サイコパス回避せよ!!ハードボイルドな相談だ!!
「ちょ……丸出し!?」
「あー、俺達全員男だしな」
「丸出しのツルツル」
「面白いですねぇ」
……勢いでマリワナに命令しちゃったけど、日本人だった私には殺すの抵抗あるぞ……。
……サイコパスジェノサイトになりたくない!!絶対にだ!!
ハードボイルドな顔になると、海美は決心した。
……殺さずに追い出す方法が良いかも……。
……殺しは駄目!!人の命は一つ。
異世界チート主人公みたいに無自覚無双して、国も人々もジェノサイトは駄目。
悟りを開いた仏のような顔をして海美は結論を出した。
「強制召喚!!」
カッと目を見開くと、海美は地面指差して叫ぶ。
「きゃあ!?」
魔法陣と共に先程居た女性が召喚される。
目映い光に女性が包まれ見えなくなったかと思うと、光が消えた後には女性の身に着けていた服や鎧、下着などが落ちてきて女性が見えなくなる。
服がもぞもぞと動いて、ぴょこんっと出てきたのは15センチくらいの小さな小人だった。
「何するセイ!?せっかく暴れてやろうとしたのですセイよ!?」
服などを片手で開いた空間に投げ込むと、小人はブチ切れて叫ぶ。
この小人こそ、先程召喚され戻されたマリワナだ。
彼女や、他の剣杖も含めてチビエマ士族に含まれる亜種。
聖魔法を使うマリワナは、セイビトと呼ばれるチビエマ士族なのだ。
「すまん!!マリワナ!!この国を襲って居るのは大聖女だった私の元実家の国だ!!
何だか分からないが、帝国と本気で闘ってないし妙なんでお前を戻した!!」
「……そう言う事なら仕方ないセイ。でも、どうするセイ?」
困ってマリワナは首を傾けて海美に聞く。
「何とか纏めて捕まえるとか?」
「古代の最恐国相手に、いくら剣杖でも私達には無理セイ。
やっぱり大勇者様や大魔王様じゃないと無理セイよ」
海美に言われて、マリワナは首を横に振ると最もな意見を出した。
「兄様達か……。うーん……出来れば嫌だけど仕方無い。
兄様達は説教するから嫌なんだよな。中々自由に出来ないし……」
「我が儘言ったら駄目セイ。
海美として死んだ時なんか、二人は滅茶苦茶泣いていたセイよ」
嫌そうな顔をする海美にマリワナは困った顔をして言う。
「……そうだったのか?それは悪いことをしたな」
「分かればいいセイ」
海美がビックリして頷くと、マリワナはどや顔する。
「今の海美だと、人間バージョンは五分しか持たないセイ」
「チビエマ士族として兄様達を召喚すれば何とかなるかも」
目を細めてマリワナが答えると、海美は能天気に答えた。
「……確かチビエマになると、男も女も私みたいにちんちくりんになって人間の姿に戻らないと性別不明になるはずだセイ」
「そうだ。男も女も丸出しのツルツルチビエマになる」
ハードボイルドな顔をしてマリワナが言うと、海美もハードボイルドな顔をして答えた。
「……海美の今の魔力では、全員召喚するのは無理セイ。
チビエマになると魔力も能力も半分以下になるけど、空間繋げて召喚するの手伝ってあげるセイ」
「ありがとう!!マリワナ!!」
呆れた顔をしてマリワナが言うと、海美は嬉しそうに礼を言う。
「召喚したら直ぐ帰るセイよ。
男全員の丸出しは性別不明になっても見たくないセイからね」
「あぁ、それで構わん」
こうしてマリワナと海美の話は纏まり、いよいよチビエマ召喚となる。
「って事は!?」
「チビエマにされる!?」
「マジで!?」
「皆で仲良くちんちくりんになろう」
「音速になるからいいじゃん」
果たしてどうなる!?