをしたら、アイツラと同じになる。お前たちの嫌う奴らと、だ。」


 後から出てきた。もう一人のエルフも槍を構え、殺気を飛ばしたが、一緒にいた栗色の髪が愛らしい小柄な子とオレンジの髪に帽子を被った高身長の女性が止めに入る。

 一応、臨戦体制と逃亡の構えをとっていた4人もそのままの姿勢で話を聞く。


「すみません、殺気放っていて、自分は田崎(たざき) 波留(はる)といいます。こっちが、」

木崎(きさき) 真奈(まな)!こっちの子と一緒で大学生だ。見た感じ君たちは年下だろ、いくらでも甘えてくれ。」


 小柄な子は仕草が一々愛らしい。しかし、その腰には長弓が装備されている。

 帽子の女性はキャスケットを被っており、トレインベストを着ている。かなりアウトドア好きのようで、引き締まったスタイルをしている。

 話し方、見た目から元の世界からの転移者であることに気づいた4人は、警戒を解きつつ、話を始める。


「いえいえ、私は九条(くじょう) (りん)です。高校一年生です。」

「私は、鮫島(さめじま) 未来(みらい)です。同じく高校一年生。」

「高校2年の桐谷(きりたに) 詩乃(しの)と。」

「双子の妹の美穂(みほ)よ。別に覚えてもらわなくていいんだからね。」

「そして、今、歩いていった男の子が同じ一年の華ノ宮(はなのみや) 湊霞(みなか)と。」

「同じ一年の星野(ほしの) (まい)だよ。なんか面倒な2人でごめんね。」

「いえ、こちらもあの対応でしたので。」

「この2人は、弓矢を持ってるのが姉のアリアで、槍を持ってるのが妹のイリア。2人は姉妹なんだけど、この世界に来たばかりのときにちょっと失礼な男たちと崖上で遭遇したみたいで・・・。」

「「あぁ~。」」


 凛と未来は、すぐに前にあった知人たちだと理解した。どうせ、エルフである事に気づき、ナンパ紛いのやり方で無理にパーティーに入れようとしたのだろう。2人は、嫌悪感を全く隠そうとしない。


「あいつらは確かに嫌な気持ちになる。」

「私たちの時も、下心満点だったもんね。なら、警戒するのは分かるよ。」

「とりあえず、4人とも拠点に来てよ。あの2人も拠点に向かってるみたいだから。」



 8人が拠点に向かうと湊霞が外で作業をしている。相変わらず、無駄のない動きで常に動き続けている。舞は見当たらないので、自室でゴロゴロしながらレベリングしているのだろう(最近は、マルチタスク鍛錬をよくしている)。なんだかんだで、メンバーの安全を気にして外での作業をする湊霞に呆れと喜びの失笑を見せる4人である。


「やってることは一緒でも、その行動に気遣いを感じ始めたわね。」


「な、」

「メリットでしょ。別に、ここでの仲間に加えよってわけじゃないよ、湊霞。」

「そうです。なので、デメリットはこの場所の露見だけです。その上での協力者の有用性は湊霞さんもわかるのではないのですか?」

「・・・、一旦考えよう。」

「ありがとうございます。」

「うちの子は、バグ少年の扱いに慣れたのだ。」

「何とも言えない成長だぜ。」


 エルフ姉たち4人は、その光景だけで湊霞が異常なのが良くわかる、仲間内の絡みがおかしいのだ。それと、しっかりとした拠点を目にし、驚愕と切望、警戒と多くの感情の入り混じる表情を見せる。


「それでは、話していきたいのですが互いに話したくない事もあると思うので、それぞれ、質問と回答で繰り返していきましょう。」

「わかりました。自分たちはそれで構いません。」

「まずは、私たちからみなさんはこの近くに拠点が在るのですか?」

「はい、この奥の大きな湖にあります。次は、自分たちですね。みなさんは全員で何人居るのですか?」

「わたしたちはここにいる6人だけだよ。」

「それでは、2つ目ですね。」


 その調子で、互いに情報を開示していく。主に話すのは、凛と小柄な子だ。

 情報開示を終えて警戒が薄まってきた所で、凛は本題へ入ろうとする。


「では、交渉に入りましょう。交渉に際して、互いに職を打ち明けませんか?」

「そうですね、こちらは下位弓使いと下位風魔法使い、下位水精霊使い、()()()()()()()ですね。」

「詳しく、話し合おう。」


 いきなり、湊霞が話に入ってくる(魔法を使いながら)。話をしてた全員が驚く。今の今までスキルレベルの上昇に集中していた男が話に割って入ってきたのだ、それも前のめりに。その動きは、まるで肉を目にしたライオンのようである。


「えっ!えっと~。」

「こちらは、下位弓使い、下位土魔法使い、下位光魔法使い、下位拳使いだ。」


 小柄な子が戸惑って、話してた凛の方を向くとこの状態になったら止められないと諦めのようなジェスチャーをする。わかっているのだ、無駄だと・・・。

 そうすると、エルフ妹が前に出て来る。たれ目がちの鋭い目を、湊霞に向けるそれは、カエルをにらむ蛇のよう。


「わかったわ、私が交渉をする。所で、6人いるのに4人の職しか開示しないのはどうして?」

「あんたら、後2人仲間が居るだろ。」

「っ!良くわかったわね。」

「どう考えても、前衛が少なすぎるし、唯一の前衛であるあんたは、装備が軽装備過ぎる。そこの大学生女性は生産職っぽいからな、前衛は無い。つまり、通常時は専門の前衛がいるってことだ。」

「なんで?2人だと思ったの。」

「パーティー化が適用されるのは6人だから、ほぼ勘だ。」


 何度も言うが、湊霞は頭が悪いわけではない。効率を考えて、脳のリソースを意識してるだけである。その観察眼、情報収集能力、分析能力、そこから導き出される予測は、加護を与えている神々の目から見ても異常そのものである。


「いいわ。それじゃ、交渉よ、そちらは最低で何を求めているの?」

「道具作成の依頼。」

「そう、それであなたたちが提供できるものは?」

「多種多様で大量の素材だ。」

「そう、私たちからの求めるものは、技術提供と情報よ。」

「技師は拠点作りだろ。情報はエリアボスとレベリングだな。」

「そうよ。」

「なら、互いに狩り場の共有をしよう、元々の狩り場は優先権をもたせた状態で。」

「あなた達のほうが、狩り場は広い。優先権があるとはいえ、デメリットが多いわ。手に入れた素材は5:5にしてあなた達にあげるわ。」

「いや、7:3で俺たちが3割貰う。俺たちがそちらの狩り場を使う際も3割をあんたらに渡す。その代わり、あんたらの狩り場の改造を一緒に行わせて欲しい。効率を上げたい。」

「わかったわ。その代わり、この話し、数日のお試し期間を設けて欲しい。」

「なら、あんたらの残りメンバーの到着までにしないか?」

「わかったわ。」


 湊霞とエルフ妹は他のメンバーを置き去りに2人でマシンガントークの打ち合いで一気に決めていく。


「ニシシ、あのイレギュラーと張り合っている。あのエルフっ子。」

「でも少し、疲れが見えます。」

「ふふふ、無理もないわ。」


 ここでわかった。情報を整理する。


エリア

湖の奥は低木の雨林

雨林には荒廃した近代都市

湖の北西には山に囲まれた廃坑

更に北に雪原のある台地

南の崖上には低木の林


エリアボス

雨林にカエル、ジャガー

廃坑に各種ゴーレム(ダイヤ、金、銀、石)

雪原に兎、クマ

低木の林にティラノサウルス



 その後、4人は自分たちの拠点に戻っていった。ここで、6人のステータスは次のようにないる。


ステータス

華ノ宮 湊霞(地球:人族)

職業:下位錬成師(下級職)Lv35〈残りSP0〉

スキル

上級

Lv3

鑑定

中級

レベルなし

魔力操作、魔力感知、自然再生

下級

カンスト

下級錬成魔法、下級魔法(全)、基本武術(剣)、身体強化魔法、体力強化、攻撃力強化、防御力強化、走力強化、命中率強化、精神強化、五感強化

レベルなし

流剣、連剣

下級スキル効果向上、魔力強化(開放)、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化

オリジン

コモン<創生回帰><無限進化>

アリス:創造神


九条 凛(地球:人族)

職業:下位土魔法使い(下級職)Lv32(残りSP1)

スキル

中級

Lv4

中級魔法(土)

レベルなし

魔力操作、並列計算

下級

カンスト

下級魔法(土、全)、体力強化、魔力強化、自然回復強化(体力、魔力)、命中率強化

Lv9

攻撃力強化

Lv8

防御力強化、走力強化、精神強化

Lv7

五感強化

レベルなし

下級スキル効果向上、下級魔法強化、状態異常耐性(毒、麻痺、睡眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化

オリジン

コモン<魔法書簡>

ガイアラ:大地神


鮫島 未来(地球:人族)

職業:下位弓使い(下級職)Lv33(残りSP2)

スキル

中級

レベルなし

気配察知

下級

カンスト

基本武術(弓)、体力強化、魔力強化、攻撃力強化、走力強化、命中率強化、五感強化、自然回復強化(体力)

Lv9

防御力強化

Lv8

基本武術(剣)

Lv7

自然回復強化(魔力)

レベルなし

散弓、貫弓、追弓、連弓、広弓、剛弓、流剣、連剣

下級スキル効果向上、基本武術強化、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化

オリジン

コモン<効果干渉>

アルミス:狩猟神


星野 舞(地球:人族)

職業:下位召喚使い(下級職)Lv31(残りSP2)

スキル

中級

Lv5

下位契約魔法

Lv4

召喚魔法

レベルなし

感覚共有、思考強化

下級

カンスト

下級魔法(全)、魔力強化、攻撃力強化、命中率強化、五感強化、自然回復強化(魔力)

Lv9

精神強化

Lv8

体力強化、走力強化、自然回復強化(体力)

Lv7

防御力強化

レベルなし

下級スキル効果向上、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化

オリジン

コモン<召喚合成>

テミス:契約神


桐谷 詩乃(地球:人族)

職業:下位光魔法使い(下級職)Lv29(残りSP0)

スキル

中級

Lv3

中級魔法(光)

レベルなし

痛覚耐性

下級

カンスト

下級魔法(光、全)、身体強化魔法、魔力強化、自然回復強化(魔力)

Lv9

基本武術(剣)、防御力強化

Lv8

基本武術(盾)、体力強化、攻撃力強化、自然回復強化(体力)

Lv3

走力強化、命中率強化

Lv1

五感強化

レベルなし

防剣、剛剣、流盾、反盾、蓄盾

状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化

オリジンスキル

コモン<願望昇華>

カスティ:混沌神


桐谷 美穂(地球:人族)

職業:下位拳使い(下級職)Lv30(残りSP4)

スキル

下級

カンスト

基本武術(拳)、体力強化、攻撃力強化、走力強化、五感強化、自然回復強化(体力)

Lv7

身体強化魔法、防御力強化、精神強化

Lv6

命中率強化

Lv5

魔力強化、自然回復強化(魔力)

レベルなし

流拳、波拳、蓄拳、連拳、突拳、剛拳

下級スキル効果向上、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化

オリジンスキル

コモン<自己世界>

ティプオネ:復讐神


魔力強化(開放)

 魔力を扱うたびに魔力量が成長する。増加量には個人差がある。


下級魔法強化

 下級魔法の効果を強化する。


基本武術強化

 基本武術スキルによる武器の扱いがかなりうまくなる。


「鑑定スキルが上がって、人を目視で鑑定できるようになっていたな。」

「とはいえ、かなり制約はあるわ。」


 一応、今日あった4人を鑑定したところ、


ステータス

アリア(コルパ:エルフ)

職業:下位弓使い


イリア(コルパ:エルフ)

職業:下位風魔法使い


田崎 波留(地球:人族)

職業:下位水精霊使い


木崎 真奈(地球:人族)

職業:道具鍛冶見習い


 わかるのは、名前、種族、職業のようだ。


(「まず、下級職で上級スキルがレベルアップしているのが異常なことを理解してほしいわ・・・。」)



204〜209日目

「今日からはまず、交渉相手たちの拠点に行き依頼をして、そのまま雨林のエリアボスのレベリング化していこう。そして、帰りに依頼したモノを受け取ってここに戻って来る。」

「湊霞、他のエリアボスもレベリング化する?」

「いや、一先は雨林の所だけだ。他はここから遠いからレベリングに効率が悪い。」


 その後、湊霞たちはエルフ妹たちの拠点に向かって、外でラジオ体操する帽子の女性に凛たちが素材と依頼のメモを渡す。因みに、地球出身の二人がラジオ体操、コルパ出身のエルフ姉妹は互いに演奏をしては、舞踊を踊っている。


メモ

アイテムボックス×10

アイテムポーチ×8

万能ツール×6

肌着×18

下着(ブラ)×10

下着(パンツ)×12

シャツ×12

ズボン×12

外套×6


「これを作るのはいいけど5日で済ませるのは大変なんだよ。なにか、こちらにメリットがほしいね。」

「なら、帰りにここに寄った時にこの拠点の一部改修なんてどうでしょう。」

「おっ、なら風呂をお願いしたいね。やっぱり、日本人として、清潔にできないのは辛い。それにここは、そっちと一緒で若い女性が多いからね。」

「なら、アイテムボックスをもう一つ余分に作っておいてください、帰りに錬成してくれるように湊霞さんにお願いしておきます。」

「わかった。」


 凛が女性と話していると、エルフ妹が近づいてくる。汗を拭い、袖をまくり上げた姿では刺さる人には刺さる姿だろう。エルフ妹を確認すると湊霞が間に入る。


「おはよう。早速来たわね。狩り場の許可かしら?」

「あぁ、それと依頼だ。」

「わかったわ。どこをどれだけ?」

「雨林のカエルとジャガーを5日間。ついでにレベリング化もしておくつもりだ。」

「了解。どんな風に改造するか、少し見に行くかもしれないわ。」

「わかった。」

「あの湊霞が、交渉に入るって、・・・。」

「イリアさんは、湊霞さんに一定の警戒を与えたんでしょうね。」

「交渉上手だったものねぇ。」



 その後は、教えられた場所まで歩いていく。着いた時には夜になってたため、近くでキャンプと明日の会議を行うこととなった。


「まずは、カエルですけど明日はどうしますか?見た限りでは、ボス以外のお供はそこまで大きくはないようでしたが。」

「それでも、異常なでかさだったわね。まぁ、ビビッてはないけどね。」

「さっき、確認したが名前は魔物・マッドフロッグ、お供は2種類ゲザーフロッグとコンフィクションフロッグだった。ボスは弾力性が高く、多分だが物理攻撃は、一点集中させたものしか効きにくいだろう。一発で鑑定できたことから、レベルは低いと思う。」

「・・・数はそれぞれ50匹と4匹。」

「いや、めっちゃ居るじゃん。カエルがでかいってだけで十分きもいのに。」

「これはかなりぃ、面倒くさそうですねぇ。」


 確認したボスは12mの巨体であり、お供もそれぞれ70ⅽm、2mで、十分に化け物である。見た目は、ボスが元の世界のゴリアテガエル、お供がそれぞれ、ミドリガエル、黄色と白のヒキガエルのようだ。


「そこで、チームを完全に2つに分ける。俺、未来、舞の雑魚狩りチーム、凛、詩乃、美穂のボス狩りチームだ。まず、俺たちのチームだが、舞の召喚獣をゲザーフロッグのタゲ取りにして、その間に未来はコンフィクションフロッグを殲滅する。俺は、うち漏れたゲザーフロッグの足止めを請け負う。」

「OK。」「・・・わかった。」

「凛チームは詩乃がタゲ取りを、美穂が遊撃を、凛が指示役と攻撃を請け負ってくれ。ないと思うが、凛の攻撃も通じなかったときは、こっちが終わるまで、時間稼ぎを頼む。」

「わかりました。」「はぁ~い。」「やってあげる。別にあんたに言われたからじゃないわ。」

「もう誰もツッコまない・・・。話の間ずっと探検で投擲の練習をする湊霞を・・・。」

「アリス様が遠いところを見ているのだ。」

「常識人が、少しずつ少年に毒されて、味方が減ってきているからだぜ。」


 そして、それぞれのチームは移動をして、戦闘が始まる。



湊霞サイド

「まずは、コンフィクションフロッグからだ。舞はランドでゲザーフロッグ30体を抑えてくれ。残りは請け負う。」

「・・・わかった。『召喚合成』『契約:開』!」

「ブォ。」


 舞はランドを呼び出すとタゲ取りを行う。ライドは、咆哮を上げる際、防御上昇と敵へのデコイの効果を与える。薄黄色のオーラにライドが包まれる。これは、ライドの新たな特性であり、湊霞との話し合いで覚えた能力である。


「未来は、コンフィクションフロッグを早急に倒してくれ、多分だが、ボスと同じで打撃に耐性があるはずだ。貫通力を持たせて高火力で押し切れ。」

「了解、『効果干渉:貫弓』『剛弓』、カエル狩りの始まりだぁぁぁ!」

「俺も始めるか、『身体強化』『創生回帰』『錬成』『火炎剣』×2。」


「ゲゴ、グぅ・・・。」


 長年のゲーム経験からカエル系魔物の特性を予測、それを全員で共有する湊霞、それを元に一撃必殺を狙って未来は、よく引いた弓を射る。放たれた矢は、カエルの皮膚で抵抗を受けたものの、渦巻きに発光する両目の眉間に深々と刺さる。完全にカエルは静止し倒れこむ。しかし、その瞬間、未来は木の上で覚束ない足で、踏み外しそうになる。


「良し、1体終了!次は、あ、あれ?視界が歪んで・・・。」

「どうしたんだ?コンフィクション・・・まさか!?」

「・・・混乱した。」

「今までも錯乱効果を持つ植物や魔物はいたが、ここまで強力なのは初だな。未来、木の上だと危ない、一旦、下に降りて回復に努めてくれ。」

「OK、くっ!視界が・・・、酷い乗り物酔いしたみたい。」


 未来はおぼつかない足取りで着地するとヨロヨロとその場で膝を着く。ぐったりとしたその姿は、まさに乗り物酔いをした人間のものである。

 薬の製作を怠っていたのをここに来て、湊霞は後悔する。


(くそ、効率的にスキルを上げるために手作りの調薬を怠ったのが響いたな。)


「ちっ、こっちも20体相手してて、手が空かないのに。『流剣』。」

「・・・任せる。・・・『ファイア』!」


 舞は下級魔法で炎を出すと未来の背後にスーッと回り込む。

 目を回す未来の首筋に、手に出した炎を近づける。ジリジリ・・・。

 下級魔法は、熱はある為、近づけられた未来は、勢いよく飛び跳ねる。因みに、舞のスキルレベルが上がっているため、普通に滅茶苦茶熱かったりする。例えるなら、キャンプファイヤーをまじかに感じる様なものである。


「っ!!?アッツ!・・・あ、あれ。だいぶスッキリした。」


(なるほど、スキルによる混乱なら、強い感覚で上書きが可能なわけか。)


「・・・壊れたら、叩く。そして、直る。バカ用に考えてたのが上手くいった。」

「めっちゃ熱くて、文句言いたいけど助かったよ、舞。『剛弓』、疾風矢!」


「ニシシ、舞ちゃんは、少年用によくあぁいうの考えているもんね。」

「あのこも湊霞と交流を持つようになったわね。」

「というか、一番毒されていると僕は思います。」


 未来は再度コンフィクションフロッグを狙う。今度は瞳をみないようにして心臓部に、螺旋状に風を纏う矢を突き刺し、仕留める。かなりの抵抗を感じつつも、疾風矢でゴリ押す。


「あと2体、『効果干渉:剛弓』『追弓』!そんでもって、矢は特別製の炸裂矢!」

「こっちも集中しないと、こいつら小さいがエグい数と再生力でゴリ押ししてきやがる。『創生回帰』『錬成』『火炎玉』。」


 未来が、コンフィクションフロッグを倒す傍ら、湊霞もゲザーフロッグを減らそうとするが、傷を負うと後ろのやつと替わり、回復する。そんな数のゴリ押しを食らっていた。ゾンビ戦法の脳筋連携だが、異常な数と回復力が、この戦法を成り立たせている。


「・・・ウィー、追加投下。本当にGみたい。気色悪い。」


 舞も、ランドが壁役をしているとはいえ、一撃で絶命させられるほど、通常攻撃に火力が無いため、ゴリ押しにやられていた。


「『追弓』!よし、あと1体。って、あいつ、湊霞の方に行こうとしやがる。こちとら、クールタイムで、剛弓と貫弓にまだ効果干渉出来ないってのに。『効果干渉:連弓』『散弓』!」


 ボヨヨヨォ~ン。

 未来は、広範囲攻撃をするが、やはりパワーが足りず、皮膚に弾かれる。順調に倒していたため、勘違いしているが、未来の出せる最大火力、もしくは、疾風矢も合わせた剛弓でしか貫けないほどの、完璧な物理耐性を持っているのだ。


「ちっ、やっぱり火力が。」

「っ!未来、交代だ。この20体はそこまで、火力を必要としないはずだ。俺がコンフィクションフロッグを殺る。」

「りょ!『散弓』、炸裂矢×20、矢の雨じゃぁ!!」

「一気に決める!『創生回帰』『錬成』『火裂剣』×2『剛剣』!」


 湊霞は、周りにゲザーフロッグが居るのに大きく構えをとる。フロッグたちが襲いかかろうとすると、湊霞に攻撃が当たる寸前で、未来の矢の雨で貫かれた。フロッグたちの絶命を確認する前に、湊霞は地面を強く蹴り出す。

 近づいてきてたコンフィクションフロッグに一瞬で肉薄すると真正面からぶった斬る。まさに、一閃、一太刀で切ったのだ。


「良し、後は舞の方だ。『創生回帰』『錬成』『火炎剣』×2。」

「殲滅戦だ!『効果干渉:追弓』『散弓』。」


凛サイド

「かなり、足場が悪いので、足を取られないように注意して下さい。」

「『身体強化』『蓄盾』!」

「やったるわよ、『身体強化』『連拳』!」


 詩乃が敵のヘイトを買う動きをし、美穂は連撃を横から加える。

 ぼよ~〜ん、ぼよ~〜ん。

 しかし、そのこと如くが通じない、厚い脂肪は打撃をまるで水面のように受け流す。


「ちょっと、こいつ、打撃が予想以上に効かない。」

「美穂さん、一旦引いて下さい。『魔法書簡:開帳』『サンドストーム』。」


 やはりマッドフロッグも打撃に対する耐性がかなり高く、美穂の連打を完全に無効化していた。予想していたとはいえ、ここまで無意味とは思っていなかったのだ。

 さらに、剣で切りつける詩乃の攻撃もその厚い脂肪に阻まれて、決定打となる攻撃ができないようだ。


「どうしましょう。湊霞さんたちの助力はすぐには期待できませんし。」

「さっき、攻撃した感じ突拳か剛拳なら行けそうな感じだったけど、溜めがあるし、削りきれそうに無いのよね。それに時間を掛ければ、不利なのは私たちみたいだし。」


 先ほどからボスの周りをオーラが灯り始めていることで、美穂は何らかの永続バフを警戒する。


「ならアイアンサンド系の魔法をするので、時間を稼いで下さい。」

「う~ん。なら私の方でもやれることをするわ。お姉!私の攻撃の後の隙を必ず守ってね。」

「??何かわからないけど、わかったわ。『反盾』!」


 詩乃がマッドフロッグを弾き飛ばす。美穂は、軽くジャンプを繰り返して、身体の動きを確認すると。しっかりと構え直す。


「行くわよ。『自己世界:フィールドバック集積』『身体強化』『突拳』!」


 美穂は全身に自己世界を纏った状態で突っ込んでいった。オーラは膨れ上がり、走り出した美穂はまさに矢のように鋭く、紫電のように素早く距離を詰める。

 美穂には、凛の魔法では削り切れないと判断しての手である。


「グゲェェェ!!!!」

「『剛拳』『突拳』『剛拳』『突拳』『剛拳』『突拳』・・・!!」


 美穂は通常、使った後膠着状態になる特殊武術を連続使用した。しかし、かなり無理があるのか、汗がいつもより出ているし、少し目が充血し始めた。確実にボスにダメージが入っているようだが、美穂にもかなりのフィールドバックが来ているようだ。


「美穂ちゃん!?『キュアタイム』!」

「あれは、どのぐらい続くのでしょうか?」

「わかんない。今まで見たこともない。」


「あれは確か、こっそり実験してたオリジンスキルの利用法だったはずです。」

「そういえば、桐谷姉妹はあまりオリジンスキルを戦闘に使ってないのだ。」


 その後、美穂は突然その連打を止めすぐに身体全体が制止する。直後、可視化出来るほどの魔力が渦を巻いて溢れ出し、その場に倒れこむ。

 そこへ、辛うじて息のあったマッドフロッグはフラフラしながらその舌で、美穂を攻撃をしようとしたが、それは詩乃が止める。


「無理しちゃって、美穂ちゃん。後で説教よ。」

「いい加減死になさい、・・・切り裂け砂鉄の矢よ!『アイアンサンド・アロー』!」


 凛の生みだした砂鉄の矢は、振動してカエルの脳天を貫く。



 次の日、湊霞たちがレベリング場の試運転をしているとエルフたちが訪れる。


「おっ、やってますね。調子はどうですか?」

「あぁ、お陰様で。・・・。」


 湊霞は、何かを訴えるようにエルフ妹を見定める。


「ふふ、別に違約はしてませんよ。」

「まっ、いいですがね。凛、ここの使い方、教えといてくれ、俺はジャガーの準備とここの最終調整する。」

「わかりました。」


 その後、凛はレベリング場の使い方を教えた。主なものとして、こちらに有利な地形作り(丈夫な高台)と、ボス出現箇所への罠(麻痺毒を塗ったトラバサミ)である。放置によるレベリングではなく、どれだけ最短で終えるのかを追求した。エリアとなっている。


「なるほど、これはやり返されましたね。いえ、元々そのつもりでしたが、こちらもやったためお会いこの様になったという感じでしょうか。」

「本当、イリアもあの少年も、人をうまぁ〜く騙そうとしていますね。」

「姉さん、騙せない人より、騙し合える人のほうが、信用が置けるものですよ。」

「いや、私はさらけ合える中の方が信用が置けます。」

「それには、私も同意ですよ、アリアさん。」


 湊霞とイリアは互いに騙したのだ。イリアは自身たちが攻略していなかったエリアボスを教えており、湊霞たちの攻略を押し付けたのだ。それに対して、湊霞は補充が必要であり、罠の再設置に錬成が必要になるものを用意した。

 これにより、湊霞たちはイリアたちが攻略ができていないボスを倒して、倒しやすくする。イリアたちは、ボスを倒し続けるために湊霞への対応を意識しないといけなくなったわけだ。



 そして、湊霞たちは周辺の調査の後、次の日にジャガーの元について作戦会議を行う。


「ジャガーだが、名前は魔物・ジオジャガー。ボスの1体だけだったが、周りの地形が異常に整えられていた。」

「つまり、地形操作系の敵の可能性があると。」

「あぁ、それにかなり高レベルかもしれないな、数回鑑定を繰り返して、やっと名前を確認できた。」

「それで、どう戦うの?あんたのことだからもう決まってるんでしょ。」

「あぁ、今回は高火力の一撃必殺で行く。タゲ取りは変わらず、詩乃。遊撃は俺がやる。美穂はまだ、本調子じゃないようだから、今回は周辺警戒だ。」

「わかったわ〜。」「しょうがないわね。こんな状態じゃ。」


 美穂が手を突き出すと少し小刻みに震えている。まだ、自己世界と特殊武術の連続使用の疲労が残って、通常は数秒の膠着がまだまだ、続いている。


「凛は、魔法を準備しながら、後方組の指示役を頼む。3人のタイミングと敵の隙を見逃さないようにしてくれ。」

「わかりました。」

「未来は限界まで溜めを着けて、剛弓をしてくれ、効果干渉を使えば、かなり高火力まで引き上げられる筈だ。」

「OK。でも、そうなると弓にかなり負担になるから連発はあまり、期待で来なさそうだね。」

「それでも構わない。舞も、できるだけ高火力で頼む。」

「・・・わかった。」



 その後、戦いが始まる。ボスの近くに詩乃、数m離れたところで湊霞、数百mの所に凛たち3人と周辺警戒の美穂の順番で構える。


「『身体強化』『蓄盾』!」

「『身体強化』『創生回帰』『錬成』『火炎短剣』×2。」

「周辺に他に敵の気配は無いわよ。」

「『魔法書簡:開帳』!」

「『効果干渉:剛弓』(溜めが多いほど火力が上がるようにして)!」

「・・・『召喚合成』『契約:開』。ガブンド、チャージ。」


「グルぉォぉォぉォぉォぉォぉォぉォ!!!!!!」


 未来は、『魔法書簡』で周囲に程よい足場を用意すると長時間の詠唱に入る。未来は目一杯弓を引く。舞は、ランドとガブを合成した召喚獣にブレスの準備をさせる。

 ジャガーが、咆哮をするとその毛の一部が緑と黒に発光、周りの木の根が動き出した。それはまるで生きているようにうねり、詩乃、湊霞を狙う。


「やっぱり地形操作か。詩乃は本体に集中。俺が、根の方を担当する。」

「わかったわ。『キュアタイム』!」


 光に包まれ継続回復のオーラを纏った詩乃は、ジャガーとの距離を詰めようと走り出す。湊霞は、詩乃に近づく根を錬成した『火炎短剣』を投擲する。短剣は、根に接触後、柄に仕込んだボムベリーとカネツ石、パンプランを合わせた爆発玉が炸裂する。


「グルがぁっぁァァぁぁぁぁ!!」


 ジャガーがもう一度咆哮する。すると、咆哮は半透明であり、空中に留まると半透明の足場がとなって漂う。


「これは、もしかして空間系か。」

「逃さないわよ。」

「『創生回帰』『錬成』『疾風鎖分銅』。あぁ、木の根が鬱陶しい。『火炎短剣』。」

「動きを止めるわよぉ。・・・光の鎖よ、我が目の前の闇を捕らえよ『ライトバインド』!」


 光の鎖が右前足を、湊霞の回転する鎖が左後ろ足を捕える。近くの根は、錬成と同時に蹴り飛ばした短剣を延焼させて、焼き払う。しかし、焼き払われた部分は瞬時に回復を始める。湊霞は、再生で止まった隙に、移動する。それは、軽やかな未来のパルクールとは違い、あまり飛ばないように地面を走り抜けるものである。


「そこでジッとしときなさいぃ。『剛剣』!」

「そういうことだ。『創生回帰』『錬成』『疾風鎖分銅』。」


 湊霞はさらに移動先から左前足を拘束する。詩乃は、抵抗を見せたジャガーの脇腹に一撃を入れる。

 ジャガーは近づいてきた詩乃をかみ砕くように、体をねじる。


「させないわぁ。・・・我が光『ライト』!」

「『創生回帰』『錬成』『疾風鎖分銅』。後は、再生した木の根の処理だ。『火炎剣』。」


 ジャガーは目を眩まして、怯む。その隙に、湊霞は残った足に鎖をかけ、地面にさす。

 全ての足を縛られたジャガーは、空中の足場からも落ち、地面で大きく暴れまわっている。まさに、背水の陣、魔法を使い、手当たり次第に暴れる。木の根がズドンズドンと叩きつけられる。


「!準備できました!」

「いつでもイケるよ。」

「・・・チャージ完了。」

「詩乃、準備。」「待ってたぁ。」


 3人の声を聞くと湊霞も詩乃も近くの根を薙ぎ払い、溜めの構えを取りながら走り出す。今尚、暴れまわるジャガーの距離を詰めるための隙を伺いつつ、木の根を躱す。一撃もらえば集中砲火を食らう、ギリギリの緊張状態が2人を包む中、ジャガーの右前足の鎖が抜け、ジャガーの動きに乱れができる。

 一瞬の隙、しかし、二人はそこを見逃さない、常に一息で距離を詰められる位置を動き続けていたのだ。


「『創生回帰』『錬成』『火裂剣』×2「『剛剣』!」。」

「ググゥ!」


 2人の同時攻撃で、ジャガーは大きく弾かれ、準備していた3人に対してその大きな脇腹を見せる。


「今です!・・・貫け『アイアンサンド・ブレイク』!」

「『強化剛弓』『炎裂矢』!」

「・・・『ブレス・ストライク』!」


 3人の最大火力が一筋の光となってジャガーを捉える。3人の最大火力、それでも貫通することは無く、しかし、脇腹を突き刺し、心臓部分を的確に抉る。三人の攻撃の通った場所は、根が貫かれており、地面さえ少しえぐれている。


「本当に、今回のは強敵でしたね、私たち3人の高火力なんて、一度も使ったこと無いですよ。」

「確かに、大抵、凛と舞の合わせた火力でどうにかなるもんね。今回は、私たちの3人に更に隙を作るために、湊霞たちも火力出してたし。」

「・・・今回は、5人でもギリギリ。」

「3人とも、話してる間にあいつ、もう作業を始めてるわよ。」

「今回は私と一緒にぃ、ずっと足止めしてたから疲れてると思ったんだけどねぇ。」


 その後、6人で作業を終える。しかし、レベリング化しても、時間は余り短縮できなかった。まず、ボスが強すぎるのもそうだが、地形操作が折角の有利に整えた地形を壊すのだ。


魔物・ジオジャガーLv42

 中規模エリアボス。風と土に少し空間の属性を持つジャガー。地形を操作した多角攻撃が得意で、魔法も物理もバランス良く使える。リポップでのみ出現し、一日でリポップする。


ジオジャガーの瞳

 死後に硬化していき、少し空間属性の魔力を宿したアメジストになる。加工は難しくないが、少量しか手に入らない。


ジオジャガーの皮

 鞣す事で星空のような色を出す。魔法攻撃への耐性が高く。加工は難しい。


ジオジャガーの牙

 黒曜石のように黒光りする20cm程の牙。風と土の魔力を宿していて、魔法効果が高い。加工は難しい。


風土魔石・(レア)

 拳大の風と土の属性を含んでいる魔石。また、少し、空間の属性も含む。



 その後、帰り際にイリアたちの拠点に寄ってみたる。真奈が外で物作りをしており、その手には半透明で白色をした子鎚が握られ、まさに最終調整の最中のようである。


「依頼した物はできたか?」

「あ、あぁ、出来たよ。かなり急ピッチだったが。言われてた通り出来た。」

「良し。なら、風呂はどこに設置したらいい。」

「見たところ、ここは、沖縄と同じくらいの広さがありそうですね。野生の魔物も居そうです。」

「ああ、私たちの拠点は西の端にあるこの拠点と、隣の島が拠点なんだ。島の方に作ってくれ。」


(こっちはダミーで、あの島が本拠点ってわけか。)


「わかった。アイテムボックスを一つくれ。」

「あいよ。」


アイテムボックス(C)

 設置することで同種の素材などを99個、45種類分収納が可能。時間経過がある。生物は収納できない。


シャワーボックス(D)

 火のコアを使ったアイテムボックスの亜種。約2kLの水を貯蔵し、魔力を通すことでお湯になる。コアは30回ほど使用すると交換が必要。


「おお。」


 錬成すると、湊霞はさっといなくなる。しょうがないと呆れつつ、未来が説明に入った。


「後はこれを取り付ければ、取り込んだ水をお湯として取り出せます。貯蔵量が増えているようですので、湯船を用意すれば、湯に浸かることも出来ると思いますが、温度はそれほど高くはなりません。湯船を用意したのなら、また、改良も出来ると思います。」

「なら、次来るまでには用意してるよ。」

「わかりました、これは次の依頼だそうです。ただ、こっちは急ぎじゃないそうなので、無理のない速度で大丈夫だと思います。」

「わかったよ。今回みたいに帰りに設備を改良してくれたら、色々サービスするよ。」

「そう伝えておきます。」


メモ

アイテムボックス×20

アイテムポーチ×6

矢(できるだけ多く)

肌着×12

下着(ブラ)×6

シャツ×6

ズボン×6

包帯×18


「待ちなさい。」

「おお、イリア。どうかしたのか?」

「勝手に交渉しないの。特に、あの男が近くにいるときは。油断できない相手なんだから。」

「まぁまぁ、いいじゃないか。湊霞くんも、互いに利になる交渉をするって、イリア、言ってただろ。」

「そ、そうだけど。」


 その後も、交渉はつつがなく済ませる。湊霞は、交渉には参加せず、依頼した品の確認、錬成をしていたが、メモに交渉内容が書かれていたので、話は聞いていたようである。


「なんであんたは、普通に聞けないのよ・・・。」

「無駄、任せていい作業は任せる。それが、仲間だろ。」

「・・・」

最後の湊霞の『仲間』発言はたぶん意味を勘違いしている。

アリスはそれに気づいているっぽいね・・・。


いつもはYouTubeで活動してます。

この作品の裏話や挿絵、紹介動画なんかもしていくつもりなので、見に来てください。

https://www.youtube.com/channel/UC3wzuZXPJ0Izmji-vlTWgdg


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