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神々が観る世界 神々に魅せる世界  作者: 朧華
5つの交わる世界
15/28

第8話 悪縁との遭遇

この題名・・・重要キャラの登場か!??

因みに、この作品ヒロインとのラブロマンスは余程のことがないとないですね。

この主人公だもの。

「俺が選ぶのは・・・俺たちが見つけた台地の候補地だな。」

「理由は、先程舞さんが話されてた天然の迷路という所でしょうか?」

「あぁ、この世界は俺たちだけじゃない。つまり、人相手の対応も考えないといけない。よって、すぐにでも防衛能力、逃走経路確保が可能な台地にした。詳しい拠点設計は紙に起こして、明日の朝渡す。」


 その日は、そのまま就寝となった。


55日目

 湊霞は、朝から拠点設計案を3人に見せた。


 1正規、逃走ルート以外のトラップ作成(九条の地形操作も込みで)

 2畑の作成(舞の召喚獣による労働力を使ったもの)

 3拠点の作成(それぞれの個室、共有スペース、倉庫)

 4周辺マップの作成(魔物の生息分布を中心に素材の確保)

 5ダミー拠点の作成(ダミーであると同時に仮拠点との中継地点としても機能をもたせる)


「そして、今日は場所の確認も含めてみんなでマップを作成しながら行く。マッパーは一度行ったことのある舞さん。」

「・・・効率バカも行っただろうが。シャー芯、後で寄越せ。」


 そして、4人は物資を確認後、移動を始める。


56〜66日目

 4人はそれぞれ、3グループで作業に入った。湊霞は拠点候補地の一つである崖の突起にダミー拠点を制作しながら、両拠点に必要な物を錬成し続けた。九条と舞は拠点間の運搬、並びに必要素材集めを担当。鮫島は拠点候補地の周辺マップ作成をしながら、経路の選定、最低限設備の設置をしていた。


湊霞サイド

56日目

 崖上までの移動を楽にするために、足場の作成を日中を通して行い、夜はハンモックなど仮拠点に作っていた道具一式の作成に取り組んだ。


57〜62日目

 湖周辺で素材を集めて貰った九条たちから素材を受け取り、ダミー拠点を仮拠点と同程度までは設備を整えた。夜には魔石水瓶の量産と本拠点での防衛トラップを数種類作成。


対人用トラップ

感圧式催眠ガス

 一方から圧力を加えることでコアが魔石から魔力を吸いガスを噴出口から出す。


カモフラージュマット

 魔力吸収のコアとミミックの皮を使ったマット。周囲の魔力を吸ってマットが擬態する。


麻痺棘

 麻痺毒の塗られたまきびしタイプのトラップ。


ワイヤートラップ

 樹皮製ワイヤーを使ったワイヤートラップ。


魔物用トラップ

麻痺トラップ

 麻痺毒が仕込まれたラヴァファングの内臓を使った拘束トラップ。


炸裂弾投下器

 餌を食べることで炸裂弾を投下するトラップ。


トラバサミ(コア使用)

 コアの上を魔力を帯びたものが通ると噛みつくトラバサミ。主に今回は空を飛ぶ鳥型魔物用。


・・・etc.


「思った以上に、悪質ね・・・。」


 アリスは興味深そうである。こういうところを見ると彼女も神だと感じる。


63〜66日目

 仮拠点から中継地点、中継地点から本拠点までの順路の整備(ホタル石を使った小型ランプ)、ダミー順路の整備。


九条と舞サイド

56日目

 湖周辺での素材集め、舞による索敵からの九条の魔法殲滅でサーチ&デストロイ。


「うちの子、すごいのだ♪」


57〜61日目

 候補地周辺の素材集め、必要設備の運搬。舞が新しく契約した。黄色の陸亀の召喚獣を使う。移動速度は落ちるが一度に多くのものを運べる。ごつごつな甲羅の目立つ1mほどの亀、顔がきりっとしている。仕事人だ・・・。


「・・・ランド、力持ち。」

「グォ・・・。」


変異植物・アドレダケ

 興奮作用を引き起こすキノコ。


硬木・コウモウジ

 紅葉のような見た目だが、葉が新しいものほど硬く、噛める程まで柔らかくなったものは少し、甘みがある。


変異植物・スリット

 紫、赤、黄色、蒼、白にそれぞれ光る睡蓮のような植物。


淫乱華・サキュポポ

 ピンクのタンポポであり、その花全体に魅了作用と興奮作用のある成分を含んでいる。接種しない限りは害はない。


変異植物・ワライスス

 2m程のススキであり、近くの生き物に纏わり付き、笑わせる。その胞子には感覚向上作用のある成分が含まれている。高い魔力があると成分が効かない。


・・・etc.


62〜66日目

 他の候補地の調査。特に、九条たちの見つけた沼地はダミー拠点から近いため、重点的に調査をした。


「ニシシ、舞ちゃんは意外に働き者。」

「・・・もう寝たい。」


鮫島サイド

56〜59日目

 周辺地形の確認。北側は高い山が見られ、予想では火山だと考えられる。西には平原が見られた。南西にはダミー拠点のある崖がある。南、南東と下から緩やかに登り坂になっていて、巨大樹の森が広がる。東には大きめの川があり、下れば仮拠点の川と湖で合流しそうである。


「ほんと、未来は軽やかに動くな。」

「まぁ、パルクールしてたからね!」


60〜61日目

 九条たちに協力して周辺の魔物の分布や素材の調査。北側は、小型の恐竜型魔物。西側は、ラプトルのような魔物の他にも、逃走が早い小型魔物。そして、鳥型魔物は属性はランダムだが、主に台地の周りに数匹の集団でいる。


62〜63日目

 九条と協力して罠の一部を設置。特に北と西を中心に行った。


64〜65日目

 本拠点の最低限設備の設置。本拠点を作るために隅の方に作った。


「なんか、キャンプの準備みたい!」

「楽しそうだな・・・。」


66日目

 正規、逃走ルート候補の選定。それぞれの方面に2個ずつ計10ルートを考えているため、25ルートを選定した。



67〜70日目

 この日、湊霞たちは本拠点にてお昼頃に集まる。


「ここまでで、最低限の準備は出来たから、ここからは慎重に進めよう。初めから、一定以上の拠点を作れば、最終的な手間は少ない。」

「それは分かりますが、何から手を着けますか?湊霞さんのことですから、ある程度の目星はつけているのでしょう。」


 最近は、九条たちも会話をしながら作業を黙々とする湊霞を気にしなくなっていた。

 だって、指摘しても意味ないもん。


「まずは、物資の運搬と魔物の殲滅、正規、逃走ルートの確定、畑の準備をしてから、拠点造りに入る予定だ。」

「かなり時間掛かんない?」

「・・・この効率バカだから、そこも考えてる。」

「あぁ、ここでも最初は2グループに分かれて動く。まず、俺と九条さんで畑の準備をする。そして、鮫島さんと舞さんで物資の運搬をする。これを3日で終わらせるつもりだ。その後、この辺りにいる鳥型魔物を中心とした魔物殲滅をみんなで行う。この際、移動に選定したルートを使うことでルートの使い勝手を確認して、ルートの確定もする。これは4〜6日で終わらせるつもりだ。」


 淡々と午前、お昼、夜と、一人一人の動きを書き込んでいく。

 全く無駄のない、キチキチのスケジュール帳である。


「・・・やっぱり、効率バカ。慎重にとか言って、9日で作業を終わらせる。」

「もう、これは病気だね。」

「生活病に近いものを感じますね。」

「こいつは、この世界に来たときからこうだったから。」

「何か、バカじゃないけど面倒くさいのだ。」

「こいつも元の世界の、一種のバグだったんだろうな。」

「ニシシ。悲しき生き物って奴だね。それとも、変異種?」


 湊霞以外の誰からも理解してもらえていないが、湊霞は気にしてもいなかった。それは、シンプルに気にするのは脳のリソースの無駄だと考えたからだ。

 しかし、やはりそこからの作業は効率的であった。湊霞が鮫島たちに運搬物の順番を細かく指示して、格段に運搬効率を上げていたし、九条の土魔法と湊霞手製の肥料による畑作りも湊霞が素早く区画を決めたことで、無駄な移動もなく終わった。


71日目

「・・・最悪、最悪、最悪、最悪、サイアク、・・・」

「あのクソ魔物、森ごと焼いてやろうか!」

「あの様な生き物、死んで当然です。この世界の害悪なのですから。」


 現在、魔物殲滅の帰り、湊霞は3人から少し距離を開けて歩いている。4人とも黄色の樹液でドロドロ、ネバネバになっている。

 4人は森に有るトリックツリーの群生地にて殲滅戦をしていた訳だが、このトリックツリーは口から樹液を出して獲物をマーキングする習性があった。

 因みに、湊霞は気にしてない。そして、ジッとしていてまともに食らった舞は、かなりベトベトだ。


「ニシシ、うちの子が饒舌。怖いこわい。」


魔物・トリックツリー

 楓の木のような植物型魔物。主に枝や根による拘束、打撃が攻撃手段で樹液でマーキングした獲物を集団でリンチにする。素材にはならないが、死体は森にとってかなりの栄養となる。


・・・etc.


 拠点に着くと、湊霞はタオルを持って来た。


「湊霞さん私たちはシャワーを使いますが、湊霞さんはどうするのですか?」

「俺は、タオルで拭くだけで十分。今回の素材の整理をしてる。」


 湊霞は話を言い終わるよりも前に作業を始めた。

 そんな姿を見ていた舞は、さっとタオルをとる。


「・・・私もタオルでいい。バカ、私も手伝うから。」

「なら、晩飯の用意を頼む。俺も終わり次第手伝う。」

「・・・分かった。」



 端的に答えた舞は、頭にタオルをかけた状態で淡々とご飯の用意を始める。そんな、2人のやり取りを九条たちは、ただ静かにだが、奇妙に思いながら見ていた。

 九条と鮫島はタオルと着替えをとると隅の方に簡易で作られたシャワールームに移動をする。


シャワーボックス(F)

 火のコアを使ったアイテムボックスの亜種。約500Lの水を貯蔵し、魔力を通すことでお湯になる。コアは10回ほど使用すると交換が必要。


「効果を明確化、限定化することで質を少し上げたみたいね。」


 とは、作った際のアリスの反応である。



「ねぇ、凛。最近、舞が少し湊霞っぽくなってきてない?元々の面倒臭がりが効率重視になってる感じ・・・。」

「そうですね。それに、他人嫌い特に男性嫌いの舞さんが自分から手伝いを申し出るのも意外でした。2人が会話するのがあまり無いだけに、舞さんは湊霞さんを嫌っているとばかり思ってましたから。」

「最近は、端的とはいえ、たまに会話しているよね。」

「ええ、でも、本当に端的なものですが。」


 舞はかなり人を選ぶ。元の世界では家族以外だと九条と鮫島くらいしか、親しいと言える人はいなかった。一応、湊霞とは違い人付き合いは出来ていたが、二人が一緒の時や行事事でしか、行おうとはしなかった。


「もしかして、湊霞に気があったり・・・は、無いな。はい、凛交代。」

「ありがとうございます。そうですね、それは無いですね。というか、舞さんはそういった感情が薄そうですし、湊霞さんも興味が無さそうですね。」

「あぁ、分かる。湊霞は恋愛なんて、恋人なんて、時間の無駄。人との深い関係なんて脳のリソースの無駄とか言いそうだね。」


 二人はシャワーを終えるとタオルで拭きながら話を進めた。よく見ると鮫島の足や腕に枝による切り傷があったり、九条は手にタコができてたり、少し筋肉がついてきてた。

 2人共、サバイバル生活で肉体に変化が有るのだ。もちろんそれは、他の2人も同じである。


「そう言えば、行きで湊霞に相談したんだけど、シャンプーとか化粧水とかを作ってもいいかって。そしたら、私たちにも夜の内職を考えていたらしくて、構わないって、今日にでも作り方の一案を紙でくれるみたい。」

「それはありがたいですね。手入れができてなくて、少し荒れ始めてましたから。」

「ほんとほんと、舞は元々、努力しなくてもマジで天然であの美肌に艶髪だけど、私たちはそうはいかないもんね。」

「えぇ、この辺りには面白そうな植物が多いようですから、かなり質の良いものが出来そうですね。」



 その夜、二人は湊霞のメモを参考にシャンプー、リンス、トリートメント、ボディシャンプーを作った。これは後に、他の人たちとの取引で優良となることを彼女たちはまだ知らない。



72日目

 この日は平原のラプトルモドキの魔物を討伐、可能なら殲滅を視野に入れてる。


魔物・ウィンドル

 風を纏った素早い動きと集団による狩りを得意とする恐竜型魔物。数体で一つの群れをなしていて、自分の数倍はある魔物でも狩る。


・・・etc.


「思ったよりも強いし、平原エリア自体が広大だから、完全な殲滅は無理だな。間引きを意識しよう。」

「・・・高い草がクソ邪魔。それに、アイツらチョロチョロ鬱陶しい。」

「あの少し気になったんですが、魔物って普通に交配でのみ、誕生しているのでしょうか?」

「確かに、ゲームとかだとなんかいきなり湧いてくるよね。」


 九条が疑問を持つとフードの中にいたガイアラが顔を出して、肩に移動をした。

 神たちは各々がそれぞれの庇護者についている。


「魔物は、交配と魔力溜まりでのリポップの2つの方法で誕生するのだ。」

「魔力溜まり?」

「未来、魔力溜まりってのはこの星を覆う様に地中や水中、空中にある魔脈の中でも、高濃度に圧縮された所を言うぜ。」

「ニシシ。ダンジョンなんかはいい例だね。あれは魔力溜まりが更に膨れて、空間を歪ませたから出来たものだからね。」

「つまり、俺達がやっている殲滅も正しい意味で殲滅出来ている理由じゃないってわけか。」

「そっ、でも、殲滅するってことはそこの魔力のリソースを消費することに直結するから、一時的に魔物が湧きにくくなるのは事実だよ。」


 その後、湊霞たちはサーチ&デストロイで減らしつつ進んだ。ちなみに、現在の4人のステータスは次のようになっている。


ステータス

華ノ宮 湊霞(地球:人族)

職業:下位錬成師(下級職)Lv18〈残りSP0〉

スキル

上級

Lv1

鑑定

中級

レベルなし

魔力操作

下級

Lv5

魔力強化、自然回復強化(魔力)

Lv4

下級錬成魔法、基本武術(剣)、攻撃力強化、走力強化

Lv3

下級魔法(全)、身体強化魔法、体力強化、自然回復強化(体力)

レベルなし

流剣、連剣、状態異常耐性(麻痺、毒、催眠)、パーティー化

オリジン

コモン<創生回帰>

アリス:創造神


九条 凛(地球:人族)

職業:下位土魔法使い(下級職)Lv15(残りSP1)

スキル

中級

Lv2

中級魔法(土)

レベルなし

魔力操作、並列計算

下級

Lv6

下級魔法(全、土)

Lv5

魔力強化

Lv4

自然回復強化(魔力)

Lv3

命中率強化

レベルなし

状態異常耐性(毒、麻痺、睡眠)、パーティー化

オリジン

コモン<魔法書簡>

ガイアラ:大地神


鮫島 未来(地球:人族)

職業:下位弓使い(下級職)Lv16(残りSP6)

スキル

下級

Lv6

基本武術(弓)

Lv4

体力強化、命中率強化、走力強化

Lv3

自然回復強化(体力)

Lv2

攻撃力強化、五感強化

レベルなし

散弓、貫弓、追弓、連弓、広弓、剛弓、パーティー化

オリジン

コモン<効果干渉>

アルミス:狩猟神


星野 舞(地球:人族)

職業:下位召喚使い(下級職)Lv13(残りSP0)

スキル

中級

Lv2

召喚魔法、下位契約魔法

レベルなし

感覚共有、思考強化

下級

Lv3

下級魔法(全)

Lv2

魔力強化、自然回復強化(魔力)、五感強化

レベルなし

状態異常耐性(毒)、パーティー化

オリジン

コモン<召喚合成>

テミス:契約神


魔力操作

 純粋な魔力を操作できるようになる。使いこなすのに時間が掛かる。最終的には魔力から情報を得ることが出来る。


並列計算

 計算に特化した思考を増やして、通常の思考と同時に使うことが出来る。


思考強化

 思考に掛かる負担を軽減し、思考力を高める。


五感強化

 五感で得られる情報を増幅する。


 順調に討伐を進めていると、索敵をするため先行していた鮫島が立ち止まる。


「少し、待って魔物じゃない。」


「おっ、やっぱり人間じゃねぇか。恐竜野郎とは違う気がしたんだ。」

「どうやら、九条さん、鮫島さん、星野さんのようですね。」

「こんなファンタジーな世界で、漢字の名前は余りにも異質っすね。」

「それを言うなら、その手に持つサバイバルナイフは返せ。全く、早いとこレベルを上げて銃が作りたいってのに。」

「それよりも、まともな物が食べたいし、お風呂も服も欲しい。その子たちの服、どうやって手にしたのかしら。」


 湊霞たちの前から現れたのは、所々が汚れたり切れたりした制服姿の男子5人とTheギャルな格好をした女性だった。


「誰だ。」

「男の子たちはウチの学校の生徒で、女の人は・・・。」

「花岡の大学生彼女だったはずだよ。前に自慢してた。」


 そう彼らは同じ世界、それも和也たちの学校関係者である。

 恐竜野郎と言っていたのは、湊霞たちの一つ上の先輩で、その手にはサーベルのような片手剣を持っていた。名前は国富 明輝。

 九条たちの名前を呼んだのは、同級生であり、その手にはステッキのようなものを持っている。名前は花岡 孝二。

 ファンタジーに拘りのある、少し小太りな赤髪は国富と同じ先輩である。名前は野宮 蝋輝。

 銃を求めている、小槌を持った男は国富の中学の後輩である。名前は佐野 暁也。

 そして、花岡に後ろから抱きついた女性は金髪をセミポニテにしている。名前は真中 真純。


「そうだ。君たち「ちょっといいか。」・・・なんだ、モブ。」

「いや。あんた達は彼女たちに用があるんだろ、俺は彼女たちとビジネスライクな関係を築いてる。だから、意思決定は彼女たちの自由にしている。」

「だから、何なのです。(サルが)」

「ふふ、そうだね。孝二、男の話なんてつまんないよね。」

「だから、俺はここで失礼する。」

「ちょっと、待て・・・」


 湊霞は国富の言葉を遮るようにして森に入った。湊霞は九条たち目当てのゴタゴタを時間の無駄と考えた故の行動である。




「ちっ、何なんだあいつ。(まぁ〜、うざったい野郎が居なくなって好都合だがな。) 」

「確か、華ノ宮といった筈です。同じ中学でしたが、その時から訳わからない奴でした。」

「気にするだけ、無駄の小物だな。」

「興味もありません。価値のないものなど、良くて的でしかないんですから。」

「ダッサイ、フツメン?クール振ってるって奴だね。」


 国富たちは笑っているが、そんな空気を星野が変えた。

 彼らをまるで路上の石でも見るように睨むと湊霞の後を追う。


「・・・(クズ共が)。」

「おいおい、舞。何、話も聞かずに行くんだ、つれないな、この先にある俺たちの拠点に来いよ。」


 しかし、舞は全くの無視で湊霞の歩いて行った森へと足を向ける。


「あっ、舞。待って、私たちも湊霞の所に行くから。」

「っ!??ちょっと待って下さい。貴方たちほどの方が、私たちに付いて来ないで、彼を追う?可笑しいでしょ。」

「あんたたちに付いて行く方が、私には笑えるけどね。」

「花岡さん、それに国富さんたち、私たちは貴方たちに付いて行くつもりはありません。失礼しますね、湊霞さんに置いて行かれたくはないので。」


 花岡を中心に国富たちが、何か声を掛けているようだが、3人は気にする気配もなく湊霞を追った。

 あまりの状況にまるで音が消えたような静けさである。




「ちょっと待ってよ、湊霞。」

「なんだ、鮫島さんたちあの人たちとの話は終わったんだ。」

「はい。というか、湊霞さんはもしや無駄だと感じたから、あの場から退避したのですか。私たちを置いて、少し悲しかったです。」

「・・・勝手に行動を決めつけんな、効率バカ。(ここを離れるなんて、バカしかしないわ。)」

「効率的で無いからな。それにどちらに転んでも、その後の行動に明確な差が無いなら、この方が効率的だ。」

「まぁ、このまま、トラップ地帯を抜けてダミー拠点に行くべきかもね。」

「・・・バカは、ストーカー。」


 そう、国富たちは後ろから尾行していた。湊霞たちも素材を拾いながら進んでいるため、決して尾行できないスピードでは無いのだ。

 森の中に制服は、目立つので湊霞達みたいに上から毛皮のマントを着てない彼らは、尾行がバレバレである。


「どうする?湊霞。」

「トラップ地帯についたら、俺が星野さんを、鮫島さんが九条さんを抱えて、ダミー拠点までダッシュしよう。見た感じ、走力強化は持ってなさそうだし、レベルもまだ低そうだからな。そして、ダミー拠点で一泊して、本拠点に帰る。」

「解りました。」「了解。」「・・・変なとこ触んなよ、効率バカ。」


 そして、4人は国富たちを撒き、ダミー拠点で過ごすのだった。


はい、新キャラ因縁もなにのなしに退場。

これこそこの作品らしさ


いつもはYouTubeで活動してます。

この作品の裏話や挿絵、紹介動画なんかもしていくつもりなので、見に来てください。

https://www.youtube.com/channel/UC3wzuZXPJ0Izmji-vlTWgdg



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