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固定ダメージで挽き殺します!  作者: わけわかめ
配信二十二日目

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49/107

#27 【明度注意】閉鎖空間と強行軍【また洞窟か】

──

ストーリークエスト

2-3

[明けぬ夜を抜けて]

ビオーレから一般人を次の街であるカレイドまで連れて行く護衛依頼。今は他のルートであるシサーブトンネルもロイス川も使えないので、バッティラ坑道を抜けていこう。

報酬:15000C

──


 ギルドで依頼を受注し、待ち合わせ地点である北門に到着した一行。何故受注してすぐそこに依頼人がいるのか、などというツッコミはゲームだからと流すとして。


「僕の名前はマチェと申します!花の都カレイドまでの護衛、よろしくお願いします!」


 シェリー達の顔を見るたび駆け寄ってきて、ペコリと頭を下げる男の子。このメインクエストで護衛するNPCはランダムであるが、その中でも1番のあたりとも言えるだろう。主に見た目が。


>健気系ショタ

>ショタァ…

>ガタッ

>あっ……(察し


「………護衛とはねー」


 こんな見た目で野生の化け物がいる外を歩けるのだろうかとジト目がちになるシェリー。


「ウチら攻撃的すぎて守れる気せえへんのやけど」


 自分含めてやけどな、と付け加えつつ光と戯れながら呟くファインダー。


「……かわいい」


 幸いにもカメラ外だったがジュルリと涎が出てしまいそうになっているバレッティーナ。


「おいバレ本音出てる」


 後頭部をサードムーンで叩けば直るかと本気で検討するアリサ。


「母が病気らしくて一刻も早く帰ってあげたいのですがご存知の通り今はシサーブトンネルは工事中。ロイス川は大商人か貴族様くらいしか自由に利用することができません。そこで冒険者かつ英雄様であるみなさんの力をお借りしたいんです!」


>あまりにタイミングが悪すぎる

>他だと誰がいるの?

>闇商人とかお忍びとかまぁ色々。

>とりあえずこの子が当たりな理由は見た目だよ


「ああうん、いいよ」


「そのためにきたわけやしな」


「ありがとうございます!」


>ンガワイイ

>あーー俺もこいつが良かったぁーーー!!!

>デブ没落商人め……


 はにかみ笑顔。視聴者とバレッティーナに効果は抜群だ。


「押さえつければ…」


「アタシが地面に叩きつけてやろうか?」


「……………ごめん」


 すんでのところでアリサの言圧眼力はバレッティーナの崩壊を防ぎ、護衛隊は出陣。フォーメーションとしては台形型に前がバレ-アリ、後ろがファ-シェリ。視界に入れなければ大丈夫だろうとの判断。


「カーチャンが危篤とは大変ねえ……ってその知らせは何処から?」


「川路は荷物なら定期便で運ばれるのでそれに乗せてです」


「なーるほど」


 港はあるのものの一般人には定期便はあまり利用されない。普段ならばトンネルがあるし、そして何より1スペース幾らという値段設定なので料金が高い。個人向けの郵便や宅配は幾らかスペースを借りている業者が個人向けに又貸ししているという形だ。


>誰でも川通れたら渋滞するしなぁ

>大きいとはいえ川は川だからな

>下の湿地避けて海に向かう流れもあるっぽい

>それ外国行き


「もう坑道入るからライトよろしくなー」


「……シリウスはんの事自然に照明扱いせんでよ」


>お陰で画面が見やすいです

>ありがとう!


 シリウスはれっきとした戦闘向け昆布である。決していまやっているように薄暗い洞窟の中を照らすために存在しているバディではない。


「え?シリウスってファーちゃんが撮影班だから撮影しやすいようになったからじゃないの?」


「一遍地獄行こか」


>ひぇっ

>どうしてシェリーの周りは暴力的な子が多いんです?


 なんとなく信じていたシェリーにも裏切られおこ。真顔の判決と共に心なしか輝度も上がる。しかしながらそれはファインプレー。バレッティーナの目は"影"を捉えた。


「──ネズミ発見。撃ち抜く」


>どこ?

>わからん


 複雑な岩壁さえも計算し、バレッティーナとミラーラミは戯れに岩陰に隠れたネズミを射抜く。短い断末魔が微かに響いた。


「完璧」


 撃ち抜いたミラーラミの銃口へ息を吹きかけ、ガンスピンと共にホルスターへ戻す。


「すっごーい…!」


>ビューティフォー…

>コンテナの微妙な凸凹でルート開拓しただけはある

>TASだろ


「ふふっ、もっと褒めてもいい」


 褒めに貪欲なバレッティーナは澄ましたドヤ顔。


>この顔好き

>助かる

>今日のASMRに使う


「さすが英雄様ですね!」


「切り抜き素材が増えて嬉しい限りやわぁ」


「……早く進もー?」


 色々な意味でホクホク顔のファインダーの横で急かすシェリー。このように初エンカウントは簡単に片付けられ、次エンカウントは──


「……獣臭いなぁ……しかも何か聞こえる」


 アリサが歩みを止め、それに釣られて進軍停止。感知が視覚でも聴覚でもなく"嗅覚"なのはともかく確かに何かがいるらしい。


「掘削音…?」


 カンッ、カンッ。キンッ、キンッ。硬いもの同士がぶつかり合うような音が聞こえだしたところで一行は一度身を窪みに寄せる。


「……マチェ、狭いけど堪忍な」


「は、ひゃひ……///」


 まぁ男女比4:1であり全員が何かしらの性癖クラッシャーな装備をしている為、このご時世に珍しい素朴ショタは感覚のやり場に困ってしまう。


>おいショタそこ代われ

>裏山

>幾らで護衛依頼受けてもらえますか?


「視聴者共〜?」


>ドアップ笑顔やめて

>何も見えねえ

>もう魔王RPしたら…?


 とコメント欄が湧いてきたところでシェリーはカメラを顔に近づけて鎮火。シリウスのお陰で逆光となり恐怖度はさらに増している。


「……偵察……アタシしか無理か。行ってくる」


 サードムーンを仕舞い、アリサは闇の中へ。しばらくしたら戻ってきた。


「早かったね」


「アイツらは松明置いて採掘していたからな。獣臭い理由もわかった、ここに居るのはコボルドだなー。ゾンビ化もしてなさそうだから普通の野生だろ。力で押せば勝てる」


「わかった。行こう」


>たまにIQ高くなるよね

>戦う前までは会話が成立するのになぁ

>スキル選択で狂化とか入れてる時点でもう、ね…


 強さもサードムーンで殴れば終わる程度だと宣うアリサにバレッティーナも乗る。


「あ、あの……僕のこと、守ってくださいね…?」


「ああわかっとるよ。マチェはウチがちゃーんと守ったるからな。このお姉ちゃん達はそれぞれ殺し(跳弾)暴れ(殺戮)走り(RTA)が得意やさかい、行かせた方がええんよ」


「節々に棘がある気がするけどなぁ……ねぇ、ファーちゃん…?」


「気のせいやで」


「そうかなぁ」


 まぁいいかとシェリーはオファニエルを仕舞い剣を装備。静音仕様でレッツゴー。窪みを出た先、コボルトの採掘拠点へと殺しの鬼三体が襲いかかる。


「………でもなぁ、オファニエル使ってくれへんと取れ高ないんよなぁ」


>本音出てますよ

>切り抜き担当だからね

>撮影班の鑑


「取れ高…って、なんですか?」


「あー……こっちの話やから気にせんでいいよ。ほら、お姉ちゃん達応援したろな」


 一応は今もシェリーの配信だが、カメラはファインダーに付いている。そしてチラリと中を覗くと……


「『アタシはここだァァーーッッ!!』」


「目標補足、ファイア」


「──♪」


 アリサが松明と燭台を潰す勢いで中央を嵐のように荒らし回り、バレッティーナが周囲の露払いと的確に身なりの良さそうな者を撃ち抜いていく。そして怯え腰で今にも逃げ出しそうなコボルトは動きが止まったところでシェリーの暗殺剣(物理)で死亡。


>作業分担完璧

>殺しに対してバカ真面目


「……な?」


「英雄様達怖い」


「うちも怖いわぁ」


>恐怖の大王

>2000年にきてもろて

>ねぼすけ過ぎるぞ大王


 なんでそこまで自由に動けるんやろかと聞きたいが自分もフルダイブで動けているのでケラケラと笑いながらもファインダーは口を閉ざした。思っていたより自分も適正があったらしいので。


「そうやマチェ、この坑道ってなんで放置されとるん?コボルトとかおるくらいやし、まだ資源残っとるんと違うん?」


>よくあるマップだけど

>いつも採掘させてもらってます

>うめ…うめ……深部まで行くとほんとうめ…

>ストーリー進めんのめんどくさくなるくらいには旨い


「ああ、それは簡単なことですよ。公営にするには採算が合わなくなったんです。そこで新たな鉱脈探しも兼ねて隣のシサーブトンネルが作られたんですよ」


「ああ、ならここが旧街道なのは間違っとらんのやね」


>はえー

>……これだけとって採算合わないのか

>まぁゲームだし、多少はね?


「はい。ただ、本来交通用だったメインルートはかなり昔に落盤してもう通れなくなってしまったので、こうして脇道から遠回りする必要があるんです」


「なるほどなぁ」


>聞いたら教えてくれたのか

>当たり前だよなぁ?

>ノンフィクションだぞ、たりめーよ


「『しョォォォりィィィッッッ!!!』」


「終わり?」


「バトル終わったし終わりかな。オファニエルがないと物足りない……」


 現実逃避も兼ねて雑談している間にコボルトは殲滅された。再合流して先を急ぐ。


「それーにしてもさー。1はともかく2には化け物かも?って理由で行かされたけど、3は特に何も書いてないよねー」


>商売だけで終わったからな

>守るのは難しいからね

>特にこいつらの場合w


 理由は言うまでもなく全員の能力が攻撃性能に極振りされているから。突き抜けた結果防御能力を得ているファインダーが擬似的なメイン護衛を担っているものの、普通の編成ならばファインダーもアタッカーである。


「英雄様は……ヴァーサ様からの信託を受けて異世界からの化け物を探しているのですか?」


「ん、まぁ……そんなところかな」


 どうせならEXルートで進みたい。けどどこから分岐するのかはさっぱりわからない。そんな想いを秘めながら、シェリー達は相変わらず頭上で輝くシリウスに照らされて進むのだった。


「……洞窟といえば、あとどんなモンスターがいたかなぁ」

Tips 昆布についてのちょっとした語り(読まなくても差し支えないよ)

書き出すとキリがないので敢えて描写してないですが、普通の人は普通の武器の昆布になります。

その極致が少し前に出た"アゾット“です。あれは汎用性を極限まで突き詰めたものなので……

それに加えて普通の剣なら名前被りは実の所割とあります。

なんならサードムーンはアリサの他に2振りくらいありますしね。というかアリサが異常値で鉄塊と化しただけであって本来"サードムーン"は刀なんすよ、これ。

まぁ、全体的な昆布のタイプ割合は……

普通の武器:8

変わった武器:1.3

防具類:0.69

イカレポンチ:0.01

くらいですかねえ。


……このように登場しない部分については二次創作とかしたいならこちらの名前被りとか全く気にせずやってもらって結構ですわよ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 二次創作、暇を見て書かせてもらいますね
[一言] あれ、同名でも全く同じ武装というわけではない? ステータスに幅がある感じ?出来ることも少々の差があるのかな。 そもそも、同じ名前の昆布って事はパーソナリティーも似通ってるってことか。 つま…
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