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あれ? 俺……詰んでね?  作者: Aion
天に唾吐く愚か者……編
6/41

クソゲーは時間がかかるもんだよなっていう話。

次回は10/3の正午です。


『くそっ、主人公ユニットで無双しとけば、評価Sとれるような仕組みにしておいて後半になって軍の攻撃しか通らない敵ばっかになるとかなんだよこのゲーム!!』


恋乃葉:

しかも、敵の設定が大陸を統一した主人公を倒すために派遣された天使でござるから、軍の強化をしたくても効率がいい実戦ができなくなってるでござる………。


月夜:

セーブしたのが戦闘開始の直前やから、ここで倒さないと国が滅んでゲームオーバーやさかい、お姉さん詰んではるわ


 軍要らないと思って解体したら、天使を相手取る段階でいきなり格ゲー要素絡めてくるのなんなの……。

 そりゃさ、何でこんなに使えないシステムあるんだと思ったし後半は敵が強くなるってのは聞いたけど、まさか攻撃が一切効かない敵を相手に格ゲーすることになるのを阻止するために必要とはわからないじゃん……。

 しかも攻撃が効かない理由が主人公相手にメタってるからで、軍ならちゃんと攻撃が通るとか考えられてるのがムカつく。

 一番の理由は軍と主人公単騎では、戦闘方式が違うことだな。

 軍率いて挑むとシミュゲーなのに、ユニット単騎なら格ゲーってどんな罠だよ。


桔梗:

ずいぶんと荒れてるね


 あっ、やべ。


『いやー、ボクとしたことが心が乱されちゃったね! いつも通りにもどらないと!』


葵:

………アキはいつもそんな感じ………


 失礼な! いつもはもうちょっと取り繕えてるはず………だよな?

 でもこれ、もうどうしようもないよな………。

 ………リセットするしかないか。

 ハァーまじかぁ。

 ここまで来るのに三時間くらいかかったんだけどな。


『………リセットします』


恋乃葉:

あー、その……ドンマイっすよ!


桔梗:

私もこれは同情するね


 励ましが心にしみる。

 それに比べて……。


藍:

お嬢様、ざ·ん·ね·んでしたね


葵:

………仕方ない………

アキの実力を鑑みれば当然の結果………


 君たちは人を煽らないと死ぬ病気にでもかかってるのかな?


銀華:

次、ファイトです!


月夜:

次はもっと短い時間で行けるはずやから、そないに落ち込まんとき



 そこから二時間後



 ようやく、リセットしたところまで戻ってきたぜ。

 疲れたー!

 

 ただし、そこからが長く、ゲームをクリアする頃にはもう七時を回っていた。

 あまりにも長いので説明は省かせてもらう。


『もう朝になっちゃったけど、今日の配信はここまで! また次の動画で会おうねー!』


 録画装置を切る。

 ARデバイスを外し、昨日の時間が経って温くなったお風呂を追い焚きする。

 それを待っている間にだしの素、お湯味噌、スライスした玉ねぎで手抜きの味噌汁を作る。

 タッパーから昨日の料理を取り出し、レンジにかける。

 その間に弁当箱を用意する。

 

 このままだと量が少ないなあ………。

 配信が終わったあと作るつもりだったから、どうするか………。

 味噌汁と冷凍食品でも持っていくか。


そうと決まれば、ささっとおかずを半分程弁当に詰めてから、残りの半分と味噌汁、ご飯を食卓に並べる。

 3LDKのマンションなだけあって三人家族用の食卓なのか、かなり広く感じる。

 

 いつものことだが、少し寂しい食事風景だよなあ。


「いただきます」


 朝はたくさん食べた方が本当はいいのだが、量が少ないのですぐに食べ終わる。


「ごちそうさまでした」


 食器を軽く洗って、昨日の皿と一緒に食洗機にいれ、回し始める。

 風呂にはいり、制服に着替えて準備を終えたころには時計の針は八を指していた。


 今からなら、ギリギリ間に合うか?


 学校に着いて、時計を見ると八時二十五分だった。


 思ってたより、余裕あるな。


 走りすぎて、息が大分荒いがだんだんと落ち着いてくる。

 二十五分という登校のピークを過ぎた時間だからか、人がほとんどいない。

 ようやく、息が落ち着いたので校門を通ろうとする。

 すると、校門の横に立っていた若宮会長がグイッと俺を引き寄せる。

 

「そこ、ネクタイがきちんと結べていないぞ。まったく……」


 慌ててたから、手順を間違えたか?


 と、ネクタイを直そうとして、俺の顔を見た若宮会長が目を見開く。


 あれ? 目元にうっすら隈のようなものがあるような……。


「なっ!? 君は! ……昼休み、生徒会室に来い。」


 そう言って、睨むような目で凄んでくる。


 あー、そういえば告白の返事自体はまだ貰ってなかったっけ。

 まず、ずれた告白をしてくる初対面の男子と付き合うなんてあり得ないから、すっかり断られたものとして記憶してたわ。

 ま、そんな時間はかからないだろうし、龍次たちには先に昼飯食っとくように言っとくか。


 徹夜したせいか、定期的に眠気が襲ってくる。

 あくびを噛み殺しながら、教室にはいる。

 すると、月島が駆け寄ってくる。


「少し、話があるのだけど。いいかしら?」


 よくはねえだろ。

 今、八時二十九分!

 マイペースかよ……。


「そろそろ授業始まるし、一時間目のあとでもいいか?」

「わかったわ」


 一時間目は……古典か。

 須賀センの授業眠くなるんだよなあ。





 肩を揺すられている気がする。


 ハッ、やべ寝ちゃった。


「ふふ、よだれ垂れてたわよ」


 月島はハンカチを片手にそう微笑む。


 君、みんなにそんなことしてるの?

 いつか刺されちゃわない?


 突然のことに動揺してしまう。

 

「あー、とりあえず話だっけ? 移動した方がいいか?」

「うん……そうしてくれると助かるわ」


 そう言われたので、とりあえず教室を出る。

 わざわざ教室から離れたということは、あんまり人に聞かれたくない話か? と予測し、折り返し階段の下スペースへと移動する。

 ここならほとんど人もいないし大丈夫だろ。

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