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神々が観る世界 神々に魅せる世界  作者: 朧華
5つの交わる世界
11/28

幕間話 23~28日

成長や作業は本編で飛ばされますね。

アリス、このパーティーはあなただけが頼みの綱です・・・。

23日目

「今日から3人にも、レベリングや探索に加わって貰うが、午前中はレベリング、午後は本拠点を構えるための探索をするつもりだ。」

「湊霞、この仮拠点でも十分だと思うんだけど、どうして本拠点を探さないといけないの?」

「保険だ。こんな状況だからこそ、身を潜められる候補地は大いに越した事はない。」

「凄いのだ。ここでも十分すぎるのに、その時になってからでは遅いとしっかりと動いているのだ。」

「ニシシ。下手したら今だレベル1であたふたしたプレイヤーもいる可能性があると思う。」

「そうですね。それにここは余り防衛には向いてないように見えますね、華ノ宮くん。」

「ずげぇぜ。凛の嬢ちゃん、少年に適応してきやがった。」

「それどころか。始めこそ、食事中にコアを作ることにツッコんでいた3人が、食事しながら足元でスキルのレベリングしている効率お化けを受け入れ始めた。」

「・・・言うだけ、無駄。」

「「その通り。」」


 嫌な所で、元来のコミュ力を発揮する二人と元々他人に興味の薄い星野、これにより、この異常な状態は今後も続くのだった。



「・・・やっと、上がった。」


 コルヌラビットを3体、倒した所で星野のレベルが上がった。


「なるほどな。レベル1じゃ魔力が足りないから星野さんの職業はレベル2になるのに必要な経験値が少なめな訳だ。」

「・・・召喚。」

「ウィ。ウィー♪」


 召喚陣を描いて、魔力を込めると緑色のカワサギの様な小鳥が現れた。

 星野が手をかざすと、ウィンドウが現れ契約条件が星野にのみ、見せられる。


「・・・わかった、契約成立。貴方の名前はウィー」

「舞、名前の付け方、絶対鳴き声からでしょ。」

「・・・いい、カワイイ。」「ウィ♪」

「舞さんが納得しているなら良いじゃないですか。それにしても、可愛いですね。」



 その後もレベル上げに湊霞は勤しんだが、女子3人はウィーとずっと戯れており、効率が悪かったので湊霞は終始不機嫌そうであった。


「本当、ハラハラさせないであの子たちにキレちゃうんじゃないかって、気が気じゃなかったわ。」

「キレるのは時間の無駄とか、少年は言いそうだが。」

「ニシシ。それでも追い出したりはすると思う。」

「確かに、効率的でないと思って、仲間は要らないと考えそうなのだ。」



 その後、四人は川の下流に向かって探索を始めた。

 丁度、川を初めて発見した所まで来ると今まで見なかった植物もチラチラ見られ始めた。


変異植物・マヒホウカ

 黄色い花の花弁には麻痺毒が付いており、触れた部分がヒリヒリする。麻痺に対する薬の材料になる。


変異食魔植物・ネコトリスミレ

 獣型魔物、特に猫型の物を捉えて栄養とする植物。茎の部分からアルコール分の液体を出し、それが気化することで、周囲の生き物を錯乱状態にする。人は個人差はあるが、酷くてもホロ酔いまでしかならない。スキルで特殊な加工をすることで素材となる。


「俺が前に通った時からあまり変化が無かったけど、こんなのが生えてたのか。」

「あんたはお酒にかなり強いから効かなかったんでしょうね。」

「私は、少しテンションが上がりやすくなっている感じでしょうか。」

「私は、何も感じないね。」

「ニシシ。二人とも大丈夫そうだけど、舞ちゃんは・・・。」

「・・・ウィー、カワイイ。とってもカワイイ、やっぱり異世界と言えば、モフモフ召喚。・・・なんだか、フワッフワする。楽しい♪」「ウィ♪」

「舞のお嬢ちゃんは、少年たちに比べてもかなりアルコールに弱いみたいだな。」


 他の3人に比べても、明らかに星野が酔っていた。饒舌でいつもの無表情とは打って変わって、常にニコニコしているのだ。


対睡草 アンチアルハス

 大気中にアルコールを一定量異常含む環境を好むハスの様な植物。その葉は、空気中のアルコールを吸い、水と栄養に分解、花を真っ赤に染める。酔い止めの薬の材料になる。


「星野さんの状態的にも、日の傾きぐわいからしても、そろそろ戻ろう。今日中にこの植物で酔い止め作っておくよ。」

「そうですね。未来さん、舞さんをおんぶして上げてください。私が弓と矢を預かりますので。」

「りょ。ほら舞、こっち来て。」

「・・・うん、行く〜。んん~、未来の背中、温かい♪」

「ニシシ。アタシの子はとてもカワイイ。」

「「「「「同感。」」」」」



酔い止め薬(G)

 乾燥させたアンチアルハスの葉を磨り潰した粉薬。ホロ酔い程度ならば、先に飲んでおけば2時間は効果が持続する。







24日目

 この日も午前中はレベリングに勤しんだ。因みに、星野は酔っても記憶が残る方のようで、昨日の出来事が恥ずかしいのか、いつも以上に口数は少なく、少ししたを向いていた。


ステータス

華ノ宮 湊霞(地球:人族)

職業:下位錬成師(下級職)Lv9〈残りSP0〉

スキル

上級

Lv1

鑑定

下級

Lv3

下級錬成魔法、基本武術(剣)、魔力強化

Lv2

自然回復強化(魔力)、攻撃力強化

Lv1

下級魔法(全)

レベルなし

流剣、状態異常耐性(麻痺、毒)、パーティー化

アリス:創造神


九条 凛(地球:人族)

職業:下位土魔法使い(下級職)Lv2(残りSP0)

スキル

中級

Lv1

中級魔法(土)

下級

Lv2

魔力強化

Lv1

下級魔法(全)

レベルなし

パーティー化

ガイアラ:大地神


鮫島 未来(地球:人族)

職業:下位弓使い(下級職)Lv2(残りSP0)

スキル

下級

Lv2

基本武術(弓)

Lv1

体力強化、走力強化、命中率強化

レベルなし

連弓、パーティー化

アルミス:狩猟神


星野 舞(地球:人族)

職業:下位召喚使い(下級職)Lv2(残りSP1)

スキル

中級

Lv1

召喚魔法、下位契約魔法

テミス:契約神


連弓

 連射がしやすくなる。他の特殊武術スキルとの併用はかなり難しい。


「やっぱり、九条ちゃんたちはあんたに比べて、レベルが上がるのが早いわね。これは、ラヴァファングの方のレベリング場に連れて行くと、もっと早く上がるかも。」

「だが、それだとスキルレベルが上がりにくくなる。少しずつ慣らして、スキルを使うようにしないとな。」

「なるほど、華ノ宮くんはそこまで考えて、この狩場を使ってたのですね。」

「マジで、私たちのことよく考えているじゃん。」

「・・・。」

「ニシシ。舞ちゃんはもう少し、待って欲しい。まだ、恥ずかしいみたい。」

「舞、気にしないのだ。人間誰しも失敗の1つや2つあるものなのだ。」

「俺たち神がそれを言うと、重みが出るぜ。」

「まぁ、誰よりも長く我が子たちを見てきてるからね。」



 そして、昨日同様、今日も川の下流に向かって探索をして行く。今日は、訓練も兼ねて鮫島、星野が索敵を兼ねた先行をする構えで進む。


「・・・木が低い。」

「そうだね。湊霞、ここから大きな木だけじゃなくて、所々低い木が生え始めたよ。」

「にしても、元の世界でパルクールしてただけあって、未来さんはあんな高いとこの枝の上をぴょんぴょん進みますね。」

「あぁ、だからこそ、先行に向いている。一応、装備的にも、そっち方面の補助をしていくつもりだ。」

「あんたは本当、よく考えてるわね。」


変異植物・クロロチョウ

 10m程のイチョウの様な木。周囲に睡眠性の胞子を散布している。しかし、少し感覚を鈍らせるほどの催眠性しかない。催眠効果のある薬の材料になる。


光草・ライトラン

 蘭のような見た目であり、花弁が淡い色を出している。昼間はいいが、夜間では弱めの錯乱効果を持つ。その蜜は、とても甘いが少し雑味も持つ。


「お!なんか甘い香りがし始めたよ。」

「・・・果実、多い。」

「果実ですか。食用の物が多いと良いですね。正直、食卓にまだまだビタミンが足りないと感じてましたので。」



 先行してた鮫島は、素早く巨大樹から降りると近くに見えた青いイチゴのような果実に手を伸ばす。するといきなり、近くのいちごから歯が生え、噛みつこうとした。


「うわっ!??」


 鮫島は慌ててバックステップをすると、青いイチゴの群生地から擬態した50cm程のネズミが現れた。その身体は、近くにあった青い果実と草に似ており、顔と手足、尻尾が無ければ一本の茂みにしか見えないものであった。


「こら、未来さん。不注意にも程があります。」

「・・・油断大敵、バカ未来。」

「うぅ、自業自得とは言え、二人とも酷いよ。」

「いいから、戦闘だ。ほら、周りからもワラワラ出てきたぞ。」


 湊霞が剣を両手に構えると周りから、様々な果実に擬態してたネズミが現れた。その数、十数体。1体1体が前歯をガシガシと鳴らして睨んでいる。


「一先ず、俺が前に出てる。打ち漏らした者や俺の背後に回り込んで来た魔物を3人は随時撃退してくれ。」

「わかりました。」「りょ。」「・・・わかった。」


 片手剣を大きく振り目の前のネズミを攻撃する。ネズミは体力は無いのか、割と一撃で絶命するものの、数が多く、ワラワラと出てくるので、後衛3人は常に攻撃し続けなければならなかった。



 討伐数が三十に到達した頃、最後のネズミが体を貫くウィーの体当たりによって倒された。


「やっと終わったな。」

「もう魔力が限界です。」

「私も矢の残弾がヤバい。」

「・・・ウィー、ごめん。召喚維持出来ない。・・・少し戻って。」「ウィ・・・。」


 3人が肩で呼吸していると、湊霞は黙々と解体を始めた。


魔物・フルーツマウスLv1〜3

 見た目が果実のようであり、果物の群生地にて擬態をしながら過ごす。群れで行動し、一つの群生地で数十から多ければ数百居ることもある。食べ続けた植物に擬態が可能であり、様々な擬態先がある。


フルーツマウスの毛皮

 とても甘い香りがする。しかし、食用ではない。微弱の食中毒をもたらす。


フルーツマウスの肉

 とても芳醇な香りがする。とても栄養が豊富だが、食用では無い。強力な嘔吐を引き起こす。


謎謎種

 フルーツマウスの体内で生成される種。育てることでフルーツマウスが今まで食べた果実からランダムで生まれる。フルーツマウスの死体から生えてくることもある。


「なんか、マジで地球のネズミと一緒で病原菌の塊みたいな状態だな。」

「そうですね。もし鑑定がなかったら、この香りで食べてしまう人が出てしまうかもしれません。」

「・・・もう遅い。」

「ニシシ。この子たちは可愛そう。」

「我が子じゃないみたいね。」

「少し安心ですね、アリス様。」

「「え?」」


 九条と鮫島が星野の見る方を見ると、激しい嘔吐した後と人の死体が4つあった。腐敗まではしてないが、近くにフルーツマウスの死骸があることから、知らずに食べて体調を崩したのが分かる。


「「!オエェェェェェ。」」

「二人とも、慣れろとは言わないが、こういうのは増えてくると思うぞ。」

「あんたは、なんでそんな真顔なのよ。星野ちゃんでさえ、少し顔をしかめているのに。」

「一応、覚悟してたのもあるが、人の死体は始めてじゃないからな。」

「少年、強すぎるぜ。」

「・・・でも、なんで死んだ?」

「多分、周りの果実に混ざってこれを食べたからだろう。」


変異植物・コブラフルーツ

 ヘビの鱗の様な果実をつける植物。白い実は何処か綿菓子のような食感だが、遅延性の毒を持ち、3日後には呼吸をできなくなるような内臓の麻痺を起こす。


興奮果実 ハイドラゴフルーツ

 赤い燃えるような見た目の果実をつける植物。興奮作用と少量のアルコールを含む。食べすぎると酩酊状態になることもある。酒を造る材料になる。


魅了果実 チャームキイチゴ

 青いキイチゴの様な果実をつける植物。果実には、性的興奮を促す作用があり、個人差はあるものの、食べ過ぎれば性欲が肥大化する。魅了に対する薬の材料になる。


栄養果実 ビタミワ

 ビワの様な果実をつける植物。ビタミンが豊富であり、生で食べれば独特の雑味がある。ドライフルーツにすると仄かな甘みが雑味を消す。


鎮静果実 バルミタールブドウ

 紺色の葡萄の様な果実をつける植物。鎮静作用を持つ成分を含む。生で食べれば、効果は薄いが乾燥させることで成分が凝縮する。鎮静薬の材料になる。


治癒草 ヒールリーフ

 治癒効果のある草をつける植物。青々とした草には治癒効果があり、傷口に押し付けるだけでも治りが早くなる。回復薬の材料になる。


爆笑果実 ハッピーマンゴー

 マンゴーの様な果実をつける植物。笑いを誘う興奮作用を持つ成分を含んでいる。興奮剤の材料になる。


「何、このあたりとハズレの量。めっちゃ果実あるけど、知らないとマジでヤバイじゃんこの群生地。」

「・・・悪質な罠。」

「作為的なのを感じますね。」

「「「「害神ね。」なのだ。」だろうぜ。」と思う。」

「今日はここで一泊して、明日は午前中は先の探索、夕方はラヴァファングのトラップ地帯でレベリングしよう。」


 4人は巨大樹の上でハンモックを用意すると交代で睡眠をとる。







25日目

「さて、それじゃ更に下って行こう。ここまで戦闘をこなしつつ、慎重に進んできたが、その気になれば多分3時間くらいで仮拠点から来れる距離だと思う。」

「そうですね。少し扇を描くように探索してますから、直線距離ならもっと早く来れますね。」

「あぁ、そこで今日は更に下って、直線距離で片道6時間位の所までは見ていこうと思っている。」

「りょ。なら、また私が、先行するね。」

「応!行くぜ、未来!」

「・・・暑苦しい。アホ未来。」

「ニシシ。舞ちゃんは今日もキレッキレだと思う。」



 更に下流に向けて、4人は向かう。森の木々は徐々に低くなり、地球でも見るような低さの木も見られるようになった。


変異植物・キンショウジャスミン

 金色の花弁が特徴的なジャスミンの様な植物。蜜には依存性を持たせる甘さがあるが、乾燥させた花弁や葉は、リラックス効果のある茶葉となる。蜜もスキルを用いれば材料となる。


落砲樹 ハレーガラス

 ガラスで出来た花弁を落とすハレーシアの様な植物。ガラスの花弁で種子を守り、ある程度の大きさに成長すると花弁を落とす。落ちた花弁は材料となる。


光草樹 ライトカエデ

 夕方から朝にかけて赤く光る葉をつける植物。地中の魔力を吸って光に変える。幹からは甘い蜜が採れるが、雑味が混ざってる。



「んん~、舞、あれ魔物だよね。」

「・・・多分、擬態。」

「あれは、少し勿体ないぜ。少し前の巨大樹でなら擬態できてたのに、低木の中だと目立ってやがる。」

「多分、植物型の魔物だと思う。注意しながら進もう。」


 湊霞が剣を構えつつ、30m圏まで近づくといきなり、魔物の木が揺れ始め、それが静まったかと思うと、魔物の木の周りに鋭利な水の針が現れ、湊霞を襲う。


「ジュアァぁァァ!」


「っ!・・・『アースウォール』!」

「我が子、ナイスなのだ!」

「鮫島さん、星野さん、さっき、魔法を使うとき根元から1m程上の中心からやや右側が青く光った。そこが多分魔石があるウィークポイントだ。集中砲火。」

「りょ。」「・・・ウィー。」


 湊霞は左右にジグザグ移動で狙いを定めにくくした状態で距離を詰めるように進む。鮫島は、魔物の木を中心に大きく円を描くように、木の上をひょいひょいと飛び回りながら矢を放つ。星野は、ウィーに体当たりによる攻撃と共に、ターゲットを誘う動きを指示する。


「青く光りました。また、魔法が来ます。・・・『アースウォール』!」

「鮫島さん、回避に集中!星野さんはウィーを九条さんの魔法の裏に逃がして!」


 そして、魔物の木は水の針を放つ。しかし、しばらく経つと威力が弱まってきた。


(仕留める!)

「鮫島さん、援護頼む!『流剣』」

「りょ。一気に仕留めてね、『連弓』!」

「舞さん、私たちはこの攻撃の後への保険です。」

「・・・わかってる。」


 湊霞は今だ放たれる威力の弱まりだした水の針を剣で川の流れのように受けながら距離を詰める。鮫島もニ連続で放つ矢で対応する水の針の数を減らす。

 距離が3m程まで縮めると湊霞は地面を強く踏みしめ、青く光る部分に片手剣を深々と差し込む。そして、魔力を込めると片手剣が燃え始め、魔物の木が葉を全て落とし、真ん中から割れた。


魔物・ミラージュツリーLv2

 近くの木に蜃気楼を使って擬態する植物型魔物。実際の肉体は切り株であり、近くに来た生き物を倒し、根で真下に取り込み、栄養を吸う。


ミラージュツリーの木材

 湿気を持つ木材。乾燥させることで吸水性の高い木材となる。スキルを使い、ある特殊な加工をすると材料となる。


水魔石:小

 水の属性を持つ魔石。素材として用いられる。


「木材は今のところ、湿度管理にしか使えそうにないな。」

「ねぇ、それよりあんた、あれ見なさい。」


 アリスの指さす方を向くとそこには大きな水の水平線が見えた。


「す、すごいですね。対岸が見えません。これは海でしょうか。」

「凛!?違うよこれ、湖だ。水が塩っぱくない。」

「なんで、鮫島ちゃんは何も躊躇いなく、水を舐めてるの?」

「ニシシ。毒の湖とは思ってない。」

「・・・未来、バカだから。」

「みんな酷いよ。確かに私の不注意な行動だけど〜。」


 鮫島が湖から離れようとすると、その背後にいきなり海面から飛び跳ねた魚が水鉄砲の様な、魔法を口から撃ってきた。


「未来さん!横に飛んでください!」

「え!??」


 鮫島が横に飛ぶとその横をギリギリで水鉄砲が飛び、その先の木を貫通した。周りにひび割れ一つない高圧で打ち出された水鉄砲である。


「無駄なひび割れがない。しっかり力が収束している証拠だな。俺が前で盾役をする、みんなは遠距離攻撃で応戦をしてくれ、『流剣』。」


 湊霞は素早く鮫島と湖の間に走り込み短剣を両手に構える。

 すると、先ほどの魚が更に水鉄砲を飛ばしてくる。これを、剣で流す。水鉄砲が当たる直前、魔力を込めて短剣は硬化している。瞬間的に光るそれは、まさに特撮の火花である。

 それでも3〜4回受けると短剣にヒビが入り、それから数回で短剣は破壊される。そのたびに、短剣を抜く。


「よーく狙って。・・・ここ!」

「・・・ウィー、警戒。効率バカ、手助け。」「ウィ!」

「・・・『アースエッジ』!」


 後衛からの矢と土魔法による砂の刃で魚は絶命した。

 湊霞は湖に飛び込み、死体の回収をする近くに植物も見えたのでついでに鑑定する。


魔物・キリウオLv1

 ヒレがカッターのようになっている魚で、水の中を素早く動く。その身は抵抗を無くすため柔らかいが強い衝撃で硬化する。


キリウオの身

 とても柔らかく脂身が少ない。さっぱりとした味わいがある。


キリウオのヒレ

 鋭利なヒレ。道具加工の材料となる。武器には向かない。


水魔石:極小

 水の属性を持つ魔石。素材として用いられる。


原光草・グリップロッディ

 ツタ状の水草で、黄色く光る実を付ける。魔力の豊富な水を好み、水を浄化する作用がある。


「思ったより、ここはいろいろありそうだ。予定変更で今日はここで魔物の確認をして明日のお昼過ぎに仮拠点へ移動を始めよう。」



 その後、湖について確認してみた。因みに、全貌は分からなかった。ちょっと探索したくらいでは対岸に行くことすらできなかったのだ。

 4人の予想ではこの巨大湖は一番水深が深い所で数百メートルあるとみている。湊霞が少し潜ってみたが、死体が回収出来たのが奇跡のように、魔物の巣窟であった。







26日目

「今日はこの辺りを調べる。1つ1つ調べればここを一周するのは午前中のみで済むはずだ。そして、帰りにコルヌラビットのトラップでレベリングしよう。」

「ただ、これはかなり広いから、あまり詳しくは調べられないでしょうね。」

「まぁ、その辺りは考えてある。」



 そして、4人は少し早歩きで湖を見てみた。しかし、日が傾くと対岸が見えるのみで全く終わらない。


「ヤバいな、まさかここまでデカイとは。」

「もしかしたら、日本の琵琶湖より広いかもしれませんね。」

「確かに、今の私たち結構足が速いはずだから、前の世界の自転車とかと変わらない速度で歩いてるはずだもんね。」

「・・・クソデカ湖。」


 4人は、更に一泊を余儀なくされた。因みに、途中でちょくちょく魔物にエンカウントしているので、レベルも上がっている。


ステータス

華ノ宮 湊霞(地球:人族)

職業:下位錬成師(下級職)Lv10〈残りSP0〉

スキル

上級

Lv1

鑑定

下級

Lv3

下級錬成魔法、基本武術(剣)、魔力強化、自然回復強化(魔力)

Lv2

攻撃力強化

Lv1

下級魔法(全)、自然回復強化(体力)

レベルなし

流剣、状態異常耐性(麻痺、毒)、パーティー化

アリス:創造神


九条 凛(地球:人族)

職業:下位土魔法使い(下級職)Lv3(残りSP0)

スキル

中級

Lv1

中級魔法(土)

下級

Lv2

魔力強化、下級魔法(全、土)

レベルなし

パーティー化

ガイアラ:大地神


鮫島 未来(地球:人族)

職業:下位弓使い(下級職)Lv4(残りSP0)

スキル

下級

Lv2

基本武術(弓)、体力強化

Lv1

走力強化、命中率強化

レベルなし

追弓、連弓、剛弓、パーティー化

アルミス:狩猟神


星野 舞(地球:人族)

職業:下位召喚使い(下級職)Lv3(残りSP2)

スキル

中級

Lv1

召喚魔法、下位契約魔法

テミス:契約神


自然回復強化(体力)

 魔力の自然回復の効率がレベルが高いほど良くなる。


下級魔法(土)

 土に関する現象を起こせる。また、現実に干渉する。しかし、干渉力は弱い。


追弓

 矢の軌道を大きく変えやすくなる。他の特殊武術スキルとの併用はかなり難しい。


剛弓

 溜めを作ることで威力を上げやすくなる。他の特殊武術スキルとの併用はかなり難しい。



水吸樹 オニミズルミ

 水分を含む大きな実をつけるオニグルミの様な植物。地中の水分を吸い上げるため、水辺の近くにしか生えていない。実は柔らかで豊富な水分を持つ。


変異植物・アクアヤメ

 生き物が近くを通ると葉から催眠性のシャボン玉を出すアヤメの様な植物。催眠効果は遅延性なので、気づかずに身体の機能が低下する。


栄養樹 クロカキ

 黒い見た目のカキの様な植物。実には豊富で多種多様なビタミンが含まれている。しかし、紫色に近づくと渋みが深まる。


生地草 シルクガマ

 シルクの元となる繊維が採れるガマの様な植物。スキルが無くても加工は出来るが、スキルにより加工することで、ランダムで耐性を持つ生地ができる。


変異植物・ココサツキ

 かなり目立つ赤色の花をつけるサツキの様な植物。魔物を挑発する色を発する為、魔物を惹きつける。この色は、人間には知覚できない。







27日目

「さて、今回でこの湖を踏破したいな。」

「そろそろ、おうちのマイハンモックが愛おしいよ。」

「未来のお嬢ちゃん、俺も仮拠点には帰りたいが、あのハンモックとこの野営用ハンモックに違いはないと思うぜ。」



 そして、この日のお昼過ぎ、遂に一周を達成した。ここで分かったことは、この湖の一周は約380kmあることである。

 その後、帰りにコルヌラビットのトラップでレベリングをした。


「かわいそうな、ナレ死のモンスターなのだ。」





28日目

「さて、予定より、かなり遅くなったが今日は丸一日ラヴァファングのトラップ地帯に籠もってレベリングだな。このココサツキも植えて、効率アップも狙えそうだ。」

「レベルの目安はあるのですか、華ノ宮くん?」

「確かに、決めないとずっとしてそうなのだ。」

「一応、全員が単独でラヴァファングを倒せるくらいまでだ。」

「・・・私、一番、低い。」

「ニシシ。舞ちゃんは自分が一番足を引っ張る気がしてるみたい。」

「舞、気にしなくていいよ。湊霞の事だからその辺りも注意しているはず。」

「確かに、少年は意外と気を使えるよな。」



 その後、4人はラヴァファングを狩りまくった。因みに、ココサツキの効果は余りにもデカかった。湊霞は、常に単独で討伐する(進化寸前の個体は全て和也が処理)。残りの三人は基本は交代でメインを変えつつ、三人で討伐していた。


ステータス

華ノ宮 湊霞(地球:人族)

職業:下位錬成師(下級職)Lv13〈残りSP0〉

スキル

上級

Lv1

鑑定

下級

Lv3

下級錬成魔法、基本武術(剣)、魔力強化、自然回復強化(魔力)

Lv2

攻撃力強化

Lv1

下級魔法(全)、走力強化、自然回復強化(体力)

レベルなし

流剣、連剣、状態異常耐性(麻痺、毒、催眠)、パーティー化

アリス:創造神


九条 凛(地球:人族)

職業:下位土魔法使い(下級職)Lv4(残りSP0)

スキル

中級

Lv1

中級魔法(土)

下級

Lv2

魔力強化、下級魔法(全、土)

Lv1

自然回復強化(魔力)

レベルなし

パーティー化

ガイアラ:大地神


鮫島 未来(地球:人族)

職業:下位弓使い(下級職)Lv5(残りSP0)

スキル

下級

Lv3

基本武術(弓)

Lv2

体力強化

Lv1

走力強化、命中率強化

レベルなし

広弓、追弓、連弓、剛弓、パーティー化

アルミス:狩猟神


星野 舞(地球:人族)

職業:下位召喚使い(下級職)Lv3(残りSP2)

スキル

中級

Lv1

召喚魔法、下位契約魔法

テミス:契約神


状態異常耐性(催眠)

 催眠に対する耐性が強くなる。


連剣

 剣による連撃がしやすくなる。他の特殊武術スキルとの併用はかなり難しい。


広弓

 矢の同時射出がしやすくなる。他の特殊武術スキルとの併用はかなり難しい。


本編より幕間話の方が増えそう。


いつもはYouTubeで活動してます。

この作品の裏話や挿絵、紹介動画なんかもしていくつもりなので、見に来てください。

https://www.youtube.com/channel/UC3wzuZXPJ0Izmji-vlTWgdg

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