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皇帝暗殺  作者: 日向影虎
【第一幕】 The Bard
1/47

プロローグ

12/25 深夜をもって47epで完結しています。


とりあえず終わったので、カクヨムでも順次掲載始めました。


喜劇か悲劇か、この舞台を楽しんでいただければ。。。




 人生はあらかじめ定められている。

 だが、それを知ることはできない。




 ※  ※  ※

 

 帝国歴330年、皇帝カルスが死去した。

 帝都レムシアの南にある静養地に滞在し、その帰途であった。


 その時、皇帝は小休止で立ち寄った郊外の小屋にいた。建物には近衛騎士隊長のディオスと二人だったという。そこで突然の発作を起こし、人が呼ばれて集まった時には、すでに琴切れていた。

 目撃者は隊長のディオスただひとり。

 彼はまず自分の潔白を主張し、突然、苦しみ、咳き込み、膝をつき、倒れたと証言した。


 同行していた主治医が死亡を確認し、遺体を検分したが、傷ひとつなかった。毒死の所見も見当たらなかった。かねてよりの贅沢三昧、不摂生は誰もが知るところであり、病死であることに誰も驚くことはなかった。


 しかし、この死については、市井の多くの人々が「暗殺」であろうと噂していた。そして殺したのは近衛騎士であろうこともほぼ真実のように広まっていた。


 なぜなら理由は三つある。


 新皇帝は近衛騎士隊長のディオスだったからである。


 そして、帝国の歴史上、近衛騎士に暗殺された皇帝はひとりやふたりではない。


 また、暗殺された歴代の皇帝の類に漏れず、カルスは統治者として愚帝であった。


 ただ、これまでの暗殺はいずれも議場、宮殿の庭園、馬車での行幸中など、人目のあるところでの刃傷沙汰だった。だが、今回はその場にいたのはただひとり、ディオスだけだった。


 いずれにしろ無血で政権交代したため、混乱は少なかった。


 新皇帝ディオスは平民から近衛騎士隊長にまで上り詰め、数々の武勲を誇った英雄であった。帝国民から慕われ、そもそも次期皇帝と待望されていた人物であった。


 だから暗殺であったとしても、それは人々の関心ごとではなかった。


 国民は拍手喝采で新皇帝を迎えた。

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