第9話 彼女たちとの関係改良
関係・改良・・・。
これは新たな展開の予感。
73 〜85日目
「それにしても、3人はこっちに来たんだな。俺としてはどっちでもい「「良くない(です)。」」・・・そうか。」
「・・・アイツラは、クズ。醜い心がよく見える、ドブ。」
「それに、これまでで湊霞はとても安心できる人だって分かってるし。」
「この様な世界では、人間間の安心はとても貴重だと思いますので。」
「何気に、評価が高いわね、あんた。」
湊霞は3人からの意外な評価に驚きを隠せなかった。
(少し、3人との接し方は考えるか。俺を知った上で、一緒に居れる人はそうそう居ないからな。)
「ところで、アイツらが言ってた拠点って。」
「・・・多分、平原のビル。」
「候補地にしてた地ですね。確か、魔物が煩いとか、舞さんが言ってましたね。」
「まぁ、他は気にしなくていいさ、あそこならここまで片道で1日以上掛るからな。」
今、本拠点の建物の建築に取り組んでいる。湊霞が、オリジンスキルで建材となるものを量産しながら、ココエナを使った家具の作成を行う。凛は、土魔法で基礎を造りつつ、建物の配置を考える。未来は、湊霞が作った建材とココエナを使った骨組みを飛び士の様に組み立てていた。舞は、召喚獣を使った運搬と周囲の警戒をしていた(本人はハンモックでゆったりしているが)。
「みんな、あの効率バカに毒され始めてる気がする・・・。」
「ニシシ、でも舞ちゃんはサボりも見られる。」
「うちの子も、まだまだ人間らしさを残しているのだ。」
「少年に染められてほしくはないな。」
本拠点は、真ん中に庭兼食事用の共有スペースがあり、そこを囲う様に1ルーム程の青い屋根の家が5つと3回り程大きい緑の屋根の家が1つあり、その間を屋根のある舗装された道が通るような作りとなっている。
共有スペースは屋根があるが、この辺りは雨が無く、日差し対策としての側面が強い。
「酒盛りスペース!いいぜ!」
「いや、私たち飲めないし、ここは湊霞が全員で話し合うスペースって言ってたよ。」
「全員の部屋からすぐに行けて、効率的と話してましたね、湊霞さん。」
5つの家はそれぞれの個室であり、余った1つは一応客室だが、通常時は医務室のような扱いをしている。中は、タンス型のアイテムボックスと机、ベットがあるだけである。後は、個人で内装を変えている。
大きい家は、倉庫と浴室として使っており、中は二部屋に分かれている。1つは倉庫であり、アイテムボックスが並べられている。一応裏手に地下の保存食を作る部屋への入口がある(まだ、作れるのは干し肉位)。もう一つは、フローリングになった脱衣所と磨いた石のタイルの浴室で、ココエナでできた湯船があり、アイテムボックスを改良した給湯器が付いている。
「いや、本当によく出来てるね。」
「本当ですね。しかし、良かったのでしょうか?浴室を作っても、コレのせいで少し工期が遅くなりましたよ、湊霞さん。」
「・・・効率バカのくせに珍しい。」
「あぁ、前に行っただろ、本拠点は作る時にしっかりと作ると、後々、効率的だって。それに、俺も、凛さんたちともう少し、仲良くなっとこうとも考えていたからな。」
「「「っ!!??」」」
「「「「嘘でしょ!!??」」」」
意外な心の内に3人は声を失う。それはそうだろう。ビジネスライクとまで言っていた男が、仲を深める努力をすると話したのだから。
この発言は4人の神にも驚きで、一部の神は口調を忘れた。
「「なら、今日の夜は拠点完成も合わせて豪華に行こう(行きましょう)。」」
「・・・その時、バカの身の上話を聞く。」
「あ、ならこの世界に来たばかりの時話してた。友達?の話を私は聞きたいわ。」
「これは楽しくなりそうなのだ。」
「酒がないのが、辛いぜ。」
「ニシシ。人の会話は最高の肴ですからね。」
全員が拠点完成時以上の盛り上がりを見せて、湊霞は少しひていたりする。
(何か、思った以上の反応だな。)
「作業しながらで、準備の手伝いをしっかりと出来るならいいぞ。」
そこからの全員(湊霞以外)の行動は過去一だった。凛の指示の元、未来がセッティングし、舞(の召喚獣)が食材の下処理を終わらせた。いつも見ているだけの神々でさえ、飾りつけを手伝っている。
「で、何が聞きたいんだ。」
「なら、まずは趣味とか聞きたい。」
「ゲーム、中でも新作ゲームでより効率よくキャラを成長させる方法を考えるのが好きだ。」
「・・・課金カス?」
「いや、逆に課金が嫌いだ。課金せずに効率よくトップランカーとなる、それがいいんだ。」
(正直、元の世界でも一山越えた後だったしな。)
「それでは、次は家族に関してなどは、どうでしょうか?どのようなご家庭だとその様な効率重視の子供になるのですか。」
「それは確かに気になるのだ。」
「バグの親だな。」
「そういえば、私も聞いたことないかも。」
「父は、公務員。母は、ゲーム会社の重役だな。兄弟は居ないが、仲の良い従妹が居る。この性格は、亡くなった祖父似だな、父も母も計画的な人間だが、効率重視ではない。」
「・・・一人っ子。だから、ここまでねじ曲がったままだった。」
「ニシシ。それはあるね、指摘してくる同年代が居ないんじゃね。」
(まぁ、ウチの家系は社会は上手く割り切り、趣味に燃えよがモットーだからな。)
「じゃあ、あなたが言っていた。1日目に仮拠点候補まで行けるって言ってた人のこと教えてよ。友達なんでしょ。」
「あぁ、あれか。この世界に確実に居る友達が一人と、まぁ来てるだろうが一人、最後に来てれば良いなが一人だな。」
「あっ、友達は一人なんだ。」
「友達とさっき言ってた従妹、それと面倒な知人、いや、他人が一人だな。」
「で、どんな人たちなの。」
「友達なのは、雲雀 蓮也。」
「え!??あのウチのクラスのイケメン!?」
「確か、どなたともお付き合いにならないと聞きました。」
「・・・本物、優男のお人好しバカって聞いた。」
高校でも、この3人に並んで有名な蓮也の名前に3人とも反応する。
因みに全員、湊霞に友達がいることに驚いたのは今更なのである。
「まぁ、お人好しだよな。あいつは異常なまでのマルチ思考だからな。人との関わりも含め、平凡な考えを数十、数百と常に考えついている。その為に、気遣いなんてお手のもの、それどころか、真っ向からスパコンの演算についていくからな。」
「おっと、バグはこいつだけじゃなかったか。」
「ニシシ。イレギュラーの近くにまたイレギュラー。」
(確かあいつ、テスト勉強なんてしなくても、公式が出た時点で1024つの例題を思いついて解けば、それのどれかが出るって言って、テスト勉強はしてなかったよな。)
「従兄弟の方は、華ノ宮 楓。あいつ自身は人より物作りが得意な程度だが、あいつには体に埋め込んだAIが居るからな。」
「また、バグ野郎が出てきやがった。」
「・・・肉体にAIって。」
「私たちの世界にその様な技術ありましたっけ?」
「いや、無いわ。あなたたちの世界は平均的だから、そういったのはフュファージの領分よ。」
楓の件に関しては、湊霞も生まれる世界を間違っていると考えている。
(あのAIを見てから、俺は人工知能の暴走が本当にあり得ると感じたからな。感情を理解した上でAIには、必要ないと自身の存在意義を正しく理解したAIだからな。)
「で、最後の人は?」
「話したくない。どうせ話しても理解できない、俺が出来てないからな。だから、無駄だ。自分たちで会って感じ取ってくれ。」
その後も、会話は続き最後には全員(湊霞以外)が共有スペースの机で寝ていた。
ちなみに、湊霞とアリスは部屋の机で寝ていた。
86日目
「ここからは、エリアボスの討伐を目標に動こうと思う。」
「え!?あの蜥蜴をやるの。」
「・・・あれはまだ無理、時間の無駄。バカなの?」
「湊霞さん、徹夜のせいで頭が回っていないのですね。すみません、私達だけ寝てしまって。」
3人は、湊霞を可哀想な子と感じていた。
「いや、茶色い大蛇の方だ。」
「・・・私たちの見つけた。」
「あぁ~、確か周りの手下が面倒そうなんだっけ。」
「あぁ、だが本体の方はそこまで脅威を感じなかった。少し準備を入念にして、戦おう。」
「了解しました。」
3人の美女からの目線の湊霞にとっては、思考を惑わすものではなかったようだ。
「訂正がロボットすぎるわよ・・・。」
87〜88日目
全員、それぞれが準備をした。湊霞はコアの用意に装備、武器の手入れ。凛は魔法のストックと薬を用意する。未来と舞は先行して、ボスまでのルートの確認と手下、出現する魔物の調査をした。
魔物・フィジカルスネーク
エリアボスよりも2周り程小さい大蛇。パワーが強く、絞め付けによる攻撃がメイン。
魔物・ホーンスネーク
角を持った6m程の大蛇。隠密性が高く、的確に不意を突く。
魔物・ポイズンスネーク
神経毒、猛毒、酸を使う6m程の大蛇。使う体液によって体の模様の色が違う。
「あの数の蛇は、背筋がゾクゾクするね。」
「・・・、わからなくはない。」
89〜90日目
エリアボスの居るエリアまで片道で一日以上かかるため、この日は移動をメインに行う。そんな道中で作戦会議は行われる。
「それで、作戦はどうします。」
「周りの雑魚は未来さんに任せて、俺はエリアボスのタゲを貰う。雑魚の殲滅が終わったら、遊撃手として、未来さんも参加をお願いする。」
「りょ。」
「凛さんには、後衛からの状況把握、特に敵の攻撃に対して土壁での防御をお願いしたい。舞さんは、雑魚のタゲを召喚獣で集めつつ、下級魔法による牽制をして欲しい。」
「分かりました。」「・・・。」
この陣は元々考えていたもので、湊霞、未来、舞を全員、遊撃手かつタゲ取りにして、凛に行動指示をしてもらう形である。因みに、誰も意見を出さないのは、相手が湊霞のため話し合いを効率的にするためだ。
「あんたが指示を出さないの?」
「敵のタゲ取りをコロコロ変える戦法だからな、前衛が指示役になるのは、効率が悪い。」
「ニシシ。また、効率って言ってる。」
その日の夜は戦闘のシミュレーションを何通りも行いつつ、細かな連携の話し合いをして眠った(湊霞は剣を振りながら話していた)。
「だから、落ち着きがないのよ!あんたは!!!」
91日目
朝、日が昇る少し前に湊霞たちは戦闘を始める。
「未来さん、右のポイズンスネーク3体からです。舞さんは鳥さんで左の10体を引き付けて、亀さんで未来さんの方の盾役をお願いします。魔法は湊霞さんの方の牽制に回して下さい。『魔法書簡:開帳』『アース・ショット』。」
「・・・鳥さんじゃなくて、ウィー。亀さんじゃなくて、ラドン。『召喚合成』『契約:開』。」
「それじゃ、エリアボスは俺が相手だ。『身体強化』『創生回帰』『硬化剣』×2。」
凛の指示の元、未来は木の上から3体の目を射つ。これは元々、話していたものであり状態異常を使う魔物にフレンドリーファイアを誘発する目的がある。
舞は召喚獣たちを呼ぶとウィーには旋空でタゲ取りを指示、ラドンには未来との間に立ってもらった。
凛自身も、ストックの同時発動で土壁を作りフィールドを軽く切り分けつつ、ボスまで続く雑魚を減らす。
土魔法でできたボスまでの道を湊霞は、魔法で身体強化をしつつ、創生回帰と錬成魔法を使い、魔力で硬化する剣を両手に握り、風を切り走り出す。
「シャァァァーーーー。」
エリアボスの咆哮がフィールドを震えさせた。黒光りする鱗はちらりと見える朝日を浴びて、キラキラしている。
戦闘スタート・・・。
未来サイド
「おっ、凄い声。ここって200〜300mは離れているのに、空気が震えてたよ。『効果干渉:貫弓』『連弓』。パルクールでも味わえない、ひりつ気だよ。」
未来はオリジンスキルで貫弓の貫通力を持つ矢を3連射した。それらはポイズンスネークの鱗を貫通し、肉体にまで到達した。屋の到達を待たずに、枝から枝へスタスタと飛び移る。ビル以上の居大樹を渡る感覚は元の世界では決して味わえないものだろう。
フィジカルスネークが未来が飛び乗る枝のある木に突進をしようと長い体を縮めて構える。
「・・・ランド、硬化。」
「ブォ。」
舞の指示で黄色いオーラで固めたランドが、フィジカルスネークの突進を止めた。強い衝撃が辺りを揺らす。
ランドは召喚獣の亀2体を合成して、パワーに特化した合成召喚獣となっている。体格としては4m程で、足が遅いが土魔法の硬化を使える。仕事人のイケメン亀だ。
「ナーイス、ランド。まずは一体、『剛弓』。」
未来が目一杯引いた矢は貫弓の効果で螺旋を描き鱗を貫通、凄まじい音を出しながら、ポイズンスネークを貫く。
「シャー!」
「よし。次はあの木に移動して、2体だ。」
木の上を枝から枝に軽やかにジャンプ、たまに駆け上がりながら移動をする。移動を邪魔しようとする魔物はランドが抑えており、未来は移動に集中することができる。
「『効果干渉:散弓』『貫弓』×2。凛。3体終わったよ~。」
「視認しました。次は左のポイズンスネーク2体をお願いします、それでポイズンスネークは全部です。」
「りょ。今度はあっち側の木だね。」
弓に2本の矢を構え絞ると、鱗を貫通し、蛇の体内に深々と刺さる。
その後も、貫弓を中心に凛の指示に従い手下の数を減らすのだった。
「未来の矢を打つ姿は、まさにレンジャー。俺の庇護者はカッコいいぜ。」
「OKです。では、未来さんはオリジンスキルのクールタイムが終了次第、湊霞さんとタゲ取りを交代して下さい。舞さんは、他の手下が来ないかを警戒して下さい。」
未来のオリジンスキル『効果干渉』は現在、一度の発動で二回まで効果があり、同じスキルに使う際は7分間のクールタイムが必要である。
湊霞サイド
数回切り合うとすぐに壊れる硬化剣を何度も創り出しつつ、エリアボスの注意を引く。
構えた手に大雑把に造形した鉄剣を作り、素早く錬成。雑でもいいのでより素早く錬成して、変色するほどに魔力を込めて振るう。
そうして、湊霞は時に躱し、時に剣で受け流し、時に切りかかる事で、動きを分析する。ただ、淡々と・・・。
(今のところ、分かっているだけでも行動パターンは5つ、尻尾、牙による物理攻撃、黄色い鱗を模した土魔法を飛ばす、地震による移動阻害、最後に、地面を変形させる魔法攻撃。攻撃範囲は広くても25mくらいか。予想通りだ。)
「・・・ウィー。」
噛みつこうとしたボスの目の前をウィーが通り過ぎて、ボスの注意をそらす。
ウィーは召喚獣の小鳥2体を合成した、速度に特化した合成召喚獣である。常に風を纏いつつ精密な滑空を可能としている、大きさは2.5m程で力よりも素早さに特化している。
湊霞はバックステップで下がりつつ、麻痺の投擲瓶と炸裂の投擲瓶を投げつける。
ボスは動きを少し止め、土煙に消える。
「シャ!シャァァァァ!!」
ボスは琥珀のように輝く鱗を乱雑に飛ばす。それは、近づくなという意思のようである・・・。
(最初にフィールドを区切ったことで、思考がクリアになりこんな攻撃にも対応しやすい。)
湊霞は、素早く身を屈めて鱗を躱す。
「うまいわね。区切られたフィールドでは、横に逃げるという思考が初めに無くなる。そうすることで、攻撃の死角をより素早く察知しているのだわ。」
「ニシシ、所謂、無駄な思考てやつ。」
「どこまでも効率的に、なのだ。」
「湊霞さん、周囲は片付きました、未来さんのクールタイムを持ちつつ、未来さんへのスイッチをお願いします。」
「了解。凛は大技を準備しててくれ、右脇腹の鱗がボロくなっている、もうすぐで肉体も顕にできると思うからな。」
「了解しました。」
凛は魔力を充填し始めた。
湊霞は再度身を屈めて突撃をする。ボスが左を向くように立ち回るように未来は左から強く絞った矢を放つ。
「湊霞、こっち向かせてるから。『効果干渉:追弓』『広弓』。」
「了解、『創生回帰』『錬成』『火裂剣』。」
「・・・ウィー、バカをキャッチ。」
湊霞は壁を蹴り創り出した剣を突き刺すと剣の柄を思いっきり蹴り、素早く上に跳躍、ウィーにキャッチしてもらったタイミングで、突き刺した剣が爆発を起こす。
「シャァぁァァぁァぁぁァぁぁぁァぁ!」
「よそ見現金。こっち見なさい、蛇ちゃん。」
ボスが身をよじるタイミングで未来が地面に向かって放っておいた3本の矢が、地面スレスレから大きく曲がりボスの鱗の間に突き刺さる。それは、まるで獲物を捕らえる鷹のようである。
「まだまだ、『連弓』。釘付けになりなさい。」
未来は常にボスの左側を動きつつ矢を放ち、時折、特別製の矢を放ってクリティカルなダメージを狙う。湊霞は丁寧に左側の鱗を剥ぐ。
「準備できました。敵を包み吹き荒れよ、荒れる砂『サンドストーム』。からの『サンドウォール』です。」
凛が魔法を放つとボスが砂嵐に包まれ、すぐにストックされた土魔法で密封する。
「未来さん、火炎矢を。」
「OK。アディユー。」
未来は小さな隙間に火のコアで出来た矢を撃つ。する火花が連鎖し大爆発が起こる。粉塵爆発である。より細かくされた砂、密封した空間、火種の連鎖は万全のボスには効かなかっただろう。しかし、鱗が剥がれた部分から爆発は体内に到達、大きなダメージとなり、ボスは倒れることとなる。
爆発に崩れる土壁、少し鼻につく焦げた匂いが広がる。
「凄い爆発。」
「でも、死体が残っているあたり、頑丈なのが分かる。」
「・・・もう、解体を始めてる。せっかちバカ。」
「はぁ、私たちも手下たちの大蛇を解体しましょう。」
湊霞はただ、淡々と解体を行う。
3人+4神はもう呆れるしかないのだ。初のボス討伐が余韻もくそもないのである。
魔物・ラーススネークLv27
小規模エリアボス。土属性の大蛇。鱗は鋼鉄と同程度であり、牙は鉄を貫通する。身は柔らかいが、土魔法で硬化が可能。リポップでのみ出現し、一日でリポップする。
ラーススネークの鱗
15cmサイズの鱗。魔力伝導が良く、鋼鉄と同程度の硬度を持つ。加工は難しい。
ラーススネークの牙
75cm程の牙。牙自体に土の魔力を宿しており、魔法武器としての効果がある。加工は難しい。
ラーススネークの身
火を通すことでとろける柔らかさが出る。脂身はとても少ない。
ラーススネークの瞳
死亡後、硬化していき20cm代の銀の塊になる。
土魔石:中
拳代の土の属性を持つ魔石。
(これは装備や武器を新調すれば、レベリングに使えるんじゃ。それにボスはリポップ式なら慣れてくれば、かなり効率よく周回出来る。)
「って、あんた、無言でレベリング場の整備始めないでよ。」
「いや、アリス。軽く整備しとけば今度来た時に施設造りだけで良くなるからな。効率的に行かなければ。」
「いや、みんなに相談しないといけないし、そもそも大きな戦闘後何だから余韻に浸りなさいよ。」
「無駄。」
「知ってたわよ。」
湊霞が草刈りなどをしてると、配下の解体の終わった3人が集まってくる。3人ともかなりサバイバル慣れしてきたのである。
「・・・また、バカなことしてる。」
「これはレベリング用の整備でしょうか?」
「私たちも手伝ってさっさと拠点に戻ろ。この血を落としたいよ。クタクタだよ。」
「もう対応が熟練なのだ。できれば、ツッコんでほしいのだ。」
「何なんだあのバグ、ボス討伐後なのに黙々と作業してるぞ。カチドキも上げてねぇ…。」
「ニシシ。本物のバカだ。効率バカ。」
その後、全員がキャンプした所に戻った頃には湊霞を残しご飯を忘れて眠りについた。
92日目
朝一でキャンプを出て夕方に本拠点に着く。
そして、晩御飯後にステータスを確認する面々(湊霞は錬成をしながら)。もはや、当たり前なマルチ作業・・・。
ステータス
華ノ宮 湊霞(地球:人族)
職業:下位錬成師(下級職)Lv24〈残りSP0〉
スキル
上級
Lv2
鑑定
中級
レベルなし
魔力操作
下級
Lv7
下級錬成魔法、魔力強化、自然回復強化(魔力)
Lv6
基本武術(剣)、攻撃力強化
Lv5
体力強化、走力強化
Lv4
下級魔法(全)、身体強化魔法、自然回復強化(体力)
Lv2
防御力強化、命中率強化
Lv1
精神強化、五感強化
レベルなし
流剣、連剣、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化
オリジン
コモン<創生回帰>
アリス:創造神
(一定の適性があれば、中級スキルもとれるみたいだな。必要なSPが多いが・・・。)
(適性があってもレベルが一定値を超えてないと取れないわよ。特に錬成師はかなりハードルが高いわよ。あんたが異常なだけ・・・。)
九条 凛(地球:人族)
職業:下位土魔法使い(下級職)Lv22(残りSP2)
スキル
中級
Lv3
中級魔法(土)
レベルなし
魔力操作、並列計算
下級
Lv9
下級魔法(全、土)
Lv7
魔力強化、自然回復強化(魔力)
Lv5
命中率強化
Lv2
体力強化、攻撃力強化
Lv1
走力強化、精神強化、五感強化、自然回復強化(体力)
レベルなし
状態異常耐性(毒、麻痺、睡眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化
オリジン
コモン<魔法書簡>
ガイアラ:大地神
鮫島 未来(地球:人族)
職業:下位弓使い(下級職)Lv23(残りSP1)
スキル
中級
レベルなし
気配察知
下級
Lv9
基本武術(弓)
Lv8
命中率強化
Lv7
走力強化
Lv6
体力強化
Lv5
攻撃力強化、五感強化
Lv4
自然回復強化(体力)
Lv1
基本武術(剣)、魔力強化、防御力強化、自然回復強化(魔力)
レベルなし
散弓、貫弓、追弓、連弓、広弓、剛弓、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化
オリジン
コモン<効果干渉>
アルミス:狩猟神
星野 舞(地球:人族)
職業:下位召喚使い(下級職)Lv20(残りSP1)
スキル
中級
Lv3
召喚魔法、下位契約魔法
レベルなし
感覚共有、思考強化
下級
Lv6
下級魔法(全)
Lv5
五感強化
Lv4
魔力強化、自然回復強化(魔力)
Lv2
体力強化、走力強化
Lv1
自然回復強化(体力)
レベルなし
状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、パーティー化
オリジン
コモン<召喚合成>
テミス:契約神
防御力強化
防御力にレベルに応じて補正がかかる。
精神強化
レベルに応じて精神保護がかかる。
状態異常耐性(魅了)
魅了に対する耐性が強くなる。
「おっ、やっと鑑定のレベルが上がった。出来ることは・・・魔物の名前を目視による鑑定だな。」
「なんというか、微妙。」
「そういう、未来さんはなぜ剣のスキルを?」
「あぁ、サブウェポンに短剣を使おうと思って、ほら、弓って近接になった途端きついとこあるし。」
「それは私たちも同じですが。」
「いや、魔導書簡による無詠唱なら距離を稼げるでしょ。舞も召喚獣次第では近接戦出来そうでしょ。」
今回、湊霞以外はいつも通り長所を伸ばすことはなく全員が自分の苦手分野の補填にSPを使った。
凛と舞は、体力や移動速度、未来は、戦術を意識したスキルを得たようだ。
93〜94日目
湊霞は装備や武器の新調をして、3人はエリアボスまでのルートの整備をしていた。
湊霞の装備や武器
ラーススネークの片手剣(F)
コアに魔力を流すと火属性により攻撃時の威力が上昇。また、土属性の魔力を宿しているため、耐久性が高い。
ウィン鎧(E)
ウィンドルの皮で急所を保護し、ウォークルの羽で作ったシャツを使った軽鎧。風のコアを仕込んでいるため、魔力を通すことで移動速度を上昇させる。
シルバーブーツ(C)
ラーススネークの瞳とウィンドルの皮で作ったブーツ。風の魔石が砕いて仕込まれており、移動に補助がかかる。しかし、補助は弱め。
ワイヤーグローブ(C)
手首に射出、巻取りの可能なワイヤーが仕込まれた指抜きグローブ。某アメリカの蜘蛛ヒーローの様な移動が可能。
「相変わらず、サイズぴったりです。」
凛の装備や武器
ラーススネークの杖(E)
ラーススネークの牙に土のコアを使った杖。土魔法の補助をメインとしている。杖自体にも魔力を貯蔵する効果がある。
シルバーチェーンメイル(D)
ラーススネークの瞳を使ったチェーンメイル。風の魔石を仕込んでいるため、軽量化されている。上からウォークルの羽で作ったローブを羽織る。
補助加速ブーツ(E)
風と火のコアが仕込んであり移動補助と魔力を通すことで走力に補正がかかるブーツ。少し白っぽい。
シルバーリング(C)
ラーススネークの瞳と土の魔石が着いた指輪。土魔法発動の補助をする。
「一応、私たちもサバイバル生活で体つき変わったと思うんだけどね・・・。」
未来の装備や武器
ココエナの合成短弓(D)
風と火のコアが仕込まれた短弓。コアに魔力を通すことで矢の飛距離と威力に補正がかかる。魔力伝導は少し悪い。
合成矢(D)
創生回帰で生み出した素材を使った矢。矢尻が取り替え可能で通常、各種状態異常、コアを使った属性矢に変えることが出来る。
ウィンダガー(E)
ウィンドルの牙を使ったダガー。風のコアを仕込んでおり、魔力を通すことで風の斬撃を10m程まで飛ばせる。しかし、魔力伝導は悪い。
合成レザーベスト(E)
ラヴァファングとウィンドルの皮を合成して作ったベスト。ウォークルのシャツの上から来て、急所を保護している。少し移動補助と防御補正がついている。
ワイヤーグローブ(C)
シークレットブーツ(D)
風のコアが仕込まれたシークレットブーツ。そこにスパイクが隠されており、魔力を込めるとピックが出る。また、コアに魔力を通すことで跳躍、着地を補助する。
「・・・変態。」
舞の装備や武器
マルチステッキ(D)
アイアンベースで各種コアの仕込まれた指揮棒のような杖。魔力を通すことで契約リングを着けた召喚獣を強化する。火は攻撃、風は速度、水は回復、土は防御。しかし、魔力伝導は少し悪い。
アニマルパーカー(E)
オレンジの猫を模したパーカー。風と水の魔石が所々に仕込んであり、移動補助と回復速度上昇をする。しかし、回復速度上昇は微々たるもの。
楔帷子(D)
鉄で作った楔帷子。土の魔石が砕いて仕込まれており、防御に補正がかかる。
信頼アンクレット(E)
ラーススネークの鱗で作った金のアンクレット。風のコアが仕込まれており、魔力を通すことで跳躍に補正がかかる。
召喚獣用ゴールド契約リング(D)
召喚獣用のラーススネークの鱗で作った金ベースの足枷。ステッキに連動して各種コアを発動する。
95〜99日目
レベリング用の設備準備しながら、次のエリアに行く準備をしていった。
「次はどうするの?湊霞にしてはゆったりしているけど。」
「いや、ゆっくりしているわけじゃなくて、次のエリアの候補が火山方面と湖のエリアボスなんだが、どっちにするにせよレベルが少し低い気がする。だから、今はスキルレベルを意識しつつ、レベリングに集中だな。」
「・・・目安は何?効率バカ。」
「一先ず、スキルの内1つがカンストするまでかな。」
「なら、わたしや凛辺りが有力かな。」
(もう、九条ちゃんが星野ちゃんを庇わないあたり、湊霞が効率バカなことを理解しているんでしょうね・・・。)
そして、6日を一組として、1日目にレベリング場への移動、夜にスキルレベルの特訓。2〜4日目は午前中にレベリング、午後は連携訓練しつつスキルレベルの特訓。5〜6日目に移動と素材集めの回し方を話す。
100〜122日目
ステータス
華ノ宮 湊霞(地球:人族)
職業:下位錬成師(下級職)Lv25〈残りSP2〉
スキル
上級
Lv2
鑑定
中級
レベルなし
魔力操作
下級
カンスト
下級錬成魔法、基本武術(剣)、魔力強化、自然回復強化(魔力)
Lv9
身体強化魔法
Lv7
下級魔法(全)、体力強化、攻撃力強化、走力強化
Lv6
命中率強化、自然回復強化(体力)
Lv5
防御力強化、精神強化
Lv3
五感強化
レベルなし
流剣、連剣、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化
オリジン
コモン<創生回帰>
アリス:創造神
九条 凛(地球:人族)
職業:下位土魔法使い(下級職)Lv25(残りSP0)
スキル
中級
Lv3
中級魔法(土)
レベルなし
魔力操作、並列計算
下級
カンスト
下級魔法(全、土)、魔力強化、自然回復強化(魔力)
Lv9
命中率強化(SP1使用)
Lv5
攻撃力強化
Lv4
体力強化、走力強化、自然回復強化(体力)
Lv3
防御力強化、精神強化、五感強化
レベルなし
状態異常耐性(毒、麻痺、睡眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化
オリジン
コモン<魔法書簡>
ガイアラ:大地神
鮫島 未来(地球:人族)
職業:下位弓使い(下級職)Lv25(残りSP0)
スキル
中級
レベルなし
気配察知
下級
カンスト
基本武術(弓)、走力強化、命中率強化、体力強化
Lv9
攻撃力強化、五感強化
Lv7
自然回復強化(体力)
Lv4
魔力強化、防御力強化
Lv3
基本武術(剣)、自然回復強化(魔力)
レベルなし
散弓、貫弓、追弓、連弓、広弓、剛弓、流剣、連剣、状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、熱変動耐性、パーティー化
オリジン
コモン<効果干渉>
アルミス:狩猟神
星野 舞(地球:人族)
職業:下位召喚使い(下級職)Lv24(残りSP0)
スキル
中級
Lv3
召喚魔法、下位契約魔法
レベルなし
感覚共有、思考強化
下級
カンスト
下級魔法(全)、五感強化
Lv9
魔力強化
Lv7
自然回復強化(魔力)
Lv4
体力強化、走力強化
Lv3
攻撃力強化、自然回復強化(体力)
Lv2
命中率強化、精神強化
Lv1
防御力強化
レベルなし
状態異常耐性(毒、麻痺、催眠、魅了)、パーティー化
オリジン
コモン<召喚合成>
テミス:契約神
ここにきて、119日目以降25レベルから上がらなくなった。
「あんたたちは、もう中位職への昇格資格を得た証拠よ。」
「まぁ、なら舞のレベルが到達したらモノリスに行くか。」
「そうですね。今のところスキルのレベルを上げていきたいですし。」
「この感じだと火山の方に行くのがいい気がするけど、湊霞。」
「まぁ、水中での戦いが不利だから湖のエリアボスよりは火山の方だろうな。」
そうして夕方、ダミー拠点近くを通っていると不意に未来が立ち止まった。
「待って、ダミー拠点の方に気配がある。2つ、魔物じゃなさそう。」
「また、人でしょうか?」
「あの男たちだったら、時間の無駄だし、少し遠回りして、本拠点に向かうぞ。」
「・・・違う、女子が2人。1人はハンモックに寝てて、少し血の跡が見える。」
「湊霞さん。」
「・・・。はぁ~、今日はダミー拠点の方で寝るぞ。(無駄なことだが、見逃すのもなんか違うし。それに、3人の心情を悪くするのは今後の効率的な関係が崩れかねない。) 」
慎重に拠点の扉を開けると、中には拳を突き出し警戒する小さな女子と包帯を雑に巻かれた状態の女性が寝ていた。警戒している女子は今にも崩れ落ちそうなくらい、よれよれだ。何日も寝ていないのだろう。
「無理するな、何もしない。ここは俺たちの仮拠点だ好きに使え。」
湊霞はそう言い残すと部屋の隅っこの方で包まって、眠りについた。
「本当に、人との会話を無駄としか考えませんね、湊霞さん。」
「・・・。」
「あっ、舞も無言で湊霞の横で寝始めた。」
「あなたも、疲れているのでしょ。話は起きてから聞きますので、舞さんのハンモックで休んで下さい。」
凛の言葉が終わる前に女子はその場に倒れ込んだ。未来が女子を受け止め、ハンモックに乗せて、2人も交代で眠りに就く。
123日目
朝、女子が起きて外に出ると4人が拠点の下で特訓をしているのが見えた。
「おっ、起きたんだ。すぐにそっち行くから、まだゆっくりしてな。」
「話は任せていいか?未来さん。」
「・・・任せた。」
「はいはい、本当に似てきたね、湊霞たち。凛行こう。」
「はい。」
そうして、2人はダミー拠点までの梯子を登り始めた。
はい。
皆さん、ナレーションもヒロインの呼び方が変わったことに気づきましたか?
いつもはYouTubeで活動してます。
この作品の裏話や挿絵、紹介動画なんかもしていくつもりなので、見に来てください。
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