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ちゃっかり夏祭りデートを

「よしこんな感じでいいかな、ちゃんと貰ったヘアピンもつけてるし」


1人でいい感じに浴衣の着付けができた。ちょっと前におばあちゃんにも教えてもらったし、一応動画で確認しながら着付けをしたから当然ではあるけど。


「いってきまーす」

「陽葵ー!これ忘れてる巾着」

「ごめんごめん」


スマホと財布の入った巾着を忘れていたけれど、いつも通り学校への登校と同じルートで学校近くの駅に向かう。


「ごめんごめん、少し遅れた」

「大丈夫、早く夏祭り行こ」


駅からお祭りのやっている神社の方向へ、4人で向かう。ここのお祭りは、毎年やっていてここら辺では結構大きめのお祭りでいつも楽しみにしている(今年は、一葵君に会えるかもしれないからそれも楽しみ)。


「いやーやっぱり屋台多いね。ま、最初はとりあえずたこ焼きでしょ」

「早速なんか食べるんだね。じゃあ探そうか」


毎年やってると言っても、屋台の位置は年によって変わるため毎回どこに何かがあるかを案内図か自力で探している。


「お、あったあった。すみませんこれひとつ下さい」


運良く焼き途中にたこ焼きを買うことが出来たらしく、熱々のたこ焼きがでてきた。


「陽葵私一つだけ貰ってもいい?なんか普通のやつとは、別の指さしてたよね何にしたの?」


私のたこ焼きを口に入れながら聞いてくる千秋ちゃん。


「何って、15個中8個中身ランダムたこ焼き」

「まず、なにこれコチュジャン?たこ焼きの生地にあわな。よく買う気になったね」

「いやー気になっちゃって。お、あんこだ美味し」


このランダムたこ焼きの中身は、コチュジャンとあんこの他にさつまいも、マシュマロ、トロなど中身は普通だったり食べにくかったりだった。


「よし、気を取り直して次行こう人増えてきたからはぐれないように」

「でもさすがにこの人数だし、誰かはぐれたら誰かきずくでしょ」

「まあそうだよね」


そんな会話をしてから、10分私は人の並に飲まれ綺麗に1人はぐれました。


「もう、なんで私だけ?まあ、とりあえず電話を…圏外」


私が来た時よりもさらに多くの人が来ているため、スマホは圏外で連絡が取れなかった。


「とりあえず人が少な所か、わかりやすいところに」


休憩所、屋台裏など探してみたもののみんなは見つからなかった。


「すみませんチョコバナナ1本ください」

「あいよー、お姉ちゃん可愛いからサービスこれ多めにかけといたから」

「わーありがとうございます」


屋台のおじさんが、チョコレートスプレーをサービスしてくれた日々の得って大事だなー。でもチョコバナナは、食べ歩きに向かないから人が少ないところに移動しないと。


「んー、甘くておいし。チョコバナナ作った人天才でしょ」

「あ、あのすみません。神楽坂さんですか?」

「はいそうですけど」


私が屋台裏で1人でチョコバナナを食べていると、1人の男子が話しかけてきた。

(この人誰だっけ?たしか同じクラスのバスケ部の…あ!|細木(ほそぎ)君だっけ)


「ど、どうしたの細木君?」

「あ、あの話があるのでもし良かったら着いてきて貰ってもいいですか?」


ギリギリで思い出した、名前があっていたらしい。とゆうか話ってなんだろう少し気になるな。


「うん別にいいけど、私たまたまいま1人だから」

「ありがとうございます、じゃあとりあえず上の神社の所に行きませんか?」


上の神社に行くための少し長い階段をのぼり、神社の本殿までやってきた。細木君の提案で本殿の裏で話をするそうな。ちなみに本殿の周りにはほとんど人がおらず、高さがあるから眺めが結構良い。


「で、話ってなんなの?」

「は、はい。今から話します」


何故か緊張しているらしく、呼吸を整え顔を叩いてやる気を入れている。

(今思ったけどこのシチュは…)


「陽葵さん!入学した時からずっと好きでした、僕と付き合ってください」

「ありがとうでも、私なんかが君に惚れられるような部分あったけ?」

「私なんかとか言わないでください、陽葵さんは僕みたいなやつにも優しいし、しかも人によって忖度しないしその…とっても可愛いとか他にも沢山いい部分があるんですよ」


情熱的に私の良さを上げてくれる、そこには真剣と緊張の混ざった声と顔があった。


「わかったでも私の事そんなに好きでいてくれるのは、嬉しいんだけど…ごめんなさい今好きな人がいて」

「そうですよね、僕みたいな顔普通なやつが陽葵さんみたいな人と付き合えるわけが無いか。すみませんでした」


細木君がそう言うと踵を返して、走り去っていく。そんな速度で逃げられると、もうちょっといい言葉で返せたのかもと

反芻してしまう。


「ちょっとまって、別に顔ってわけじゃ…行っちゃったまあしょうがないかな、ん?人の感触」


浴衣では上手く走れず細木君の足の速さも相まって、追いつけなかった。その後歩くのに疲れ壁に持たれようとしたら、人がいたらしい。


「ごめんなさい私誰もいないと…て、一葵君!?」

「あ、ごめんなさい告白盗み聞きしてしまって」


(ちょっと待って、告白聞いてたってことは私の好きな人がいるも聞かれてたかもしれない。でも聞かれないってことは、聞こえてなかったのかもね。でも一葵君に会えたのは嬉しい細木君には、悪いけどありがとございます)


「いや、まあ別にいいんだけど。てゆうか、一人で来たの?」

「妹と来て、友達と回ってたんですけど。さっきはぐれちゃって」

「へー、そうなんだ実は私もなんだよね。迷子仲間だね」

「そうなんですか、じゃあここに呼んできてもらいましょうか」


せっかく運良く一葵君と会えたのに、このまま少しの時間だけ話すのは嫌だ。何か方法は…


「ちょっとまって、ここで待つのも暇だし一緒に回りながら探さない?実際、こっちから連絡できてもあっちが受信出来ないかもしれないしさ」

「そうかもですけど、僕が神楽坂さんの友達の顔を知らない問題が」

「はいこれ、なんとなくでもいいから全員覚えといて」


少し前に撮った、みんなとの写真を見せてできる限り覚えてもらう。


「分かりました、頑張ってみます。僕の方は、写真あるかな」

「雨川君だっけ多分大丈夫、前に少し話したことがあるから」


雨川君のことを知っているのは、前に千秋ちゃんと3人で話す機会があったから知っていた。一葵君の友好関係を知っていたのは何となく把握していたからだ。


「じゃあ行きましょうか、回りながら友達を探す旅へ」

「旅じゃないけどね」


(よくよく考えたらこれは、夏祭りデートとゆうやつでは?一葵君は気にしてないかもしれないけどね)


「お、あったあったりんご飴。だいたい祭りにあるから嬉しいんだよね。1つください」

「一葵君って結構甘いの好き?」


この間のベビーカステラも美味しそうに食べてたから、もし甘いものが好きならお菓子作りも勉強しないと。


「まあ、好きな方ではありますね。この間のベビーカステラも美味しくいただきましたし」

「え!あれ全部一人で食べたの?結構凄いね」


袋に半分くらいまだ残っていたのに、全部一人で食べたってことは相当な甘党な気がする。


「あと欲しいものは…あ、横にあったそこの狐のお面ください」

「なんでお面?」


一葵君がりんご飴の屋台の隣にあったお面屋で、木彫りの狐の面を買っていた。


「さすがに、神楽坂さんが僕みたいなのと歩いてると変な噂が立って後処理が面倒くさそうなので、それなら顔を隠そうかと」

「もう、別に私気にしないのに。それで噂が立っても嬉しいし」

「なんか言いました?」

「い、いやなんでもないよじゃあ探しに行こうか。」


考えていたことがついつい口から出てしまったらしい。もし聞かれた時は、聞かれた時だけど。

一葵君のりんご飴が無くなったあと、みんなを探しながら屋台を回って今は射的をしていた。


「一葵君当たらないんだけど」

「まあ、そんなもんじゃないですかね。じゃあ僕も」


私の身長では、狙っても半分くらいしか届かないしそもそも普通に狙っても景品に当たらなかった。


「多分行けるはず…」

「あ、はずした。その距離で外す?」

「いや、これはお面で前が見にくいだけです」

「じゃあ、外しなよ歩いてる時も歩きにくそうだし」

「それは、神楽坂さんと僕のためと言いますか、とりあえず外しません」


(私の事考えてくれるのは嬉しいけど、もうちょっとデートぽくしたい)


「そう、ならいいけど次行こ…あー流されるー」

「あ、ちょっま」


屋台から離れ道に出ようとしたら、人の波に流されそうになったところを一葵君が手を引いて引き寄せてくれる。


「大丈夫ですか?怪我とか」


(うそ、顔近い顔近いお面してるとはいえさすがに耐えられない)


「う、うん大丈夫。とりあえず近いから少し離れて」

「あ、すみません」


突き放すみたいな感じで言ってしまっけど、嫌味な感じに捉えられてないといいけど。


「それにしても人増えましたね。このまま人混み入るとさっきの二の舞になりますけど」

「そうだねー、じゃあ手繋がない?」

「え、手ですかそこまでする必要は…」

「なに、それとも腕組みたい?」

「手でお願いします」

「よろしい」


一応一葵君から、手を繋ぐ許可が降りたから手を繋ぐ。もちろん恋人繋ぎで。


「あの神楽坂さん、そんなにがっちり握らなくても大丈夫だと思うんですけど」

「え、知らないの?恋人繋ぎ」

「あーそうかこれ。恋人繋ぎかでも神楽坂さん恥ずかしいなら、やめた方がいい気がしますけど。顔赤くなってますよ」

「い、いや恥ずかしくないから。暑いだけだから。あと人混みではぐれたら心細いから」


(やった、やった一葵君と恋人繋ぎのまま行ける。でも、周りから見たらどう見えるんだろう?下手したら一葵君のお面のせいで、レンタル彼氏的なのに見えてるかもしれないけど、カップルに見えるならいいかな)


「あのー、すみません店の前でイチャイチャ見せつけないで貰ってもいいですかね」

「あ、すみません神楽坂さん行きましょうか」

「う、うんわかった」


「全然見つからないね、このままだと花火始まっちゃうよ」

「この夏祭り花火やるんですか?」

「え!知らなかったの?毎年やってるんだよ。しかも普通よりも少し規模が大きいんだ」

「いやーこの祭りきたの初めてで。この際探すの諦めて一緒にみますか?まあ、じょうだ…」

「ど、どうしたんですか?そんなに期待の眼差しを向けて。もしかして僕と見たいんですか?」

「い、いや違う。冗談言われたから私も冗談で返しただけだから。ほんとに冗談だから」


つい言われた一言に凄い希望を見いだして、一葵君を見ていたけど冗談だった。私は、全然嬉しいのに。


「で、でもそれは最終手段としてやるのもいいかもね。私花火よく見える場所知ってるから」

「そうなんですか、じゃあもしもの時は楽しみにしておきますね」

「ま、まあ任せてよ。」


昔親と来た時に、教えてもらった花火の絶景スポットがあった無くなってるか私が忘れてない限り大丈夫なはず。


「そういえば、僕ラムネ飲んでませんでした」

「あ!私もだ買いに行こ」


以外にも夏祭りに来たとゆうのに、ラムネを飲んでいなかった。一葵君のことで頭が回っていなかったのもあるけど。


「お、ありましたよ飲み物の屋台。ラムネは…あった2本ください」

「どうぞ神楽坂さん」

「ありがと、お金」

「いいですよ別に、葉太探すの手伝ってくれてるお礼ってことで」

「いや、それ私も同じ…」


ここまで取り繕われると何か裏がある要な気がするけど、ここまで言われたら厚意を素直に受ける取るしかない。


「まあまあ、にしても浴衣にラムネって完全に夏って感じで似合いますね」

「そ、そうかな。でも一葵君も甚平似合ってるよ」


一葵君の甚平は、よくある全身黒の甚平に狐の面が付いてさらに、夏を意識させる。それにしても似合いすぎて気絶しそう。


「いやいや僕は、普通くらいですよ」

「そんな謙遜しなくても、狐のお面でさらに夏感あるし」

「あ!陽葵ちゃんいた!」


大きな声で叫ぶ千夏ちゃんの声が聞こえてきた。どうやら見つかったらしい。これでデートも終わりか。


「あ!やっと見つけた。どこいたの?」

「それは、こっちのセリフだよ陽葵ちゃん私たちから急にはぐれるんだもん」

「それでは、神楽坂さんさよなら。今度は、はぐれないようにしてくださいね」

「それ、私も言えることだけど…まあ、雨川君探すの頑張ってね。じゃあねまあ夏休み明けか、どこかで」


一葵君がどんどん離れていく、とても楽しい時間だったけど短くも感じた時間だった。


「なに?陽葵彼氏?それなら私たちのこと気にせず回ればいいのに」

「違うから、たまたま一緒に迷子になっただけだから」

「またまたー私見てたんだから、恋人繋ぎしてたくせに」


いじるような感じで問い詰めてくる千夏ちゃん。


「もう、うるさいなー気にしないでよ」

「はいはーい皆ー陽葵ちゃんは、彼氏よりも私達の方が大事みたい」


大きい声で皆にアナウンスをする、千秋ちゃんこのままだと今日の間ずっと擦られる気がする。


「だから、彼氏じゃないって!」

「あーつまり恋愛漫画後半くらいの仲と」

「何その分かるような分からないような例えは。とりあえずそんな仲でもないし、付き合ってもないから」

「ま、とりあえず相談があるなら誰にでも言ってよね」


この後もめちゃくちゃ擦られて、訂正してを繰り返した。できるなら私だってそんな仲になりたいのに。

お詫び

誠に勝手ながら投稿ペース等の兼ね合いで一葵君視点と陽葵ちゃん視点分けさせてもらうことになりました。

それでも面白いと思っていただければブックマーク、評価等々よろしくお願いします。

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