表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/85

後退った日①-3-1

この世界に来てからおよそ一か月。


色々なことがわかり始めたマイレボリューション。誰かに伝えたいよここが地球じゃないかもしれないんだってMy Tears My Dreams今すぐ。


いやいや替え歌を歌っている場合ではない。命の危機である。


いつ止まるかわからないインフラにおびえながら過ごすこと三十日。私は家に備蓄されている資源を切り詰めるべくキャンプ生活を始めていた。


具体的に言うとイーコマースアプリサバンナで災害対策セットを買いあさってのサバイバル生活だ。


最近の日課はまず朝起きたら家の周りの散策。目的は水源を探すこと。ちなみに現在まで未発見。成果はゼロ。


小川を求めて家の周囲をちょっとずつ探索しているのだが、これがなかなかどうして大変だ。


思うように進まない。その理由はイレギュラーが起こりまくるから。


なんと我が家の周りは時折害獣が出る。それも結構頻繁にだ。


私はそれを猟銃(ドラグノフ)で日々駆除している。


大事なことなのでもう一度言おう。


私は、害獣を、猟銃(ドラグノフ)で、駆除している。


「マスターの身の安全はこの私が保証しよう。安心して狩りをしてくれ」


なんて楽しそうに言ってくれるのは毎回私の護衛をしてくれるドールのマキちゃんである。


彼女はとてもかわいい。


それでいてとても運動神経が良い。


例えば彼女は全身鎧を着ているのにすいすい足場の悪い道を歩く。


彼女はどんなに動いても息切れ一つしない。転んだりもしない。つまずくことすらしない。


それでいて腰に佩いた剣で近づく害獣を切り伏せてしまう凄腕のキラーマシンだ。


そんな人と一体いつ知り合ったのか?


ははは何を言っているんですか私はここに来てからというもの人に会ったことなんてないですよ。


うん、おーけーわかっている。お前は何を言っているのだと、そうお感じになられる方はさぞ多いことであろう。突っ込みを入れたくて仕方がなくなってきているであろう。私だってそうだったさ。逆ギレるようで申し訳ないが教えてほしいのはこっちですいい加減にしろ。


私にだって言いたいことは山ほどあるが飲み込んでいるんだ。責められる筋合いはない。


だがあえてひとことだけ言わせてもらうなら、私の気持ちはこの一言に集約されるだろう。


私は間違っていない。


ついでにはっきり言おう。言っておこう。


私にはこの世界が何なのかよくわからない。


この世界は、恐らく夢の世界ではない。


ここをファンタジー世界と言うにはあまりに色々なものが地球っぽい。現実味がありすぎる。草だって石だって普通だ。独創性のかけらもない。一日は二十四時間だし太陽は一つだし月だって一つしかない。


こう言ってはなんだが、おかしなところはそれほど沢山あるわけではないのだ。


例えば先に述べた害獣の存在。


例えば超々高性能な人形(ドール)の存在。


それくらいなものだ。


すごく複雑なロールプレイングをこなす人形(ドール)は、私に襲い掛かってくる害獣を悉く屠ってくれる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ