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平安女子のイケない食卓 ー 摂津源氏物語集 (3) ―  作者: クワノフ・クワノビッチ
11/12

(11)"兵の家"の家族になること

今日も、ギリギリです。

いつものことですが、乱文乱筆だったらすいません。

よろしく、お願いします。

 満仲様の娘となってからは、小萩の人生は激しく動き始めた。

 そして、貴族の家の娘になったが(ゆえ)の"生きにくさ"を感じることになったのである。

 例えば、見えないところで、運命が決められていくような不安や、それに簡単に抗えない閉塞感を感じた。

 まさに重々しい運命が、いきなり小萩の上に()()()()()()()()ような気がしたのである。

 また実際、小萩は満仲様の娘として、政争の駒として使われることになった。

 つまり、花山天皇の腹心の臣下である藤原惟成の妻になったからである。


 それでも、小萩が嫁ぐ話が決まりかけた時には、兄である頼光が気を遣ってくれた。

 おそらく、()()()というには年が離れ過ぎているので、小萩のことを()()()で見ていたからかもしれない。


「小萩よ! そなた、真に父上の勝手に付き合わされても構わんのか? 」

 ある日のことだ。満仲邸を訪れていた頼光に、小萩は問い(ただ)された。

 もちろん、その時、満仲様は不在だったのだが、

「そなたも、薄々、察しているだろうが、父上は万事、自由に、己の思った策は押し通してしまわれる方じゃ、……()()()()しておると、飲み込まれるぞ!

  それに、こんなことは言いとうないが、そなたは、元は養女(やしないご)じゃ、

 ……それも、我らの不始末に()()()()()親を失った子じゃ。

 よって、これ以上、そなたに無理は望まん。断りたければ、我から父上へ申す故、好きにするが良い! 」

 頼光は、こんな言いにくいことをわざわざ言ってくれたのである。


 花山天皇の時代は、帝を支えるような主だった貴族がいなかった為、初めから誰もが長く続かないと踏んでいたようだ。

 そのせいで、頼光はこんなことを言ったのだろう。

『……これではまるで、()()()()船に乗せるようなものだ! 』

 そんな思いから、頼光は小萩を心配してくれたのである。


 また、年を経て、父に代わって世事に対応するようになってからは、頼光の考え方は、満仲様のそれとは乖離(かいり)が激しくなっていた。

『源氏姓を頂いても、六番目の皇子の子で、大した官職に就けていなかった御祖父(おじい)様の時代とは違うのだ。

 今の我らは"兵の家"といえども、それ相応の家格であるべきだ 』

 そう思っている。

 つまり、満仲様か()()()()苦労して盛り上げてきた家ではあっても、これからは、頼光なりの今風(スマート)な遣り方で、さらに盛り立てていきたいと思っているからだ。


 なんと言っても、頼光は満仲ファミリーの長兄である。

 小萩のことも見過ごせないのだ。

 実を言うと、それが必ずしも()()()()()とも、ここぞという局面(タイミング)で、己の遣り方を押し通す満仲様に対しては、頼光も以前から物思うところがあったのである。

 確かに、満仲様の家は、他の源氏姓の者らに比べて()()()においては秀でているかもしれない。

 だが、国司になった父と共に地方に行くと、領民の生活を知ることになり、また、若い武人達の面倒を見るようになると、公正さに欠けてはならないし、己の利害だけ動くべきではない。ということを学んだからだ。

 それに、もし都の雅な上級貴族らと縁を結ぼうとするなら、満仲様のような"手段を選ばない遣り方"は、むしろ払拭(ふっしょく)するべきだと思ったからである。


 そして、……そんなふうに、生真面目な考え方をする、()()()()頼光のことを、小萩は心から敬愛していたのだった。



「いいえ、構いませんぞ! 兄上様 」

 頼光の問いに対して、小萩は、ほんの少しの間、考えているように見えたが、やがて()()()に話し始めたのである。

「その、……私のことを真に()()と思って頂けるのでしたら、私も()()()()(むすめ)として、喜んで嫁ぎまする! 」

 そう、小萩は笑いながら答えたのだった。





いよいよ、終わりに近づいてきました。

頑張って引き続き書きますので、また、よろしくお願いします。

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